俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

『スターフォックス、宇宙の中心へ』その1

2010年11月21日 20時49分14秒 | アナザーストーリー

 その邸宅を訪れる者は今も昔も少なかった。以前には、邸の主がほぼ留守にしていたゆえの事であったのだが、現在はそうではなかった。
 主は静かに暮らすことを望んだ。家政婦が一人、食事の支度のために寝泊りしているが、あまり言葉は交わさなかった。新聞を読み、コーヒーをすすり、安楽椅子に座って音楽を聴いて過ごした。それでも良かったのだ。かれはすでにひとつの時代を生き抜いた者なのだから。
 コーネリア首都郊外の閑静な住宅地の一角に、つややかな緑につつまれて邸宅はたたずんでいる。表札の上にはツタが生い茂り、かつてはその名とともにあった栄光までも覆い隠してしまっているようだった。あるいはそれも、主が望んだことなのかもしれない。

 永遠を内包しているかのような、穏やかな静けさ――。だがそれも、長くは続かないようだ。邸宅の主が胸中に秘める、秘密の巨大さゆえに。
 夜霧が街路樹の枝葉を濡らす夜更け。街灯に照らし出される夜霧を、赤茶けたコートでかきわけながら、近づくひとつの影。
 影は邸宅の門柱の前で立ち止まり……からみあったツタの下に隠された表札の名前を確認することもせず、呼び鈴を鳴らした。
 一言、二言、インターホン越しの言葉を交わした後、影は錆びついた金属の正門を開き、邸宅の敷地へと足を踏み入れる。玄関の扉が内側から開けられ、家政婦が顔を出して深夜の来訪者を招きいれた。
 「向かって左の扉が応接間――」
 家政婦は最後まで言えなかった。赤茶けたコートの男が、てのひらの内に納まる金色の何かを懐から取り出し、家政婦の鼻先にうすい紫の霧を噴射した。そのひと吹きで家政婦は昏倒した。
 ぐらりと傾いたその体を、夜霧に濡れた腕が羽毛のように支えた。

ライラット暦 2028年12月31日

2010年11月03日 01時22分25秒 | アナザーストーリー

「早いもんだ。今年ももう終わるんだな」
 いつになくしみじみした様子で、ファルコが言った。すでに夜は更けている。あと1時間もしないうちに新年が訪れるのだ。
 ライラット暦2028年12月31日、今日はコーネリアの大晦日である。
 冷えわたり澄み切った夜空の下で、街のネオンが静かにまたたいている。年の暮れに独特の、心に何かを呼び起こすような静けさがコーネリアの街全体を包み込んでいた。

 スターフォックスの面々も、ドックに停泊したグレートフォックスの艦内で、一年の終わりを穏やかに過ごしている。
「本当だな。アッという間に一年が過ぎてしまった気がするよ」
 ソファに寝そべり、両のまぶたを閉じたまま、フォックスは言う。となりではペッピーが腕を組んで高いびきをかいている。
 この日の昼間、スターフォックスチームのメンバーは、手分けして艦内のすみからすみまでを掃除しつくし、アーウィンやランドマスターの整備と燃料補給、部品類や食料の買出しを終え、税金の調整を片付けた。おかげで船の中は見違えるように美しくなり、今年の仕事をすべて片付けてしまった達成感からか、フォックスとファルコの顔にも安堵がにじみでている。
 奥の厨房からは、クリスタルとスリッピーが食器を片付ける音が聞こえてきている。
「大晦日か……。大晦日といえば」
 薄く目を開け、なかばウトウトした表情でフォックスが言う。
「なんだ? 大晦日がどうした」
 こちらも、半分眠ったような目のファルコが聞く。
「このあいだ読んだ本に書いてあったのさ。この星……惑星コーネリアが誕生してから、いま現在まで経過した時間を、ちょうど一年間だとする。すると、おれたちアニマノイドが誕生したのは、12月31日の大晦日。それも23時30分ごろになるって話さ」
「んん……」
 わかったようなわからないような返事が、ファルコのクチバシから漏れた。
「俺たちの歴史なんて、この惑星の歴史と比べれば、それだけ短いものだってことだ。宇宙は計り知れないよな、全く」
 満足そうに言ってから再びまぶたを閉じたフォックスだったが、ファルコの次の言葉を聞くと眠気は吹き飛んでしまった。
「なるほどな。とすると、アニマノイドの歴史ももうすぐ新年を迎えるってことか」
「ええっ!?」
 ソファから体を起こし、それは違うだろう、と言いたげな視線を我らのエースパイロットに向ける。なにかおかしなこと言ったか?と言いたげな視線がそれにぶつかった。
「そうじゃないよ、ファルコ。アニマノイドは新年を迎えたりしない」
「あぁ? 俺たちが生まれたのが大晦日の23時過ぎなんだろ。それなら、もうすぐ新年がきたっておかしくないだろうが」
「違う違う。いまの話はものの喩えなんだ。コーネリアの歴史を一年と考えたんだから、常に『いまこの瞬間』が一年の終わりにあたるわけで……、つまりいつまで経っても新年は来ないのさ」
「フォックス」
 信じられないものを見る目つきでファルコは言った。
「お前……言ってることおかしくないか? 『いまこの瞬間』が一年の終わりなら……次の瞬間にはもう年が明けてるてことじゃねーか」
「だーかーらぁ」
 じれったくなりソファから立ち上がる。
「『いまこの瞬間』はいつまで経とうが『いまこの瞬間』であって、さっきの『いまこの瞬間』といまの『いまこの瞬間』とは別の……あーややこしいっ」
 フォックスは眉をへの字に寄せると、耳の後ろをかりかりと掻いた。
「つまり、いまの話でいくと、『いまこの瞬間』はまさに年が暮れる時間なわけだよ」
「……それくらい、オレだってわかってる」
 そうだろ、とフォックスは言い、安心してほっと一息ついた。
「時計を見りゃあ一目瞭然だ。いま午後11時58分だからな」
 だーーーっ、と叫んでフォックスは頭をかかえる。
「わかってない! 全然わかってないぞ、ファルコっ。アニマノイドの話と、いまの時刻とは別の話だからな! 今が何時だろうと関係ないんだ!」
「お前こそワケわからないじゃねェか! いままさに年が暮れる、と言ったと思えば、いつまで経っても新年は来ない、なんて言うんだからよ。じゃあ何か、アニマノイドの歴史はずーーーっと年の暮れのままで、永遠にニューイヤーカードも受け取れないままだってのか? 御免こうむるぜ、そんな歴史は!」
 年の暮れに全く似合わない騒々しさで口論する二人に驚いて、クリスタル、スリッピーの二人が厨房から顔を覗かせた。
「一体何の騒ぎ? またつまんないことでケンカしてるんじゃないでしょうね」
「何が原因か知らないけどさ~、ケンカしたまま年を越すのは勘弁してよね」
「ケンカなんかじゃねェ、フォックスがワケ解らないこと言うもんだから俺は」
「違うんだって。ファルコ、よく考えればわかるはずだ、だから『いまこの瞬間』が……」
 そう、まさにその瞬間。
 惑星コーネリアは46億7896万5307回目の公転を終え、ライラット系の暦は新たな年を刻み始めたのだった。
 なおも騒ぎ続ける四人のかたわら、ソファに沈み込んだペッピーの高いびきがふと止まり、もごもごと口が動いた。騒がしい声が飛びかい誰も聞き取ることはできなかったが、唇の形はこう言っているようだった。

