ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

朗読について 5 <地声・作り声について その3>

2012-05-31 11:40:04 | Weblog
 昨今テレビのバラエティー番組などで、ナレーションを過剰な作り声で語るということがよく聞かれます。
 また、アニメなどの声優さんがキャラ声というもので吹きかえをするという事があります。

 これは、テレビの創世記からの声優さんの活躍を耳にしながら育ってきた世代ですのでアニメのキャラクターを声優さんの声で覚えているとか、ハリウッドのこの俳優さん女優さんはこの人の声、というのがありましたが、何時ごろからかその質が多少において変化してきているように思うのは、私だけでしょうか?

 作り声と一言でいっても、その出所は違います。喉元や口先で作る声に、私は多少なりとも抵抗を感じるのです。
 
 たとえば、高校演劇などアマチュアの方のお芝居なんかで(素人とは限りませんが)、おばあさんなどの老け役を演じる時、喉元や口先で声を作って出したり、しわ枯れた声を出してみたりするのですが、あれはいけません。
 お年寄りはこういうものだというイメージや固定観念だけで、まったくリアルではない。

 では、何が昔の声優さんと今の人と違うかというと、これはすべてがそうというわけではありませんが、肝(はら)から声が出されていないということです。
 ここで勘違いされては困るのですが、肝とかいてハラと読ませているのには訳があります。まず、一般的な腹式呼吸でのお腹からの声というものとは区別して考えたいからです。

 昔の俳優さんなり女優さんは、しばしばセリフを肝(はら)に入れて肝(はら)から話すということをいわれたりする人がいました。
 これはセリフに実(じつ)を込めるという意味合いです。自分の口から放たれる言葉に説得力を持たせるには、この実を込めるということが肝心です。

 返していえば、口先の作り声はいかがわしいもの、実のない声ということになります。

 とはいえ、実を込めるということはそんなに容易いことではありません。 <つづく>

演劇ユニット マーシュマロウ 第7回公演「ユーモレスク」上演間近になりました。

2012-05-30 09:41:03 | Weblog
 まなびパークたじみ7階多目的ホールでの芝居公演「ユーモレスク」の本番が、6月3日(日)と、今週の日曜日に迫って来ました。

 なかなか舞台で芝居を観られるという機会はないかもしれません。
 ましてや、映画よりもチケットは高い、となると二の足を踏まれることでしょう。

 また、本格的なプロのお芝居なら行くけれど、田舎でやっているこの程度の金額の芝居はねえ~と、おっしゃる向きもおありでしょう。

 どうか、その一線を踏み越えて、私たちの芝居に足を運んでみてください。
 そして、この舞台に立つ役者と、同じ空間で同じ空気を吸って、ひとつの物語世界を共有してみてください。
 確かに生の舞台というもの、当たり外れは大いにあります。私にとって面白くても、貴方にとってはそうでもないかもしれない。

 私は自分の演劇を「立体文学」と位置づけ、お客さんとのマンツーマンの関係性を確立できることを夢見ています。
 私の演劇観(文学観)は、ストーリーを楽しむのではなく、生きた人間の生きた言葉との出会いを何より大事にしたいと考えています。

 日常に言い尽くせない感情のはけ口ともなる言葉との出会いによって、よりクリアされた生活の場が広がることさえあり得ないとは限りません。

 どうか、体験してみてください。試してみてください。
 これは宮澤賢治の「注文の多い料理店」序文にあることばですが、

「・・・・・・あなたのためになるところもあるでしょうし、ただそれきりのところもあるでしょうが、わたくしにはそのみわけだよくつきません。・・・・・・けれどもわたくしは、このものがたりのいくきれかが、おしまいあなたのほんとうのたべものになることを、どんなに願うかわかりません」
 
 といった一文ですが、この思いとつながる思いを僭越ながら抱きつつ創作しています。

     演劇ユニット マーシュマロウ 第7回公演「ユーモレスク」
          いちかわあつき・作 高橋明夫・演出
 
 <日時・場所>2012年6月3日(日)am11:00~pm3:00~
        まなびパークたじみ 7階ホール
 <チケット> 前売り1800円 当日2000円

 <駐車場>  まなび地下Pまたは、市営豊岡駐車場をご利用ください。受付にて、駐車チケットを差し上げます。
 
 <問合せ>  090-7025-0038(いちかわ迄)

  ※  なお、このブログを読んだと、受付でいっていただければ当日でも前売り料金とさせていただきます。
 
 

朗読について 4 <地声・作り声その2>

2012-05-28 13:01:33 | Weblog
 ようやく前回の続きを書きます。

 さて、地声といってもTPOで微妙に変化を来たしているというようなことを先回はお話したと思いますが、また職業柄によっても種々声は使い分けられているのではないでしょうか?
 
