ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

あやにしき

2019-09-05 04:37:41 | 短歌





あやにしき こりてつかひを よそへども まなこにいづる まことのこころ





*「あやにしき(綾錦)」は、綾と錦、美しい衣装のたとえです。「つかひ」はここでは天使のことですね。

美しい服を凝って、天使を装っても、目から本当の自分の心が出ていますよ。

最近のテレビに出てくる美女は、衣装や髪型をきれいに凝りまくっていますね。とにかく自分をきれいにしたいようだ。天使的に、崇高なまでに自分をきれいにしている。

しかしそこに灯っている目が暗いと、いかにきれいに仕上げていようと、全体が気色悪くなるのです。まるごと嘘になるからです。

形をきれいにすればするほどに、目が痛々しくなる。本当の自分はこんなものではないと、心のどこかでわかっているからでしょう。嘘をついているのだと、自分でもわかっているからでしょう。

ほんとうの自分で生きている人は、そんなにまで自分をきれいに演出したりしないものですよ。なぜ必死に自分をきれいにして見せるのか。本当の自分がいやらしいものになってしまっているからです。

人のものを盗んで自分をいいものにしているからです。そんな汚いことをしているのが自分であることが、痛いのです。いやらしいことをしてでも自分をいいことにしたいという心が自分にあることが、つらいのです。

人間は嘘で自分を偽っている限り、この矛盾に苦しみ続けるのです。美しくなりたい。そのためには汚いことをしてもかまわない。だけど汚いことをしている自分は嫌だ。美しくなりたい。…まあ、何度も言ったことですね。これを馬鹿女の負のスパイラルというと。

馬鹿女は嘘で自分をきれいにしている限り、永遠にこの負のスパイラルに苦しみ続けるのです。

しかし本当の自分に目覚めた人は、ここから飛び立っていくでしょう。本当の美は本当の自分から始まると、本当の自分に帰り、そこからまっとうに自分を生きていくことでしょう。そういう人がいることを信じたいですね。

今はもう、天使まねの馬鹿女がものすごくたくさんいますから、わたしなどは世間を見て絶望的になってしまうのですが。

見えないところで、地道に本当の美女の道を精進している女性がいると信じたい。





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