“A HAPPY NEW YEAR.”

洋食屋スターウルフ

2009年06月26日 00時48分17秒 | アナザーストーリー
 コーネリア市街の一角、人通りの多い繁華街をフォックス・マクラウドは歩いていた。
 はじめは食料の調達だけのはずだった、そのはずが。スリッピー・トードから頼まれた電子部品、航宇士ロボット・ナウス64型専用のバッテリー、ファルコ・ランバルディの整翼スプレー。これだけのものを食料に加えて買いこんだおかげで、両手も背中も荷物だらけになってしまっている。
 「ぜえぜえ……まったく……」
 初夏の太陽がさんさんと降りそそぎ、フォックスは舌からぜーぜーと湯気をあげた。

 ――こんにちは、お昼のコーネリアワイドニュースの時間です――
 頭の上から響く声に気づいて上を見上げると、ビルの壁面の巨大スクリーンで女性アナウンサーがニュースを読み上げるところだった。
 もう昼か、と思った途端、突如として空腹をおぼえた。朝早くに出てきてから、まだ何も食べていない。
 何か食べてから帰ろうか。そうじゃなければ帰りつくまでとてももたない。
 そう考えてからあらためて周りを見わたすと、繁華街のそこここに食べ物の看板が出ている。おいしそうな匂いもただよってきていた。
 何がいいだろう? 色とりどりの看板に目移りしながらフォックスが考え始めたその時、ひとつの看板が目に飛び込んできた。
 ――なんだこれは?
 その看板にはこう書いてあった――

『宇宙一うまい店
西洋料理店 星狼軒

 宇宙一うまい店だって? えらく大きく出たもんだな。誇大広告で捕まるんじゃないのか。
 いやそれよりも、店の名前。なんて読むんだろう? セイロウケン? いや、シンランケンか? いやいやそれよりも、どこかの3人組が思い浮かんで離れないのは、考えすぎなんだろうか……。
 疲れと空腹、そして暑さにまみれて考えるうち、フォックスはふらふらとその店の前に歩み寄っていた。店の中からは食欲をそそる香ばしいにおいが立ちのぼってきている。この分なら、宇宙一とまでは行かなくても、味にはきっと満足できるに違いない。カラカラと鐘の音を鳴らしながらドアを押し開けると、フォックスは店の中へと足を踏み入れた。