 たとえば、接客などに携わる販売員や、セールスマン・セールスウーマンなどの職業の方々は、接客の際に少し声のトーンが高くなっているということはないでしょうか? 
 これは、日常家の電話に出られるときなどにもしばしばある現象ですが、ひとまず相手に対してへりくだる態度をとる時は、声の調子を高くするということを、無意識にやっていたりするものです。
 もし、そんなことはない、むしろ下がっているくらいだといわれるなら、相手に対して見下ろす態度が隠れているととられかねないかもしれません。

 もちろん、対人関係は年齢差や異性同性などの違いによってもその変化の度合いは違いますし、女性は男性を相手にすればやや声のトーンが上がり、男性は逆に下がるということが、無意識下に起こっていたりもします。当然それは相手を異性として意識しているという前程の無意識ですが・・・・・・。

 以上に述べたことが無意識下にではなく、意識的になされてくると、それはもはや地声の領域を越えて作り声の領域に達してきます。
 私はそれを広く、色声と読んでいます。
 色声というと、一般的には艶っぽい声、色気のある声のことをさしますが、そればかりではなく色を成す声、色を含んだ声ということで、声色という言葉の延長線上にある意味合いで使っています。

 さあ、声色という言葉が出たので、少し演劇・演芸の領域にも足を踏み入れてきました。
 声のようす、声音という意味合いと、俳優などのセリフの調子や芸人さんの話芸・ものまねなども、この声色の中に含まれてきます。
 つまり、地声と作り声の両方にまたがるものということです。

 ここでようやく「朗読について」という本題に添った話に入ることが出来るようです。

 朗読という行為において、まったくの地声で行うということは、かなり難しい行為だということがいいたかったのです。どうしても色が付くのだと。
 本来人は自分を良く見せようとか、上手にやろうとするときに、色めいた声になりがちです。どこそこ作り声になっているのです。
 それをいけない行為だとは言いません。むしろ、非日常的な空気を演出するためには効果的でさえあります。しかし、それには条件もあるのです。
 長くなりましたので続きはまた次回とします。ごめんなさい。  
                             <つづく>

朗読について 3

2012-05-24 13:10:38 | Weblog
 今日は地声・作り声について、お話ししたいと思います。

 広辞苑で地声と引くと、「生まれつきの声、もちまえの声」とあります。
 普段何気なく話している声、生まれながらに持っている声ということになりますが、声というのは様々な環境に左右されながら作られていくものです。

 地声は放っておけば出来上がるとはいうものの、そうばかりとはいえないと思うのです。
耳から入ってくる様々な声、言葉、音に影響されながらまずは6,7歳ごろに一応整い、そしてまたいろいろの影響下にありつつ成人に至っていくのです。

 さあ、常に地声のままで話していると自信をもぅていえる方があるでしょうか?
 人は、家庭においても職場においても、またあらゆる場所場面においても声に微妙な変化をさせながら、日常を暮らしています。
 その中のどの声が本当に自分の声なのか、普通はそんなこと考えもしないことだと思いますし、みんな一緒だと思っているのでしょうが、私のような声を生業にしているものにとっては、そうではないのです。
                                <つづく>

玄関にノゲシの咲く・・・・・・。

2012-05-22 16:55:49 | Weblog
 玄関に植え込みがあって「ひとり語り 劇車 銀河鐵道」と書かれた看板が立ち、その下にスミレが植えられているのですが・・・・・・。

 その傍らに、ノゲシが私の背丈にまで伸びて、すっくと花を咲かせています。
 どうやら、葉のカタチのギザギザ具合からオニノゲシではないかと思われるこの植物。普段なら草むしりしているときに抜き取ってしまったりするのですが、なんか一本だけ真っ直ぐに伸びていくので、どこまで高くなるのだろうと放っておいたら、私の目の高さにまで伸びてしまいました。

 そのうちに一番下の葉の葉裏に、いつの間にか蜂が巣を作り始めています。こんなところにか? と驚きましたが、さてどうしたものか。

 今更に切ってしまう、引き抜いてしまうということがなかなか難しいことになってしまいました。
 こうやって記事にして書いてしまうと、尚更に特別なものになってしまって、また機会を失ってしまう。

