モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

秋田駒ヶ岳はどんなお山?/山容編

2024年01月02日 | 秋田駒・乳頭/花と山容

新年あけましておめでとうございます。
ところで昨日夕方・・・( ̄π ̄;正月早々の大地震には驚きました。
被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。
私事で恐縮ですが、毎年、冬場は山に行けないため、本ブログもネタが無くなります。
夏場の回想記事などでお茶を濁すことが多く、
今年は秋田駒ヶ岳の花の話題などを
ちんたら始めようかなと思っておりました。
ところがこの大地震で少々出鼻をくじかれました。
正月二日は揺り返しで、昨年12月28日にアップしておりました
「秋田駒ヶ岳はどんなお山?/山容編」を再度アップさせて頂きます。
このことに深い意味はありませんが、
何卒ご了承下さいますようお願いいたします。m(_ _)m


2022/09/14 田沢湖町石神付近から。



「駒ヶ岳」の名前の山は全国に数多くある。
同じ名前なので、識別するため、頭に地域名を付けて呼ばれることが多い
(木曽駒ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、会津駒ヶ岳、大沼駒ヶ岳など)。
秋田駒ヶ岳は奥羽山脈の北部、秋田岩手の県境付近にある山で、
最高峰の男女岳も含め、主要なピークは県境より秋田県側に突出している。
そのためか「秋田岩手」駒ヶ岳ではなく、「秋田」駒ヶ岳と呼ばれている。
略して「秋田駒」、もっと縮めて「秋駒」とも呼ばれる。
ところで私は長年、秋田県の最高峰を鳥海山だと思っていたが、
正しくは秋田駒ヶ岳の一峰、男女岳(おなめだけ)(標高1637m)だそうだ。
鳥海山の山頂部は行政区分上、山形県になっている(詳細はこちら)。
秋田県の最高地点は山頂ではなく、鳥海山東斜面の約1750mの地点になっている。

秋田駒ヶ岳はあまり高くないが、気候や地質の影響もあり、
高山植物の種類、量が非常に多く、国内でも有数の花の名山だと言われる。

そのおかげだろう。この山の花を語る記事は数多見かける
が、山の姿が話題になることは非常に少ない。

たまに有ったとしても、昔は(山と渓谷社のガイド本などでは)
「もっさりして見てくれの悪い山」などと好くない評判ばかりだったが、

私はけっしてそうは思わない。
その姿は鳥海山やすぐ近くの岩手山に較べたら、少し地味かもしれないが、

このお山、見る角度(ポイント)と時期を選べば、なかなか好い姿をしていると思う。

たまには、この山の姿形に関して、語ってみるのもいかがかなと思い、
本稿を立ち上げて見た。

なおこの山は奥羽脊梁山脈のただ中にあるため、
人が多く住む低地から見えにくい。
見える範囲は秋田、岩手でも限られている。

秋田側では仙北市の旧・田沢湖町付近と、少し離れて大仙市大曲付近くらいだ。
また山名、駒ヶ岳の由来とされる「駒」の形の雪形は
いつ頃どこで見られるものなのか知られていない。

私はこの山を田沢湖町の郊外、石神付近や田沢湖の西岸から眺めることが多い。
冒頭の写真は石神付近から見たもの。
その姿は颯爽とした男岳と丸みをおびた女岳の双耳峰だ。
強いて似たような姿の山を探すと、猪苗代湖湖畔から見た磐梯山あたりか。

夏場はあまりパッとしないかもしれないが、
冬場や早春など、雪がある時期はこれがキリっとした姿に変わる。

2015/12/24 田沢湖町石神付近から。 


今回、眺めたポイントの幾つかを下のマップに記してみた。



田沢湖の西岸、辰子姫像のある潟尻付近から眺める駒ヶ岳は素晴らしい
(ただし田沢湖スキー場には目をつむること)。

ここからは北(左)奥に乳頭山も見える。

2023/03/11 西木町潟尻から。 


湖面に映る逆さ秋田駒も素晴らしい。
ところで女岳の右に冬でも黒い山肌が見える。

ここは風の通り道になるようで冬でも雪が付かない。
大焼砂とも呼ばれ、国内有数のコマクサ、タカネスミレの生育地でもある。

2015/03/16 西木町潟尻から。


田沢湖町でも少し北、田沢や鎧畑に行くと、男岳の左肩に男女岳(おなめだけ)が顔を出し、

三つのコブが並ぶ山に変わる。
男女(おなめ)とはお妾さんの意味で、
ふだんは男岳のかげに隠れて見えにくいのでそのような名前が付いたのか、

しかしこのピークが秋田駒ヶ岳では最高峰だ。

2015/03/16 田沢湖田沢から。


大仙市大曲郊外の平地からも秋田駒ヶ岳は見える。

ただし距離があるせいか、またコンパクトな姿にまとまっているためか、
姿は小さく、
地元での認知度もあまり高くない。
こちらでは男岳と横岳が主体の丸っこい姿に変わる。
なおこの平地からは右奥に岩手山の山頂部も少し見える。