「いらっしぇーい!!」
 厨房の奥から威勢のよい声が聞こえ、調理服に身をかためた店主らしき男が振り向いた。灰色の体毛をしたその男は……。
「ウ、ウルフ!?」
 あまりの驚きにフォックスは手に下げていた整翼用スプレーの袋を取り落とし、スプレーの缶は床に転がって派手な音を立てた。あわてて缶を拾い上げつつ、目線は調理服姿のウルフを追いかけずにはいられない。
「ウルフ、一体なぜこんなところに……」
 状況のあまりのちぐはぐさに言葉をそれ以上続けられず、目を白黒させながら口をあんぐり開けて突っ立った。
「なんでぇ、誰かと思えばキツネか」
 いつもと変わらぬ愛想のなさで、ウルフはぷいと視線をそらす。だがその体にまとった雰囲気は、普段とは違う頑固な店主のものを交えているように思われるが、気のせいだろうか?
 とそこで、奥のほうからもう一人顔を出したものがいる。その顔を見てフォックスはさらに仰天した。それはウェイター服を着込んだパンサー・カルロッソに違いなかった。
「なんだ、キツネ君じゃないか。恋のライバルも足を運ばずにいられないとは、この店もなかなか大したもんだ」
「おい、パンサー。キツネを突っ立たせておいたんじゃ他の客の邪魔だ。とっとと席へお通ししな」
 ちらりと目をやったウルフが、相変わらず愛想のひとつもない口調で言う。
「わかったよ、店長。さあこっちだ、キツネ君。スタウル軒にようこそ」
「ス、スタウル軒??」

 訳が分からないまま案内された席に着き、差し出されたコップの中の冷水を飲み干すと、混乱していた頭も少しは落ち着いてきた。
「何はともあれメニューを見ていただこうか、キツネ君」
 芝居がかった手つきで差し出されたメニューを手に取り、フォックスはそれを開いた。そこには見開きいっぱいに大きく、こう書かれていた――。

コロッケ定食 600スペースドル

 どでかく書かれたその文字を読み終えると、フォックスはメニューの余白の端から端まで、注意深く目を走らせた。さらには裏返してやはり何も書かれていない空白を目を皿のようにして見つめた。最終的に、最初に開いた側に書かれたたった一つの項目に目を戻すと、意を決したように言った。
「コロッケしか無いじゃないか」
「すまないね、キツネ君。うちの親分はいまコロッケに凝っていてね。なにせ不器用な男だからな、ハンパな真似はできないというわけさ」
 不器用だとか、ハンパだとかそういう問題じゃないだろう。腹の中で文句が渦を巻いたが、そのとなりで胃袋が悲しそうにぐう、と鳴るのを聞くと、文句を言う気も失せてしまった。
「それで? ご注文はお決まりかい?」
 平然とした顔で聞くパンサーを見ながら、フォックスは言った。
「……コロッケ定食、ひとつ」

 よくよく見ると、厨房にいるのはウルフだけではなかった。サルガッソーコロニーにいるはずのならず者たちが、それぞれジャガイモを剥いたり、熱した油の中にコロッケを滑り込ませたりしている。
「クックック……たっぷりいたぶってから料理してやる」
 なにか危ないことをつぶやきながらジャガイモをつぶしているヤツがいる。と思ったらそれは、やはり調理師姿のレオン・ポワルスキーであった。
「俺たちがコロモをつける、お前たちは油で揚げろ!」
 店長の掛け声とともに手際よく、コロッケの具に小麦粉と卵とパン粉がまぶされ油でカラリと揚げられてゆく。
 ……ちゃんとジャガイモの芽を取ってくれていればいいが。フォックスの脳裏にイヤな疑問が浮かんだ。
 彼らは調理の前に手を洗っただろうか? 食材は安全なルートで手に入れたものだろうか? なにか変なものを混ぜ込んでやしないだろうか? そもそも調理師免許を持っているのだろうか??
 フォックスの頭脳が空腹とは違う意味でくらくらしてきた直後。
「ヘイ、お待たせ!」
 揚げたてアツアツきつね色のコロッケに千切りのキャベツ、それに湯気の立つライスとスープがフォックスの眼前に並べられた。揚げたてのコロッケからはぱちぱちと油のはじける音がしている。いかにも美味そうだ。フォックスはごくりと唾を飲み込んだ。
「せっかく揚げたてなんだ。冷めないうちにどうぞ」
 ここまで来たら、食べずに帰るというわけにもいかない。フォックスはナイフとフォークでコロッケを切り分けると、おそるおそる口に運んだ……。

 数十分後。
 すっかり空になった皿を残して、フォックスは席を立った。空腹も心もすっかり満たされていた。それほどうまいコロッケだったのだ。
「代金は600スペースドルだ。毎度あり」
 レジに立つパンサーに支払いを済ませると、フォックスは厨房のほうへと向き直った。
「ウルフ、とても美味いコロッケだったよ。御馳走様」
 フン!鼻を鳴らし、厨房の主はぷいと横を向いた。
「覚えとけフォックス。宇宙一うまいコロッケを作れるのは、このスターウルフだ!」
「ああ。そうだと思うよ」
 フォックスが苦笑して店を出、二、三歩ほど歩いたとき。
 けたたましいサイレンとともに赤と青のパトランプの光が『星狼軒』に近づいてきた。
「やべえ、手入れだ! ずらかるぞ、野郎ども!」
「やーれやれまたか。反重力エンジン始動、急速離脱!」
「こざかしいイモめ、私の前にひざまづけ……」

 途端に店内があわただしくなったかと思うと、『星狼軒』の外壁が折りたたまれ、店の下部からロケットのノズルが顔を出した。
 ノズルの内部が青白く発光すると、次の瞬間には耳をつんざく爆音と目もくらむ輝きが周囲を覆った。
 あたりを覆いつくした爆煙がようやく収まったころ、空を見上げたフォックスの瞳には、青い空に一条の白線を描きながら遠ざかる『星狼軒』と、その看板が陽光を受けて反射するきらきらとした輝きが映っていた。

遊撃隊の出番はまだかっ!?