 ケシという名が付いているのでちょっと物騒な植物に思えますが、さにあらず。
 ただ似ているというだけで、それは他人の空似というやつで、このノゲシはキク科の植物なのです。
 毒にも薬にもならず、もちろん食用にもならない。
 ごく普通に道端に生えて咲いているものですが、このオニノゲシはどうも外来種のようでトゲトゲが鋭い。

 あのタンポポだって、西洋タンポポは葉がギザギザでしょう。何で外国から入ってきたものというのは、こうも攻撃的なのでしょうか? でも引き抜けません。

カフェ・ビィエントさんでの公演終了しました。

2012-05-21 11:50:29 | Weblog
 カフェ・ビィエント特別企画第2弾 いちかわあつきミニかたりライブ~架空ラジオ番組生放送「あなたにだけ今晩は」~にお越しくださいました観客の皆様、及びお力添えいただきましたスタッフの皆様へ、この場をお借りして心より御礼申し上げます。

 新しい試みを企画してその本番に挑むのは、何度経験しても緊張するもので、なかなかに思い通りとは行きませんでしたが、お客様に楽しんでもらい、日常とは違った時間を味わっていただけたのなら幸いです。

 より良く洗練された、皆様に喜んでもらえるステージを、これからも創り上げて行きたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

朗読について 2

2012-05-17 22:25:46 | Weblog
 先日ある小学校さんの群読指導に伺って、とても感動したことがありました。

 指導といっても、限られた時間数ですから、そんなに本格的な訓練とかは無理なことで、短時間で音読・朗読が上達するような方法・テクニックを私は持ち合わせているわけではありません。

 が、言葉で気持ちを伝えるということは短い時間の中でも可能な方法で、心から心へ訴えかけることで気持ちを動かすことは出来るのではないかと、出来うる限りの言葉を駆使して話させてもらったのですが・・・・・・。

 いやあ~小学生の子供たちの柔らかさ、素直さに私は本当に感動しました。
 ちょっとしたアドバイスで、すぐにその読みの変化を見せてくれ、私の心に訴えかけて来る群読をしてくれたのです。
 私はうかつにも落涙してしまいました。

 彼らはきっと身を持って感じ取ってくれたはずです。自分たちの言葉が人の心を動かし揺さぶる力を持っているということを。すなわち感動させることが出来るということをです。

 しかし、音読・朗読は一期一会のもの。一回素晴らしい読みが出来たからといって次も同じように出来るとは限りません。
 それはそのときの良かったことを憶えていて、同じようにやろうと思ったりするからです。つまり、そこで色気が生まれます。無作為だった行為が作為的に働いてしまう瞬間です。私の17年はそういうことの小さな繰り返しだったように思います(いや、今も現在進行形です)。

 けれど、素直で柔らかなあの子達にはそんな心配は無用かもしれませんね。大人の私の老婆心に過ぎないことでしょう、きっと。

 もう一回練習にお付き合い出来て、そして今月末にはいよいよ本番の発表会があります。とても楽しみです。どんな公演やステージを観るのよりもワクワクしますね。

 そうです、言葉は人の心を動かすんです。子供たちと接すると教えられることがいっぱいありますね。

雨の一日・・・・・・。

2012-05-15 17:50:25 | Weblog
 ここのところ晴天続きでしたが、今日は久しぶりに雨の一日になりました。

 昨日は就寝前になんとかブログ更新しましたが、今日は少し早くに時間を見つけてやっています。

 こまめに更新しませんと、せっかく閲覧してくださっている皆さまに申し訳なく思えてなりません(ここんところ閲覧数減ってまして)。

 まあ、字ばっかで読みづらいなんてお声も頂きますが、申し訳ありません。
 なかなか写真など撮る習慣がなくて、このごろはほんと、字ばっかです。

 それでも読みづらくないように、出来るだけ詰めないように、余白を取って書いていますが、どうもおじさんは、あのスカスカの文ていうやつが、逆に読みづらくて困ります。
 程よく行かえして句読点を打ってなど、いろいろと考えながらキーボードを打っておりまして、おまけに打つのに使える指も十指みんなとは到底行きませんから、若い人に比べたらかなり遅い。
 そこへ持ってきてパソコンもかなりの年代ものですからスピーディーには動いてくれません。そこで気の急いている時にはなかなか開けないというわけで・・・・・・。

