
苦しくは ないのかととふ すみれ草
*今週もまた俳句です。スレッズの彼も面白い仕事をしているのですが、今はなんだか、俳句の方をとってしまいます。
表題の句は、すみれの花が行っていることを、そのまま詠んだものですね。写真のすみれの花を見てください。そんなことを言っているでしょう。あなたは苦しくないのかと。
だれに呼び掛けているのか。写真を撮ったわたしたちにでしょうか。それともこの写真を見ている全部の人にでしょうか。わたしには後者の方に思えますね。このすみれの花は、すべての人間に、言いたいのです。
そんな生き方をして、苦しくはないのかと。
今の世の中、嘘で生きている人が余程たくさんいますから、すみれの花もそれを苦しんでいるのでしょう。
人間は、自分がつらくて、他のもっといい人間になりたくて、人のものを盗んで自分にくっつけ、本来の自分とは全然違うものになっている。
正直な自分をまっすぐに生きている人は、本当に少ない。
嘘の自分、嘘の人生を生きていると、根拠のないプライドがにょっきりと突き出して、たいそう魂が歪んで来る。
自分が、あまりにも醜い、馬鹿になってしまうのです。
自分をそんなものにして、苦しくはないのか。
すみれの花は、嘘に逃げる人間の暗い魂を、激しく憂えているのです。