2009年05月29日 13時03分30秒 | アナザーストーリー
「ホウオウの野郎、ハートゴールドが出るんで張り切ってやがるな。
 ……オレ達の出番はまだかよ? 休んでばかりだといい加減ウデが鈍っちまうぜ!」

 待たせすぎやで……任天堂……。
 まぁ「64」から「アサルト」まで8年もあったし、気長に待つか……。

 と言いつつも6月2日からはゲームの祭典E3。スタフォに関する発表もあるのではないかと期待せずにはいられない!
 っしゃー! こうなりゃアーウィンに乗ってE3会場に乗り込むぜ! なに? E3は一般向けじゃないから関係者じゃないと入れない? 入れても英語がわからないとついていけない? うおおー!

『最終決戦if』

2009年05月29日 12時49分11秒 | アナザーストーリー
 『アサルト』において、アパロイドマザーがフォックス達を幻惑するために使った、ピグマ、ペッピー、ジェームズ、ペパー将軍、ナウスの声色と記憶。
 このメンバーは、奇しくも初代スターフォックスにペパー将軍を加えたものではないか。
 じゃあ最終決戦として、こんなのもアリだったかも……。


『俺たちが引き付ける お前たちはマザーを倒せ!』
 眼前に浮遊する大量のアパロイドを引き連れ、三機のウルフェンが飛ぶ。挑発するようにのらりくらりと攻撃をかわしながら旋回し、アパロイドをフォックス達の後方へと誘導してゆく。
『……あいつら、カッコつけやがって』ファルコが呻くように毒づく。
(また、道を開けられてしまったな)
 フォックスは思う。
 マザーをただ倒すだけでは意味がない。マザーの体内に『自滅プログラム』を打ち込み、アパロイド全てのアポトーシスを誘発しなければ、ライラット系に未来はない。ウルフ達ももそれは理解していただろう。だからこそ自分たちのために道を開き、命運を託した。
 スターウルフばかりではない。自滅プログラムを製作したベルツィーノの開発チーム。ゲートを死守し、アパロイド本星へ突入したコーネリアの兵士たち。侵食の犠牲となったペパー将軍、多くの人々。ペッピーと、ナウス。
 数え切れないほどの希望を、意志を、自分たちの双肩に背負っているのだ。
 そう思うと震えた。だからこそ負けるわけにはいかない。絶対に。
『いよいよマザーだ……行くぞ!』

 暗くジグジグとした悪寒を覚えさせる通路から一転して、白くひらけた空間がかえって不気味だった。その中央に、まるで聖像のように神々しく、また昆虫の産卵管のように禍々しくそそり立つのが……。
『これが……マザー?』
 4人が抱いていた疑問を、代表してクリスタルが口にした、そのとき。
『これは、ゲートアウト反応!? みんな! 何か来るよ!』

 ハニカム状のワープゲートが、真正面に展開した。そこから現れたのは、見慣れた白い船体。4人にとって我が家とでも言うべき船。
『グレートフォックスだと!?』
 見間違うはずもない。ペッピー、ナウスとともに突貫し、この空間へとつづく発進口をこじ開けたグレートフォックスが、今また4人の前に現れたのだ。
 しかしその姿は、紫電色の光沢を帯びた生物の外殻で一面覆われている。もはやそれは遊撃隊スターフォックスの母艦ではない。アパロイドの群れの一個体となり果てていた。
『アパロイドの野郎! どこまで食らいつくせば気が済みやがる!』
『待って、それより! あの中にはまだ、ペッピーも!?』
 恐るべき可能性に考えが及び4人は戦慄した。ペパー将軍に引き続き、ペッピーまでもが敵となり行く手を阻むというのか?
『ペッピー! いるのか? いるなら応答してくれ!』
 動悸を抑えながらフォックスは呼びかけた。駆け抜ける一秒一秒がまるで千年のように感じられる。

