ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

芝居と仕事と家庭 PART 3

2008-07-02 00:11:18 | Weblog
 僕の30代の幕開けは、奈落の底へと転がり落ちていくスタートとなりました。

 人間、やりたいこととやらなければならないことは、どうやら違うようです。大方の人は、本来やらなければならないことをやっていて、それを仕方なしにと考えている。自分には他に夢があるのだけれど、まずは食べていかなければならないから、この仕事をしているのだと・・・。けれど、それはやらなければならないことをやっているのです。大きな破綻もなくその仕事に従事しているのなら、おそらくはそうだと思います。そして、やらなければならないことの意味に気付いて、生きはじめた人が、やりたいことの出来ている人。少し大雑把で的を得てはいないかもわかりませんが、この世の中にやりたいことをやって生きている人は少ない。それができている人は、生業と副業、あるいは趣味の世界とうまくバランスの取れている人。人間万事生計を立てられる仕事のみが仕事ではなく、本来やるべき仕事、やらなければならない役割というものを持って生まれているものなのではないでしょうか。趣味と実益を兼ねた仕事をしている人、またやりたいことで生計を成り立たせている人もいます。しかし、それは安穏としたところから出来る事ではないのです。天才と人から言われような人であろうとも、それ相当の努力と修練は多少においてあるのです。
 ちょっと解りにくい言いまわしになってしまいました、御免なさい。何が言いたかったかというと、つまり自分は、やらなければならないことをやらないで、惰性のままに生きていたために、目を覚まされるように、病気を与えられた。
 これは多くの人たちが、病を得ることによって、生きることの意味や命の大切さを学んだと証言するように、僕もそのひとりになったということです。
 今更ここで、病気についてあれこれ振り返ることはしないつもりです。本来病気というものはないものかもしれない。こんなことを言うとおかしいんじゃないかと思われるでしょうが、いたって正気です。あると思えばどこまでもあって果てしなくあり続けるもの、それが病気です。人類はその病との闘いの歴史でもあり、故に医学は進歩し現代に至っています。しかし、病の克服や撲滅、消滅ということは難しく、むしろ複雑化する現代社会は、その病理を増やしている。何故なら闘っているから。敵と味方という対立の原理は、終わりなく繰り返され続けるものだからです。いわば戦争の原理です。憎悪や恐怖心といったネガティブな想像性が、そのエネルギーを生み出していく。人間は創造の動物。現代は過去の人々の創造の産物であり、また未来も今を生きる私たちの創造の結果となって行くもの。
 だから僕は、多少の危機意識を様々に植え付けられながらも、未来について楽観視し、希望を抱いています。でなければ、明るい未来は切り開いていけない。当然そのためにやらなければならないことはたくさんあると思います。
 ああ、話がかなり横道に逸れてしまいました。重ね重ね御免なさい。
 要するに僕は、30代を迎えるまで、自分の生きるべき道を生きず、やるべきことをしていなかったと、まあそういうことが言いたかったのですが、随分もってまわった文章になってしまいました。
 中途半端ですが、今日はこれで終わります。