ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

ひなげしの

2023-05-10 06:20:03 | 





ひなげしの 風にうなづく 日向かな     夢詩香





*今週も歌が一つも詠めませんでした。このスランプは危機的ですね。馬鹿はますます深くわたしたちの感性を妨害してくる。詩はなんとか書けているのですが、歌は詩よりももっと高い感性のアンテナが必要なようだ。

で、表題の作は、ある眠れない夜に、何とか歌をひねり出そうと苦心していた時に、ようやくちびりと感性が吐き出してくれた、小さな俳句です。あまり良いものと思えないが、今週はこれしかないので、これをとりあげました。

ナガミヒナゲシは、かのじょの好きな花でした。それは帰化植物で、少し問題があるらしいのですがね、かわいらしい色と姿が好もしく、かのじょはその花を愛したのです。きれいな色で、派手になりすぎないほど華やかで、こんな服を女の子が来たら、どんなにかわいらしいだろうと、そんなことをかのじょは言ってましたね。実にかわいい感性だ。

明るい日向の色で、空き地の隅などで、風に揺れながら群れて咲いていると、とても美しい。外来植物として、生態系が云々と言って嫌うよりは、なんとか日本の自然界の仲間に入れてもらえないかと、そういう思いを抱きます。あまりに可憐な花だから。

五月になると、町のあちこちで咲いているのを見かけますが、それほど破壊的に環境を乱す植物ではないと思えるのですが。どうでしょう。もうすっかり、この国になじんでいるようにも思える。

ひなげしが、風の中に揺れている様子を、風にうなづく、としてみました。それは風が、花に、この国の自然界の愛に従うかと、尋ねてきたのに、うなずいたのだということも、暗示しています。花は奢り高ぶらない。きっと、次第次第に、新しい環境の中で、生きる自分を確かめていくでしょう。そしてそれはこの国の新しい風景の色にもなるような。

ナガミヒナゲシは、五月の光を浴びながら、まだ少し遠慮深げな顔をして、野の隅などに咲いています。





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