『……居るとも。フォックス。ワシはここにいるよ』
『ペッピー!!』歓喜の声が響く。
『ペッピー、無事なのか? 今助ける!』
『助ける、だと? いや、いや。助ける必要など無いのだよ。助ける必要は無い』
『ペッピー? どうしたんだ。状況を教えてくれ!』
『解ったんだよ、フォックス。アパロイドは敵じゃないんだ。ワシはアパロイドの一部になってそれが解った。これは来るべき世界の幕開けなのだよ』
『ペッピー。……馬鹿な』
 馬鹿なことを言うな。そう言いたかったが、唇が震えるばかりで声が出ない。代わりに己の息遣いだけがやたらと大きく聞こえた。
『馬鹿はおまえたちだぞ、フォックス。アパロイドに逆らおうなんてな。アパロイドこそは万物を統べる存在だ。宇宙に生きるものすべての母だ。お前たちも、抵抗はやめるんだ。ムダだからな。お前たちの抵抗など、赤子が駄々をこねているに過ぎないのだよ』
『ケッ!』ファルコが喚いた。
『言うに事欠いて、あきらめろだと? 下手なモノマネはよすんだな!』
『そうだよ! アパロイドは侵食した相手の記憶も利用できるんだ。騙されないよ!』
 長くて短い、凍りつくような沈黙が流れた。
『……そうか。ならば我々が教えてやるしかあるまい。なに、すぐにお前たちも理解できるさ』
『我々、だと?』
『見て。グレートフォックスの発進口が』
 紫電色に光る侵食グレートフォックスのハッチがゆっくりと開き、内部から三機の機体が姿を現す。
『アーウィン……』
 やはり紫電色のアパロイド装甲に包まれた機体。だがそのフォルムは、どう見てもアーウィンだった。
『どこまでもモノマネか。悪趣味だぜ』ファルコが馬鹿にしたように鼻を鳴らす。
 が。
『モノマネだと? とんでもない。ワシらこそが正真正銘の、スターフォックスさ』
『ブヒヒッ! そういうこっちゃ。なんせ元祖やからのう。なぁ、ジェームズ』
『そういうことだ』

 忘れようもないその声が脳裏にこだまして、フォックスの現実感がぐらりと傾いだ。
『まさか。父さん』
『久しぶりだな。まさかお前と戦うことになるとは思わなかった。お前に私が殺せるか? 試してみたらどうだ。私も、自分にお前が殺せるかどうか、興味がある』
『騙されるな! お前の親父は……!』
『分かってる。父さんは、オレの親父はそんなことは言わない!』

『悲しいよ、フォックス。息子に信じてもらえないなんてな。だがすぐに、お前たちもこちらの世界を見ることができるんだ。それまでの間、私を楽しませてくれよ』

 操縦桿を握る両手が熱い。現実が何か。真実がどれかわからなくなる。
 ためらうな、という言葉が蘇る。俺たちが何のために道を譲ってやったのか。その意味を噛み締めて行動してもらわねば、困る。
 そうだ。限りない命、限りない希望を背負ってここまで来たのだ。迷っているヒマは無い。

『みんな!』意を決して、フォックスは叫ぶ。
『自滅プログラムを打ち込むぞ! スターフォックス、戦闘開始!』

アンドリューのナイスドリーム

2009年05月19日 14時53分01秒 | アナザーストーリー
 オレの名前はアンドリュー。自他共に認めるサルだ。
 おっと。早合点してもらっちゃあ困るぜ。サルといってもそこいらのサルとは器が違う。なにせ師父アンドルフの下で十年修行を積み、変化、飛行、念力、暗算、スプーン曲げ、超暗記、ゆすり、たかり、泣き落とし、早食い早便、元気玉、かめはめ波、ゴムゴムの銃、大玉螺旋丸、バチスタ手術などなどの超能力を体得したこのオレだ。これだけの術を身につけるにはそんじょそこらの才能の持ち主じゃあできっこない。わかるだろ? このオレが、生まれも育ちもその他大勢とは比べ物にならないスーパー・エリート・サルだってことが。
 ある日師父はオレの部屋にやってくると言った。貴様にはもう教えることは何もない。これ以上ここにいてもムダだからさっさと出て行け。
 勿論オレにはすぐに分かった。師父の言葉の裏に隠された本当の意味が。つまりはこういうことだ。『アンドリュー、我が弟子よ。よくぞ厳しい修行に耐えた。免許皆伝だ。この上は我がもとを離れ、さらに研鑽を積むがよい。』
 オレはすぐさまそこへ平伏して言った。師父! なんと礼を言ったらよいのか。師父より受け継いだ技の数々、いずれさらに磨き上げてご覧に入れましょうぞ。
 師父はそれを聞いて大きく息を吐かれた。おそらくオレの頼もしい言葉に安堵したのだろう。

 師父の言うことには、オレは何とかいう3人を率いて惑星ガンダーラに向かうことになっているらしい。オレが何も知らされないままにメンバーが決まっていて、しかもそれが全部むさくるしい男というのは了承しかねるものだったが、しかしそう考えたオレが浅はかだった。なにせこの任務は、師父がこの世界を統べる皇帝となるための要だったからだ。
 それを知ったときオレは初めて自分の小ささというものを感じたよ。同時に、師父の深慮遠方のすさまじさも知ることができた。
 考えてもみろ。師父は確かにあらゆる術を操り天地神明に通ずる力を持つお方だ。もちろんその身は皇帝となるにふさわしい。だがその師父も年には勝てない。いずれ皇帝の位を譲らねばならない時がくる。そのとき跡目を継ぐのは誰か?
 すでに師を越え、しかも年若いこのオレ。しかいまい。つまりこの任務は、次期皇帝となる男の活躍を天下に知らしめるためのデモンストレーション、というわけさ。

