ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

ぼろ負け

2023-03-22 08:02:17 | 短歌




馬鹿者は 神にたてつき 悪いこと ばかりしてきて ついにぼろ負け




*おわかりでしょうが、これは大火の作です。今週はわたしもいくつかおもしろいのを詠んでいるのですがね、大火のこの鮮やかな技に恐れをなして、ひっこめました。「ぼろ負け」なんて言葉、わたしには使えない。しかし大火は自在だ。使いにくい言葉も使って、言いたいことを言いぬく。

今、WBCの決勝戦が始まったところです。二刀流のスター選手が出ていて、それは盛り上がっている。でもわたしたちは、冷めた目で見つめています。国を代表している選手の中には、本物の人間はほとんどいない。みな、馬鹿が総出で偽りあげている、偽物の人間なのです。

とくにあの二刀流の選手には注目すべきですね。あまりにひどい嘘だからです。他人の徳分を盗みまくって、人間を超えたような選手になっている。それがあさましいなどというものではない。不正な霊的技術を駆使して、人並み優れた美貌と運動神経を偽り、完璧に近い好青年の性格を演じて、それはすごいスーパースターになっている。

あれの正体は、実に小さくて醜い男なのですよ。自分の勉強などほとんどしていない。神に逆らい、人間を馬鹿にして、いやなことばかりしてきた。そんな自分の心が表に現れると、こういう形になるのかという姿なのです。それが、他人の顔や姿を盗んで、実に感じのいい美丈夫になっている。

今は栄光の絶頂にいますがね、しかし目は矛盾に揺れている。本霊はとっくにあの人生から逃げたのです。なぜって、愛が何もないからです。すべては嘘だからです。悪いことばかりして、超越的に幸福な自分の人生を作ったつもりだったのに、実際それを生きてみれば、苦しいなどというものではなかった。

馬鹿者は、神に逆らって馬鹿なことばかりしてきたが、とうとうわかった。愛がなければ、人生には何もないのだと。

栄耀栄華と、名声と金と、馬鹿が思い描けるすばらしい幸福を、ふんだんに盛り込んだ、黄金の人生なのに、霊魂が苦しがって逃げる。結局馬鹿のすることは、大きな壁にぶつかり、ついには何にもなくなるのだ。

神に逆らい、悪の繁栄を信じて、すべてをやってきた結果、馬鹿は愛が一筋もない人生に絶望して、人生から逃げた。

あとに残された極上の人生は、馬鹿の霊たちが集団でやる、空っぽの馬鹿芝居になる。

ぼろ負けというのはこういうことだ。神にたてついて悪いことばかりしてきて、結局はすべてのことに何の責任もとらずに、鼠のように逃げる。馬鹿はそんな格好の悪い馬鹿にしかなれなかった。

悪というものは結局、エゴに敗れた、弱くて小さなものの、愚かなわがままにすぎないのです。






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