ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

前に進む勇気。

2011-03-29 15:47:52 | Weblog
 喪に服すということは、とても大切な行為だと思います。大いなる悲しみに襲われたとき、人は充分な休息をとり、惜しみなく泣き、癒されそうにはないその悲しみを少しでも軽減するためのあらゆる手段をとるべきです。それが出来ない現状を変える力がないときは、ただ心を寄り添わせ、祈ることしか出来ません。

 今日本中に、何も出来ない無力感に苛まれている人は数多くおられると思いますが、他人の悲しみを我が事のように受け取ることの出来るその感情をこそ糧として、粛々と日常を生きることも大事なのではないでしょうか。

 伝統的な行事、イベントは出来得る限り中止しないで、共に前へ進む勇気を持って、心も経済活動も活気付けていくことが大切なことではないでしょうか(祭りや催しは、必ずしも単に浮かれ騒ぐことではないです)。そしてそのパワーを被災地への支援に向けていくことが、これからの私たちのあるべき姿だと思います。使われる資金を寄付にまわすというのも頷ける行為ではありますが、選択肢はひとつではないように思います。後ろ向きにならないでやれるところからはじめればいいのです。

 本当のことを言えば、何が正しいのかなんて私にもわかりません。が、わからないなりにも考え続け、多くの人の言葉にも耳傾け、そして自分の言葉を選び取っていく、それしかないと思っています。
 これは今の私の精一杯の考えです。 

「真っ直ぐな力」

2011-03-26 13:50:21 | Weblog
 
 つまずいても
 つまずいても
 真っ直ぐな力が
 ぐいぐい
 私を引っぱる
 私は身をくねらせながら
 時に顔をゆがめながらも
 つつっと
 真っ直ぐな力に
 引っぱられていく

 昨日まで悲しいものと想っていたことが
 昨日まで苦しいことと想っていたものが
 全然そうではないという『真実』に
 私はただただこのすべてを
 委ねるばかりだ

 ありとあらゆる難しい事や
 考えても考えても
 答えの出ない事も
 その真っ直ぐな力の一本の線上においては
 なんと他愛もなく
 些細なことであることだろう

 想わず頬笑みさえも
 涙までもが
 こぼれてしまわれる


 18年前、すべてに後ろ向きで何をやっても上手く行かなかった頃の
私が、ようやく前を向いて進みはじめようとしたときに書いた詩です。
 人を前へと歩ませる「真っ直ぐな力」とはいったい何なのか。そのも
のに対してあえて形容はしないで、私はその力にこの身を任せてここ
までやってきたように思います。
 まだゴールは先ですが、この力に振り落とされることなく、また置い
てきぼりをくらうことなく、しっかりと自分自身を見つめて見失わない
ようにしようと思っています。

読み語りについて。

2011-03-23 14:11:30 | Weblog
 先日伺った学校の生徒さんから感想文を頂き、それを読みながら今感動してこの記事を書いています。

 お勉強の一環として感想文を書くということについては、別にやらなくてもいいのではないかと考えてもいますが、でも自発的に言いたい伝えたいと思うことがあるのであれば書くべきでしょうし、自分の思いを表現するということにおいては大事なことであるとも思います。ただ、お座なりに感想文を書くための感想といいますか、それを書かなくてはいけないという前程での鑑賞になることだけは避けてもらいたいと思うのです。

 そんなことを言いながら、私は先にもいいましたように、感想文をもらって感動し、また涙まで流したしだいです。

 ああ、子供たちはしっかりと自分の考えを持ち、前を向いて歩こうとしている。そういうことの伝わってくる感想文がいっぱいありました。

 私自身が、何かを伝えたい何かを訴えたいという、強いメッセージ性を表にむき出して表現活動をしているわけでは必ずしもないのですが、紹介していく作品のひとつひとつはそういった人に伝えたいという思いが込められたものであり、表現者としての私はその作者の思いを出来るだけ忠実に伝えていく義務があるのだと考えています。

 これは決して思いの押し付けであってはなりませんし、洗脳的誘導であってはいけないと思います。しかしながら、どれだけ的確な感情表現がそこになされるかはとても大事なのだと思うのです。
 よく朗読は極力感情を入れないで、淡々と読んだ方がいいといわれますが、私は出来れば気持ちを入れて読むことは必要だろうと考えます。

 ここは重要なところですが、それには的確さが要求されます。
 誰も淡々と唄われた歌に感動はしないと思います。表現上の例外はあって、淡々と唄ったり語った方が伝わるということもありますが、それは表現としてのテクニックの問題でもあり、おおまかにいえばそれも感情表現の中に含まれます。

 私はテキスト(文章作品)のなかに、常に見えない音符があると考えています。
 たとえば、高低や強弱がひとつひとつの言葉には隠されていて、そのセンテンスにはフォルテシモやアンダンテが潜んでいる。
 簡単に喜怒哀楽という四文字に表現してしまいますが、そのひとつひとつには数え切れない何通りもの喜怒哀楽があり、そのひとつひとつを選び取って、もっともふさわしい音に乗せて言葉は発せられるべきなんです。

 心を伝える、思いを伝えるためには、そのことは日常の会話にも必要なことで、表現者はそこのところをきめ細かく表現していくことが大切なのではないでしょうか。

 感想文の話からちょっと飛躍してしまったかな?