 いち早く師父の、いや皇帝のこの考えに気づいたときオレは興奮した。オレの周りをうろうろしている3人はまだ誰もこのことに気がついていない。オレが次期皇帝だということも知らずに。ばかなやつらだ。
 ひとつここで、この3人のことを軽く紹介してみるとしよう。半日かみ続けたガムよりも退屈で味気ないやつらだが、ヒマつぶしにつきあってやるくらいなら我慢できる連中だ。
 まずは玄奘三蔵ウルフ。

賽によるスターフォックスアドベンチャー

2009年03月08日 01時54分32秒 | アナザーストーリー
 スタフォといえばシューティング。
 だが名作と絶賛された『64』以降、『アサルト』『コマンド』はいずれもシューティングゲームとして成功しているとは言えない。
 もしかして、面白いシューティングゲームを作るのには物凄い労力が必要なのでは……。
 それがスタフォが何年もファンを待たせる要因の一つになっているのでは……。
 正統進化としてのシューティングは作り続けてほしい。しかし何もシューティングだけを出さなくてはならないという規則もないだろう。ならばシューティング以外のジャンルへと挑戦してみても良いのでは?

 と、いうことだ。
 諸君。各自サイコロを振り、出た目のジャンルへと進みたまえ。
 いずれの目が出ようとも、一味違ったスタフォを味わえることは間違いないだろう。諸君の幸運を祈る。Good luck.

(サイコロを振れ! 出た目が……
1なら「アクションアドベンチャー」へ
2なら「ロールプレイング」へ
3なら「恋愛シミュレーション」へ
4なら「カードバトル」へ
5なら「レース」へ
6なら「やっぱり王道のシューティング」へ)

1.『スターフォックスアドベンチャー2』発売
 各方面からの苦情が目立った『アドベンチャー』にまさかの続編が登場。権利関係はどうなっているのかそのへんは気にしないでおこう。
 アンドルフの遺産である浄化装置により、死の星から資源豊かな惑星へと変貌したベノム。そこは多くの移住民を集め急速に発展を遂げつつあったが、同時に未開発の地域、未解明の事象を秘め、また資源目当てのならず者たちも流入するなど政情は不安定であった。惑星開発の第一人者アッシュ・ボウマンの依頼を受け、生まれ変わったベノムでフォックス達の冒険が始まる!!
 ……なおブラスターは支給されない。

2.『スターフォックスRPG(仮)』発売
 いい名前が思いつかないから(仮)にしておこう。
 スターフォックスでRPG。きっとこれはかなりいいものができると思うんだよ。
 スタフォのキャラは立ちすぎるくらい立っているから。どんなストーリーの中でもうまく立ち回ってくれるはずさ。
 そう、もし本当に作られたら、本家のシューティングは忘れ去られこっちが本筋になってしまうくらい受けるという本末転倒な事態になってしまうかもしれない……。そうか、任天堂はそこまで考えているからスタフォRPGを出さないのか! それとも俺の考えすぎか!?

 内容としてはスーパーマリオRPGをスタフォに置き換えた的なものじゃないだろうか。あるいは敵を倒すとペッピーが口座にお金を振り込んでくれる的なもの。
 はたまた『宇宙船サジタリウス』みたいに宇宙のハローワークに通いつめては依頼を引き受けてこなしていく的な。ちょっと楽しそう。

3.『私立星狐学院 ケモノだらけのsclool☆デイズ 両生類もあるよ!』発売
 わァッ。何かとんでもないところへ来てしまった。しかし来てしまったものは仕方がない。君は星狐学院中等部2-Aフォックス・マクラウドとなり恋に勉強に忙しい学園生活を送ることになる。
 ちょっと頼りないけど陽気なクラスメイトのスリッピー、1コ下の学年だがライバル意識むき出しのファルコ、超絶ナルシストのパンサー・カルロッソ。個性の強すぎる面々を相手に君は影が薄くなりがちだ。そこへ現れた時期はずれの転校生・クリスタル。転校早々彼女は学園のアイドルとなった。並み居るライバルをなぎ倒し、彼女のハートを射止めることはできるのか!? 走れフォックス君! 負けるなフォックス君!
 なにかと因縁つけてくるウルフ先輩、お説教の長いペッピー教諭には十分注意しろよ。

4.『スターフォックス カードファイト』発売
 オレのターン! ドロー!! オレはエナジーカプセルを3個使いランドマスターを転送! さらにリバースカードオープン! 『スリッピーの新兵器』で1ターン加速! ランドマスターの攻撃でウルフェンを破壊! アーウィンを守備表示にしてターンエンド!!

