アルハンブラが美しいことなど、今更述べるまでもない。小高い丘に立つ城は、青い空の中にくっきりとそして、緑に包まれている。中に入ると、花と水に包まれた美しき空間。そして、水に映る建物。光の中に浮かび上がるアラベスク。かつては、選ばれし美姫が甘い姿態と息をはべらせたパライソ。
ふもとのヌエバ広場から川を遡っていくと、アルハンブラの森の中に入っていかれる。そこには、アルハンブラの歴史を感じさせるようなものも、ふもとのにぎやかな街の様子も何もない。ただ、静かな林道があり、往来も少ない。山は奥深い。アルハンブラの城壁にはなかなかたどり着かない。賢明な旅行者は、途中でサクロモンテに通じる道へ足の向きをかえるであろう。私は静かな道を空を見上げながらただ歩いた。鳥の声と、トカゲがたてる枯れ葉を踏む音。そして風。
途中、別荘地帯があり、人の声と車の音がする。王宮のならびに広がる別荘に眠る。どんな夢を見るのであろう。私なら想像が膨らんで眠れない気がする。セビージャやコルドバ、マドリーナンバーの車を眺めつつ、私はさらに奥へと進む。木立が開けたそこにはなんと、なんと牧場が広がっていた。悠々と草を食む牛たち。なんということか。こんな世界を私は想像だに出来なかった。アルハンブラの壁の向うに別荘、牛。牛はアルハンブラの栄華のころからずっといたのではないか。城壁の裏門からそっと出る僕。乳を入れた壷を抱えてまたそっと宮殿に戻る後姿が目に浮かぶようだ。
アルハンブラは、見晴らし良いところに建てた城砦というよりは、王都である。別荘があるのは、居住区があった名残かもしれない。
ふもとのヌエバ広場から川を遡っていくと、アルハンブラの森の中に入っていかれる。そこには、アルハンブラの歴史を感じさせるようなものも、ふもとのにぎやかな街の様子も何もない。ただ、静かな林道があり、往来も少ない。山は奥深い。アルハンブラの城壁にはなかなかたどり着かない。賢明な旅行者は、途中でサクロモンテに通じる道へ足の向きをかえるであろう。私は静かな道を空を見上げながらただ歩いた。鳥の声と、トカゲがたてる枯れ葉を踏む音。そして風。
途中、別荘地帯があり、人の声と車の音がする。王宮のならびに広がる別荘に眠る。どんな夢を見るのであろう。私なら想像が膨らんで眠れない気がする。セビージャやコルドバ、マドリーナンバーの車を眺めつつ、私はさらに奥へと進む。木立が開けたそこにはなんと、なんと牧場が広がっていた。悠々と草を食む牛たち。なんということか。こんな世界を私は想像だに出来なかった。アルハンブラの壁の向うに別荘、牛。牛はアルハンブラの栄華のころからずっといたのではないか。城壁の裏門からそっと出る僕。乳を入れた壷を抱えてまたそっと宮殿に戻る後姿が目に浮かぶようだ。
アルハンブラは、見晴らし良いところに建てた城砦というよりは、王都である。別荘があるのは、居住区があった名残かもしれない。
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