 ああ、速やかにことの運ぶ新しいノートパソコン欲しいよ~。
 でも無理です。
 おじさんは芝居というものにウツツを抜かす風狂人ですから、一般の方々とは違う経済感覚で生きていまして、とにかく稼ぎが薄い。

 何時までもそんなことでは駄目だという思いは強いですが、なにしろ稼ぐということを基本においた生活からかなり遠ざかってしまっているので、思いばかりで埒があきません。

 都会でならいざ知らず、地方で持ってこの様な活動をひとりで続けていくなんざ、かなり大変なことのようで、それでも今年で17年、さすがにおじさんに向かって「ちゃんと食えているのか?」といってくれる人もいなくなりまして、どっちかというとそういうようなことを若い人に向けて言わなくちゃいけない年齢になってきたんですが、全然いえません。 

◎ 雨晴れも あったもんかよ キリギリス

ブログ更新できない日々。

2012-05-14 22:28:05 | Weblog
 5月に入ってなかなかブログが更新できません。
 ということは、ほか事に忙しくしていて、パソコンの前に座れていないということです。
 ということは同様に、最近は読書にも勤しんでいないということで、読み齧って放り出したままのものが数冊、私の傍らに積み上げてあって優先順位も何もあったものじゃありません。

 本来志賀直哉全集に本格的に挑もうと読みはじめていたのですが、それも半ば川上弘美の「風花」にも手を出し、所用で図書館に行ったついでに新刊本コーナーにケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲があったのでその場で1場だけ読んで借りてきてはみたものの読み勧められず、それなのにはたまた所用で出掛けた図書館で、最近たくさん戯曲が入ったことを知っていたので、どれどんなものがと置いてあるコーナーを覗きに行き、あらマキノ・ノゾミの戯曲もあるはと一冊借りて、それも読み齧ったまま・・・・・・。

 朝は畑仕事、昼には買い物。午後からは芝居の道具つくり。そしてはたまたあれもこれもと必要に応じて動き回り・・・・・・。

 今、たまにはブログも更新しなきゃと思い立ち、その読みかけの本たちを垣間見ながらこうしてこの記事を書いているわけです。

 今週の土曜日には新企画の舞台がひと公演あり、その稽古と準備に勤しみつつ、講師の仕事の準備、秋口演の打ち合わせ、小学校での音読指導、それに読み聞かせと6月の芝居の稽古と、もうひとつ頼まれているナレーションのセリフ付けと・・・・・・。

 本当に違うことがクルクル日替わりであって、どれがメインでというわけでなくどれもメインで、ポイントを切り替える間もなく次々とこなして、それでもそんなに忙しいのだという感覚もないまま、私はまた違うことを考えていたりしています。

 来月になるとまた違う仕事が待っていて、その口演の演目やなにやら、ああ随分やっていないものもあるが、今やってみたらかなり違うものになるだろうなと思いつつ、もう今日も終わりに近づいたので、そろそろお風呂に入って寝ようと思います。

 それでは、おやすみなさい。

5月にしては・・・・・・。

2012-05-10 13:21:57 | Weblog
 ゴールデン・ウィークも終わり、5月も半ばに差し掛かってきたんですが、ちょっと寒い日がつづきますねえ、5月なのに。

 陽射しは初夏のものですが、風が冷たい。

 山も荒れているようですね。

 先日はマーシュマロウの芝居「ユーモレスク」をご紹介しましたが、実は来週5月19日の土曜日には中津川市坂下町の雑貨+カフェ ビィエントさんで、

 いちかわあつき かたりライブ 架空ラジオ放送「あなたにだけ今晩は」というビィエント限定企画の催しを、上演します。
 
 架空のラジオの生放送を設定し、番組中のハプニングを一人芝居風に公演します。
 今までにない趣向で、新しい語りのカタチを楽しんでいただけることと思います。
 テーマは「大人の恋愛」観客の皆様の、恋のお悩みにもお答えしようと思っています。どうぞ、申し込み用チラシには、ペンネームでご意見お悩み事もお書き願えるようにもなっています。

 
 チケット(1ドリンク+お菓子付)2500円

 場所   中津川市坂下2514-1 雑貨+カフェ Viento(ビィエント)

 お問合せ・予約申し込み 050-3303-9124(ビィエント迄)