5.『スターフォックスグランプリ』発売
 資金源に飢えていたオレたちは、アーウィンをレーシングマシンに改造し、宇宙最大のレース『ギャラクティック・ゼロ・レース』、通称『G-ZERO』に出場することにした。
 ……なに? F-ZERO? ……そんなものは知らないな。
 ライラット系を横断するこのレース、途中には数々の難所が待ち構えている。無数の岩塊が浮遊するアステロイド。宇宙線の降り注ぐ死の宙域。灼熱の星。極寒の星。
 どの機体を選び、どうチューニングするか、勝負はそこにかかっている。もちろん機体を乗りこなせる腕を持っていればこその話、だが。

6.本当の『スターフォックス』発売
 ……やっぱりスターフォックスはシューティングでなければならないのかもしれない。もしもシューティングでないスターフォックスが売れてしまったら、シューティングとしてのスタフォはそこで終わってしまうのかもしれない。
 ……だがもし任天堂がそのことに気づいているなら、『アサルト』『コマンド』の核であるゲーム部分をなぜもう少し練り上げてくれなかったのか……。完成度が7割くらいで止まっている気がするよ?
 このさい何年でも待つからさ。10割まで練り上げた『スターフォックス』を出してください。お願いいたします。

スターフォックス・エピローグ

2008年12月22日 14時33分43秒 | アナザーストーリー
 けだるい午後のことだった

 フォックス・マクラウドは溜め息をついた。
 スマブラXの舞台に出演してから、任天堂からは音沙汰がない。
 相変わらず、便利屋のような小さく地味な仕事をこなすだけの単調な日々だ。
 ファルコ・ランバルディはいつかの夜、気晴らしに星を見てくる。と言って出て行ったきり戻っていない。あの短気なファルコのことだ。この生活に耐えられないのも無理はない。
 たとえ引きとめても、遅かれ早かれまた抜け出していったことだろう。
 スリッピー・トードは、恋人のアマンダとともにアクアスで生活している。
 小さな仕事しか入ってこない今の状況では、結婚の資金を貯めることもむずかしい。技術者としての就職口を探すうち、父親のベルツィーノの紹介もあってスペース・ダイナミクス社アクアス支部に働き口が見つかった。
 親友の門出を、引き止めるだけの理由もない。フォックスは彼を祝福し、笑顔で送り出した。
 ペッピー・ヘア。アパロイドとの戦いの後コーネリアの将軍に就任した彼だったが、その任はいわば急場をしのぐためのつなぎであり、アングラー軍の撃退直後、ペッピーは将軍職を辞職し、新将軍が誕生することとなった。
 その後かれは故郷のパペトゥーンに戻り、いまは亡き妻ビビアンの残した農場の経営を引き継いでいる。隠居生活さ、と彼はフォックスに電送メッセージで伝えた。もしまた大きな仕事があっても、ワシの出る幕はないだろう。老兵はただ去るのみ、さ。
 コーネリアの郊外に小さな部屋を借りて、フォックスはそこに移り住んだ。
 最愛の妻、クリスタルとともに。

(つづく)

ファンシーレオン様

2008年11月18日 20時38分31秒 | アナザーストーリー
 レオン・ポワルスキー
 その出自は不明、他の恒星系から流浪してきたという噂もある。
 スターウルフの一員ではあるが、時折チームの拠点から姿を消すことがあり、その際どこで何をしているのかはチームメイト達も知らない。

「……私はしばらく消えさせてもらう。仕事が入れば連絡しろ」
「フン、またか」
「おいおいレオン。一体毎度どこに消えているんだ? 仮にもチームなんだ、居所くらいはっきりさせておく義務があると思うがね」
「よせ、パンサー。詮索するんじゃねえ」
「知りたいのか? 殺し屋の手の内を知ろうとするとはいい度胸だ。教えてやらないこともないぞ、対価として貴様の命を頂くがな……」
「何だと?」
「やめろ、二人とも! レオン、消えるならさっさと消えろ。こいつの跡をつけたりするんじゃねえぞ、パンサー」
「フン。では失敬する」

 ドアロックを開き、レオンは乱雑な部屋を後にした・・

「あいにく男のあとを尾けまわす趣味はない。チームメイトに命を狙われるのも御免だね。だがウルフ、あんたはやつの勝手を何とも思わないのか?」
「好きにさせておけ。心配せずとも仕事に支障は出ねぇさ」
「フーン。まったく大したリーダーだよ。だがどうも、気になるね……


 チームの拠点を離れ、単独で宇宙を飛ぶレオンの機体。やがて、小惑星に偽装した彼の基地に辿り着き、機体は内部へと滑り込んだ。
 あとを尾けるものがいないこと、基地とその周囲に異常のないことを注意深く確認すると、レオンは安心したように自分の部屋に腰を下ろした。部屋の中は、ぬいぐるみやリボンのかかったカラフルな箱、ありとあらゆるファンシーなもので溢れかえっている。
 満足そうな笑みを浮かべながら、レオンは思った……

『クククク……知られてなるものか……この冷酷無比、残虐非道な暗殺者の私が、実はファンシーグッズに埋もれて至福の時を過ごしているなど、もしも知られてしまったら、もうこの宇宙の知性体すべてを暗殺しなければならないではないか。しかしそれにしてもファンシーなものというのはなぜこれほどまでに私の心を融かしてしまうのだ、あぁ、あぁあ、た、堪らん……ククク……クックックク……!!』


 ってな感じの真相だったら面白いと思わないか、ウルフ? いやぁ想像するだけで笑えるな。ハッハッ。あのレオンが! 血をすすって生きてるようなあいつが、ホントは可愛いものだーいスキ、とか! やべえツボにはまった。うへへ! アーハハハハ!!」
「フッ」

 突如ドアが開き、出て行ったはずのレオンが猛烈な勢いで飛び込んできた!

