ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

11月22日(土)恵那公演へ向けて・・・。

2008-09-28 12:05:01 | Weblog
 10周年口演以来恒例となった恵那中山道ひし屋資料館での口演も今年で4回目を迎えました。
 今年は口演の口の字を、公の字に変えて公演。細かい事をいうようですが、語り物ではなく、ひとり芝居に挑戦させてもらおうと思っています。

 題して、劇車「銀河鐵道」いちかわあつき ひとり芝居ー「紫紺染について」についてー 宮澤賢治・作 いちかわあつき・脚本のお芝居を御覧頂こうと・・・。
 
 もう何年も前から「紫紺染・・・」は語りのレパートリー作品としてもあり、何回となく語らせてももらっていたんですが、何時かはひとり芝居として間口を広げたいと考えていました。
 この原作には原稿用紙一枚分の欠落部分があり、まあちょっと恐縮しますが、そこを埋め合わせて、全体的に膨らませて見たいと考えていたのです。
 そうして今年、それをやってみようと決行に踏み切りました。
 もう本番まで2ヶ月を切っていますが、ようやく台本も出来、稽古に入った段階です。
 チラシも今日くらいには出来ると思います。
 自分で書いた台本ですが、しっかり覚えようと、まずは1ページ目から・・・これからも本番に向けての稽古状況を、載せていこうと思っています。

四方木屋さんでの口演終わりました。

2008-09-26 16:56:40 | Weblog
 9月24日の夜7時から行われた、馬籠四方木屋さんでの語り口演は、大人子ども合わせて44名ほどのお客様にお聴き頂き、無事終わりました。
 ありがとうございました。この場をお借りして皆様に御礼申し上げます。

 この夜の馬籠は気温15度。少し肌寒いくらいの気候の中で、本当にいい雰囲気で語らせてもらえました。
 舞台として使わせてもらったお店の板の間の上は、大きな梁のある吹き抜けの天井になっていて、声の響きと通りが、抜群に良いのです。そのやわらかさに、本当に快く発声が出来、大きな声を張り上げたりする必要がないのです。四方の壁が天然のはねっ返りパネルとなって音を返してくれ、語る声を包み込んでくれながら広げてくれるというようでした。
 安房直子「きつねの窓」新美南吉「狐」の2作品約一時間。そしてこれはまったくのぶっつけだったのですが、島崎藤村ゆかりの場所で、最後に「初恋」を吟じらせてもらいました。
 この夜お世話になった皆様に、重ねて感謝いたします。ありがとうございました。

9月24日口演のご案内。

2008-09-23 11:51:31 | Weblog
 明日のことなんですが、中津川市馬籠宿にあります四方木屋さんにて、語り口演を催します。
 演目は、ー きつねのはなし - と題して、安房直子・作「きつねの窓」新美南吉・作「狐」の2本を語ります。
 島崎藤村ゆかりのこの場所で、秋の夜物語りの世界を静かに紐解いて行こうと思っています。
 チケット完売かもわかりませんが、ご興味のある方は馬籠四方木屋さんまでお問い合わせください。

 <問合せ先>馬籠宿四方木屋 ℡0264-59-2006
 とき:9月24日(水)午後7時開演
 木戸銭:大人1500円 子ども500円

草の波

2008-09-22 11:45:29 | Weblog
 台風も過ぎて、週末運動会を予定していた学校も、予定どうり開催できたようでした。
 台風一過の晴れ間もつかの間、雷を伴う激しい雨が降りました。その雨を受けて、ますます我が家の庭及び畑の草は伸び放題。中々刈ることが出来ません。
 ススキ、エノコロ草など腰の辺りまで成長した草々を眺めながら、もう当分書斎の人を決め込もうと思う僕です。

1週間ぶりの更新になります。

2008-09-17 09:31:41 | Weblog
 パソコンの前に座っても、ここのところ台本書きばかりに時間を費やして、なかなかブログに向えませんでした。