2018/03/07 大曲郊外から。



岩手側からも秋田駒は見える。
しかし奥羽山脈越しに見ることになるので、低地から見える場所は限られており、
盛岡市や雫石盆地から遠く眺める程度だろうか。
その姿は緩やかで控えめな印象だ。

雫石盆地から眺めると、北側に湯森山、笊森山などの更に緩やかな火山が連なっている。
こんなに平坦な火山地形は国内では珍しいと思う(が、実はすぐ隣の三ッ石山付近にも有った)。

2017/05/04 雫石町から。


秋田駒ヶ岳をクローズアップ。
秋田(田沢湖)側から見た姿とは随分と違う。女性的な印象だ。

2017/05/04 雫石町赤渕付近から。


岩手側雫石からの秋田駒ヶ岳は横岳が前面になり、
秋田側のピークはその陰に隠れて見えにくい。

2022/05/10  雫石町赤渕付近から。


モルゲンロートの秋田駒ヶ岳。


2023/03/11 雫石町安栖から。


秋田駒ヶ岳の北側には八幡平の山群が連なっており、近くに平地は無いため、

北側の平地からその姿を望むことは不可能だ。
ただしアスピーテラインを走り、秋田側の八幡平山頂近くまで登ると、その姿を望むことが出来る。

2018/06/18 アスピーテライン大深沢展望台から。


乳頭山山頂に登ると、やや西寄りの南にその姿を望むことが出来る。
ここからは天気が好ければ、鳥海山や田沢湖も一緒に眺めることが出来る。
八幡平、乳頭山など北側から見た秋田駒は右に男女岳、左に横岳が主体となる。

2019/09/17 乳頭山山頂から。

 


続いて、ちょっと変わった場所から、秋田駒ヶ岳を眺めてみた。

北上山地の姫神山山頂からは岩手山の左奥に笊森山や乳頭山などと一緒に並んで見える。

2022/05/10 姫神山山頂から。


早池峰山から望む姿は雫石町から見た姿に似ている。
右側に湯森山や笊森山が連なっている。

2017/06/06 早池峰山から。


奥羽山脈、南隣の和賀岳から見ると、南部カルデラが大きく口を開けていた。

2018/10/21 和賀岳(小鷲倉)から。



大仙市大曲の西にある大平山(姫神山)(387m)に登ったら、
秋田駒ヶ岳と岩手山がすぐ隣にあるように並んで見えた。

2018/12/02 大仙市の大平山(姫神山)から。


秋田市に近づくと、秋田駒は見えにくくなるが、由利本荘市との境にある高尾山の中腹付近まで上がると上の方が見える。
形は田沢湖から見たものと同じだ。
なおここでは岩手山が秋田駒の左側に移り、山頂だけ出ている。

2017/05/02



秋田市市街地から秋田駒ヶ岳は見えない。

これは東にある太平山地のかげになるためだ。
奥岳の山頂(1170m)に着くと、初めてその姿を望むことが出来る。
その姿は田沢湖田沢から見たもの(上から5枚目)と同じだった。

2020/05/24 太平山奥岳から。


以上。


秋田駒ヶ岳はどんなお山?/パーツ紹介」へ続く。


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4 コメント

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あちこち失礼します (ねも)
2023-12-31 11:57:01
こちらも素晴らしい記事! さすが地元の方は深いと思います。
何度も滑っている私が言ってはいけないかもしれませんが(苦笑)、たざわ湖スキー場のゲレンデがちょっと興ざめですね
返信する
ねもさんへ。 (モウズイカ)
2023-12-31 13:38:01
そうなんですよ。
田沢湖から見た秋田駒、個人的には昔から、好い姿だと思っておりました。
ただこのスキー場が大きな傷のように見えてその点はずっと残念に思っておりました。
最近はスキー場は見えなかったことにして眺めております。
返信する
Unknown (ミルク)
2024-01-02 16:56:30
今年もよろしくお願いいたします<(_ _)>
たくさんの山の花を 楽しみにしています。

当ブログは、冬眠状態状態で生存確認みたいなものです(;^_^A
返信する
ミルクさんへ。 (モウズイカ)
2024-01-02 17:12:39
コメントありがとうございます。
秋田駒の高山植物、二三日したら始めようと準備中です。
今年もよろしくお願いします。
返信する

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