「キサマッ!! 何を笑っている!? 勝手な想像はよせ!! ウルフ! 貴様もいま、笑ったな??」
「フッ、フッフッ、なんだレオン。消えるならとっとと消えろと言ったじゃねーか」
「盗み聞きとはスマートじゃないねぇ、ファンシーレオン様。うぅはは、もう駄目だ耐えられん。ハーッハッハッハッハ!!」

「誰がファンシーだ!? 笑うなと言っているのがわからんのかっ!!」

仲間割れ

2008年11月14日 14時37分20秒 | アナザーストーリー
「だいたいキサマのそのキザっぷりが気に食わないのだ」
「そうだ! てめえの側にいるとこっちまで恥ずかしくなるぜ」

「ええー? やっぱ粗暴なダンナ方にはオレの美学は理解できねーのかなぁ。……いや、理解できるからこそ、嫉妬に狂う。そういうことかな、お二人さん。
 地上に降り立った神と見まごうばかりの私の姿を前にして自信がぐらついてしまうのはわかるが、だからといって同じスターウルフのメンバーだということは変わりはしない!
 ……そうだな、気持ちはわかるさ。私の放つ光がまぶしすぎて君らがかすんでしまうとしたら本当に申し訳ないと思う。だがダンナ方、人はだれでも、自分に与えられた技量のなかでなんとか生き抜いていかねばならないのじゃないかい? そう、たとえそれが真紅のバラのようにそこに存在するだけで人を酔わせちまう力だろうと、何だろうとね。そして与えられてしまったからには、その力を使わないことは罪だ! 私はこの力を宇宙の誰にも知らしめる義務がある。
 だが何てことだ……、その力がアダになって、こうしてダンナ方を嫉妬に狂わせちまうことになってしまうとは……、やはり大いなる力には大いなる責任が伴う、この言葉は真実だったようだな」

「おいレオン」
「何だ」
「久々に酔いたい気分だ。付き合うか?」
「よかろう。……ここにいると、この神とやらを地獄に送ってやりたくなりそうだ」

「力を使うも罪、使わないも罪。嗚呼! やはりオレがこの地上にいること自体が罪ということか。地上に生れ落ちた神は、天上の星を目指して飛ぶ運命……
 アレ? ダンナ方ぁ、何処へ行くんだよ? つれねえなぁ、オレもお供するぜ」

「うるせー!! てめえは来るんじゃねえ!!」

ファルコ会議

2008年10月02日 06時08分21秒 | アナザーストーリー
コマンドファルコ「俺たちってゲームごとにちょっとずつ体形が違ってるが、一体どいつが本当のオレなんだ?」
アサルトファルコ「あまり深く考えるとワケわからなくなるぜ、そもそもオレが3人もいるこの状況からしてヤベェ」
スマックスファルコ「ま、誰が本物だろうがどうでもいいが、一番キマってるのがオレだってことは確かさ」
「馬鹿言ってんじゃねぇ、衣装も一新したアサルトのオレに決まってるだろ。背も一番高いしな」
「あぁん? 背が高いのはそのブーツのお陰だろうが」
「んだとォ!?」
「へっ止せよ、見苦しいぜ……シリーズの中でも一番人気の64、それをベースにデザインされたオレが文句なしに一番なんだよ。スマブラでも大活躍だしな」
「てめェ……調子に乗るんじゃねぇぞ、スマブラの世界のお前は結局フィギュアで、実物はオレ達なんだぜ」
「なッ、何だと!? オレがただのフィギュアだって、バカな!」
「スタフォ本編あってこそのスマブラだ、そこんとこ理解しとけよな」
「ぐっ、ちくしょう……!! ……だがそれでも、オレのカッコ良さが一番ってことは変わんねぇけどな」
「ったく強情なヤローだ!」

ウルフ親分の場外乱闘 その4

2008年10月02日 05時17分58秒 | アナザーストーリー
 眼前に現れる相手をことごとくなぎ倒したウルフ親分は、ある場所に辿り着いていた
 そこは強さを追い求め、そして極めた者だけが辿り着けるこの世の果ての果て『終点』であった

 殺風景な空間に真っ平らな足場だけが浮かんでいるほかには誰も見当たらない
「とうとうオレ様より強い奴は居なくなっちまったか」
 強者の孤独を噛み締めていたその時、なんと自分のものと全く同じウルフェンが3機同時に現れ、その中から3人のウルフが姿を現したではないか!
「!?……!!」
 瞬時に、ウルフ親分は悟った
 『終点』は、少しずつズレた多くの世界の間に存在する場所
 そして他の世界に存在するウルフ達も、ひたすらに強者を求めた末にこの場所へやってきたのだと
「上等だ!! どんな世界のオレよりも、強いのはこのウルフ様だってことを証明してやる!」
「オラどうした! かかってきな!」
「その程度か、オレのくせに弱いぞ!」
「弱者どもめ! もっとオレを楽しませろ!」

 なんだかよくわからなくなってきたが、ともかくこの世の果ての果てで4人のウルフ親分による壮絶な戦いの火蓋が切って落とされたのだった