 その台本というのは、毎年11月に演らせてもらっている恵那ひし屋資料館さんでの口演と、来年の演劇ユニット マーシュマロウ 定期公演向けの台本です。
 先のひし屋向けは、今回ひとり芝居ということで企画していますので、はじめての試みとなるのですが、もう日にちも差し迫ってきていますので、あまりのんびりとはしていられません。
 題名は、いちかわあつきひとり芝居ー「紫紺染について」についてー。
 宮澤賢治作品を膨らまして、これまで僕が語り作品としてきたものをバージョンアップさせたいという作品です。
 どこまでコミカルなものに仕上がるかというのが鍵なのですが、今のところ、台本書き胸突き八丁といったところでしょうか。
 恵那市ひし屋資料館にて11月22日(土)夜7時からの公演を予定しています。

あらためて9月の風。

2008-09-10 23:50:09 | Weblog
 9月2日の「9月の風」の中で、父娘の作家について書きましたが、そこでつい書き忘れた作家を付け加えます。
 中上健次と中上紀。この父娘を忘れてはいけませんでした。そして父上もご健在でご活躍の阿川弘之、そして阿川佐和子父娘。
 それから父息子というと、福永武彦、池澤夏樹親子がありました。
これくらいしか思いつきませんが、まだまだあるんでしょうね。

 さて、朝晩めっきりと涼しくなってきました。現金なもので、涼しくなると読書量も増えてきます。
 近頃久しぶりに、世界のムラカミ、村上春樹の作品を読みました。「東京奇譚集」という短編集です。
 実に「風の歌を聴け」以来、25年ぶりの村上春樹でした。というのは嘘で、本当はその間に「羊男のクリスマス」という絵本は読んでいたんですが、小説は25年ぶりだったのです。
 家の本棚には「ノルウェーの森」上下巻「ねじまき鳥クロニクル」1部2部、そして「アフターダーク」と、並んではいるのですが、どうしてか手を出していないのです。
 そう、僕にとってはまだ旬ではないのでしょう。まだ風が吹いてきていないのでしょう。訳はよくわかりません。
 そんなわけで、読まれるのを待っている本が、我が家の本棚にはまだ案外あります。

約1週間ぶりです。

2008-09-08 12:49:07 | Weblog
 2日に更新したままになっていました。猛暑の夏も終わり、日に日に秋の漂いが増すこの頃ですが、皆さん体調はいかがでしょうか。急に食欲が増したなんて方も居られるかもしれません。

 さて、9月6日は黒澤明監督の命日。今年は没後10年ということで、BS2では、ずっと特集を組んでいて、その9月6日には「七人の侍」を放映していました。
 小学校2年生の時初めて「七人の侍」を観て以来、これが何度目の鑑賞だったのか。もう数え切れません。これまでは多少音声の悪い、写真も鮮明でない映画を観てきたような印象でしたが、今回はニュープリントに修正されて、音声も背景の細かなところまで、鮮明に観られて、感激もひとしおでした。
 僕は昭和35年の生まれなので、もちろんリアルタイムに劇場では観ていません。せいぜいカラー作品になってからの黒澤作品を、かかさず観に行ったくらいです。
 でも、むかしわが町に「名画鑑賞会」なる会があって、そこで何本か黒澤映画をスクリーンで観ています。また、東京にいた頃、武蔵野館で、黒澤映画3本立てを観ています。
 ですから、リアルタイムではないにせよ「生きる」「天国と地獄」「隠し砦の三悪人」「野良犬」「赤ひげ」あたりは、映画館の大画面で観ているんです。
 しかし、「七人の侍」は観ていない。一番スクリーンで観たい作品なのに、観れていないのです。
 僕が中学生の頃まで町に映画館があり、お小遣いをやり繰りして、いろんな映画を観に行きました。料金も低額でした。
 ところが、今映画館に観に行こうとしたら、車で2時間近くかからないといけないという、不便さにさらされています。
 確かにビデオやDVDで、家でたやすく観ること出来ますが、やっぱり違います。ぜんぜん違うんです。

