(古い話で恐縮。本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしてアップ。その後、更に内容を変更したものです。)
7月5日はクロユリの花が見たくて、月山にやって来た。
なお今年の月山は6月7日(記録はこちら)についで二回目で、今回は羽黒ルートからアプローチした。
天気は前回のような晴天ではなかったが、
薄日にほぼ無風だったので花の撮影にはベスト・コンディションだった。
弥陀ヶ原から見た月山。ご覧の通り、山岳風景としてはパッとしない。
登る途中、早朝の限られた時間だけだが、鳥海山が見えた。
本来ならば、登る途中、出会う花や景色を順々に報告するところだが、
今回は主題が山頂に生える「クロユリ」なので、いきなり山頂から・・・
と思ったが、それではあんまりなので、途中で見かけたエーデルワイスことミヤマウスユキソウを幾つか。
ミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ) 一緒に咲くのはキバナノコマノツメ
一緒に咲くのはウサギギク。
山頂付近から西斜面を見下ろす。
いよいよ山頂の黒百合。
厳密にはミヤマクロユリ。
今回はホンの数本見ただけで、しかもまだ咲き残っていたのは上の2本だけだった。
昔は山頂付近にうじゃうじゃと咲いていたのだが、どうしたんだろう。
参考までに昔のうじゃうじゃシーンを四枚。撮影は1987年6月28日。
けっして綺麗ではない。また匂いも良くない。
それなのに何故か心惹かれるものがある。不思議な花だ。
一緒に咲くのはミヤマキンバイ。
一緒に咲くのはハクサンイチゲ。
減った原因はネズミの食害と言われるが、個人的には登山者の踏圧ではないかと思う。
東北でクロユリが咲くのは実質この山だけ(※)なので、昔のように復活することを切に祈る。
(※ 東北では他に焼石岳と飯豊山系の一部にも有ると言われるが、なかなかお目にかかれない。)
月山は花の名山だ。鳥海山や早池峰山のようにこの山だけの特産種、固有種が無いのは残念だが、
とにかく種類と量が多い。
東北の他の山ではあまりお目にかかれない種類でも月山に行けば見られるケースが多い。
チシマギキョウもそのひとつだろうか。
東北でこの花の見られる山は極めて限られる。理由は分からないが、昔に較べるとかなり減ったようだ。
それでも植生復元エリアでは徐々に復活しており、今後も見守って行きたいものだ。
なおよく似たイワギキョウはこの山には無い(隣の鳥海山には多い。 ⇒ こちら)。
前回、期待していたのに時期尚早だったミヤマシオガマ。
あれからひと月、経っているので、今回はもう終わったものと諦めていた
花の終わったミヤマシオガマ
が、根気強く探したら有った。嬉しかった。
開花中のミヤマシオガマ
これからはヨツバシオガマの季節になる。
花色が微妙に違うヨツバシオガマの2タイプ
パッと見、ハクサンチドリはヨツバシオガマに似ている。
ウズラバハクサンチドリ イワカガミとチングルマ
月山には葉に斑点の無いハクサンチドリもあるが、他の山に較べるとうずら葉タイプの比率が高い。
羽黒ルートから見た月山山頂
雪が解けたら、一番初めに咲く花は・・・
ミツバノバイカオウレン(コシジオウレン) ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマは低地から高山までこの植物の分布範囲は広い。
ヒナザクラ
アオノツガザクラ
アオノツガザクラの花壺のほっぺは傷だらけだった。蜜を横取りしようとする蜂のせいだろうか。
今回、月山には他にも数多くの花が咲いていたが、全部挙げていたら何頁にもなるので他は割愛させて頂く。
月山、特に羽黒ルートで面白いのは登山口に弥陀ヶ原という広大な湿原があること。
そのうち一部は高層湿原になっており、尾瀬を彷彿とさせるような池塘風景が展開する。
この湿原があるせいか、弥陀ヶ原は標高1400m程度にもかかわらず、多くの高山植物が降下している。
よって歩き出しから花のオンパレード。
月山羽黒ルートはだらだら長くて嫌だという人も居るが、花好きにはたまらないルートだ。
ニッコウキスゲ(バックにコバイケイソウが少し)
ヨツバシオガマ トキソウ
以上。
それでも五年経ったら増えてるか減ったのか?
え~!! こんなにたくさんあった、クロユリは、もう見えなくて、
パラパラなんですか?もったいないですね~
それにしても、たくさんのお花で見ごたえあります。
今日は未明より山に行っており、先ほど帰宅しました。
昨年、今年の状況を見る限りでは復調のようです。