 私がこの感想文を受け取って真っ先に思ったことは、子供たちに向き合うときには常に真摯に、対等に、心を裸にして向き合うべきだ。ということです。そうすればきっと向こうもそうしてくれる。そういうことを書きたかったのですが、なんだか脱線しちゃったかな? いや、そうでもないようにも思いますが、どうでしょう?

多和田葉子著「雪の練習生」②

2011-03-22 11:58:57 | Weblog
 3月16日以来の更新となってしまいました。

 さて、表題の小説を読了してのその第二段です。
 このお話、ホッキョクグマの3代にわたる物語なのですが、もともとの題材としてはベルリン動物園で人工飼育され、世界的な人気者になったホッキョクグマ「クヌート」にいたる母と祖母の数奇なお話なのですが・・・・・・。

 その実際のベルリン動物園のクヌートが、4歳の若さで急死してしまったというニュースが、海外ニュースを伝える新聞記事欄の片隅にありました。


今日も雪がちらつきました。

2011-03-16 16:00:02 | Weblog
 被災地の方々には本当にお見舞いの言葉がありません。ただ一日も早い救援救済の行き届くことを祈るしかありません。

 午前中の仕事先に向かう車中で降雪に見舞われました。
 気候も気持ちも、なんか春が遠のいてしまった気分ですが、こういう時だからこそ元気を出して頑張らなくては・・・・・・。

 犠牲になった方々の為にも、生きてある私たちは明日に向かって力強く進まなければいけません!!

あらゆることを見直し、考える時なのでは?

2011-03-14 21:04:53 | Weblog
 今回のような大きな災害に見舞われた時、あらゆる面において従来の有様について、いろいろと見直したり考え直してみたりするきっかけにならないだろうかと思います。

 私たちが日常、当たり前のようにして使っている電気やガス、このようなライフラインの脆さについてもさることながら、メディアのあり方など良くも悪くも教訓としていくべきではないでしょうか。

大地震・大津波被災地の方々に・・・・・・。

2011-03-12 10:14:32 | Weblog
 大地震・大津波に被災された地域の方々に心よりお見舞い申します。そして、一刻も早い救助・支援の行われますことをお祈りしています。

 本当に他人事ではありません。この日本列島どこでどんな大地震が発生するかわかりません。どのような状況下でも、沈着冷静な対応をもってその現状に立たなければとあらためて思います。

 どうかこれ以上の2次災害3次災害が起こらないことをと、報道の画面を見守りながら祈るばかりです。

役作りで・・・・・・。

2011-03-11 10:04:14 | Weblog
 5月に公演するお芝居「石の追憶」の役作りのために、3ヶ月ぶりにまた髭を生やしはじめました。

 秋の芝居「安寧坂の家」では実年齢に近かったですし、より若さを強調したかったので髪と髭は黒く染めたのですが、今回の「石の追憶」の福地山正という役は、実年齢より一回り以上上なので、あえて髪は染めずにナチュラルなかたちでやろうと暮れからカラーリングを一切していないのですが、するとまあなんと白くなったこと。

 芝居では同年代の人物が3人登場しますが、その中で実年齢では私が一番若いはずなんですけど、なんか一番年取って見えて・・・・・・役作りですから仕方ないですけど、うれしいんだか悲しいんだか。ちょっと複雑な気分ではあります。

多和田葉子著「雪の練習生」

2011-03-09 11:29:27 | Weblog
 多和田葉子さんの新刊本を手にとってしまったら、これはもう読まないわけにはいきません。
 この人の小説世界は、私にとって脳の活性化、あるいは洗浄化が行われるようで、刺激的です。

 芥川賞受賞作「犬婿入り」以来、数々の作品を読まさせてもらっておりますが、今回の「雪の練習生」も画期的でとてもわくわくしながら読んでおります。
 読了しましたら、また詳しくお話しようと思いますが・・・・・・いえいえ読書感想のようなことは述べないように心がけますが、もうちょっとはしちゃったことになるのかな?

 あくまで、読書ナビ程度にとどめおきたいと思っておりますが、さて境目が難しいですね。

ホームページの開設。

2011-03-08 16:31:18 | Weblog
 ひとり語り、活動16年目にしてようやくホームページを開設しまして、近日中に開こうと思っています。

 日ごろブログを見ていただいている方には、いつも写真が少ないねといわれ続けているのですが、ホームページの方では、語りや芝居上演時の公演写真など、出来るだけご紹介していきますので、どうぞアクセスよろしくお願いします。

 パソコンを難なくこなせる世代と、悪戦苦闘してしまう世代、まあ個々人の資質向き不向き等もありますが、私などはやっぱり後者の方に属していまして、出来ることは精一杯限られています。

 ホームページはすべて妻の手になったもので、感謝です。