「七人の侍」。多くの人たちが気持ちをひとつにして、命を賭けて創った映画には、愛と魂が込められている。私たちはその物語と同時に、その見えない部分のものをも同時に見て、かわらぬ感動を戴き続けているのだと、今回の鑑賞で、あらためて思ったのでした。
 映画は良いな。

今日の出来事

2008-09-05 23:08:22 | Weblog
 今日は予定外に、午後からルキノ・ビスコンティー監督の映画を観てしまいました。
 BS2で、ルキノ・ビスコンティーのドキュメンタリーが午後1時から。そして、2時から映画「白夜」をやっていたのです。
 ドキュメンタリーの途中からでしたが、思わず観てしまいました。
 ドキュメンタリー映画のほうで、久しぶりに「ベリッシマ」のワンシーンを観ました。良いですねえ、マリア・マニャー二。ビスコンティーの映画でこの「ベリッシマ」が、1番好きかもわかりません。
 僕はこの映画を20数年前、名古屋のシネチカで偶然観たのです。鈴木清順監督の「陽炎座」を観に行った時、同時上映だったのです。あの震えるような感動が今でもこの身体に残っています。

 今日観た「白夜」はドストエフスキー原作。マリア・シェル、マルチェロ・マストロヤンニ主演で、1957年の伊・仏合作の映画。オール・スタジオで撮影された映画です。
 恋愛映画といえるでしょうか。舞台上の演劇を観ている様な、見事な演出に唸りました。
 ビスコンティー存命中、リアルタイムに観た、「ルートヴィッヒ 神々の黄昏」や遺作となった「家族の肖像」は正直当時は難しかったのですが、今再び観直して見ようと思った、今日の出来事でした。

9月の風

2008-09-02 18:39:53 | Weblog
 9月はスタートから、福田首相の辞任に始まり、世の中は慌しく波乱含みです。
世界の動きも経済の動向も、激しく流動し、正に動の世界がこの現実の世にめまぐるしく休みなくあることを、僕は映像の中に観、活字の中に確認します。
 しかしながらこの青蜩庵は静の世界。虫の音を聞きながら、物思いに耽りつつ、読書に勤しむ、一見流れない時間の中にあります。

 秋もまだ初秋というべき頃合ですが、そろそろに読書の秋の到来です。少しずつ涼しい時間が増して、じっくりと、またゆったりと活字に向える季節となりました。
 今、近頃直木賞を受賞した作家、井上荒野の「切羽へ」という恋愛小説を読んでいます。物静かで味わい深い文章を読み進めて、その小説世界に入り込んでいます。
 井上荒野は、全身小説家といわれた作家井上光晴のお嬢さん。といっても、1961年生まれですから、僕よりひとつ下なだけです。
 社会派の問題小説を独特の文体で描いていった、お父さんの井上光晴でしたが、僕はこの人の、男女のドロドロした小説が案外好きでした。例えば「村沢窯の血」など。もちろん、ただそれだけの小説ではありませんが、僕はこの作家の、ある種怖いまでのリアリティーな世界に惹かれて、よく読みました。
 決して家庭的な父親ではなく、井上荒野さんの著書「ひどい感じ 父・井上光晴」にも書かれているようですが、大変な父親だったようです。
 それでも、娘は父と同じ作家という道を選び、そこに自分の世界を切り拓いていく。どういうものなのでしょう。
 父娘で作家というと、森鴎外に森茉莉。幸田露伴に幸田文。太宰治に津島祐子、太田治子。といったところが思い浮かびますが、まだありますでしょうか。
 そこへいくと、作家の息子が作家になるというのは、稀のようで、すぐに思いつきません。いたら教えてください。

 社会の在り様にも目を向けながら、また自分と向き合うこの秋の日々でもありたいと思う、僕でありました。いっぱい本読みましょうね!