日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

保育士の待遇改善は必須だが予算は?

2023年01月04日 10時09分44秒 | 日々雑感
 裾野市の私立保育園で子供を守るべき保育士の虐待行為が明らかになり、園の隠蔽が疑われる対応と体質にも批判が集まっている。地元では人気のある保育園のようだが、ここで行われた信じがたい行為の背景に、子どもを預かり養護と教育の両面から面倒を見なくてはならない保育士の多忙があるようだ。

 この保育士の多忙は保育園一般にあるようであり虐待行為はここだけに留まらない。裾野市の保育園の他、仙台市の保育所や富山市の認定こども園でも不適切な保育が次々と報道されている。

 保育園は、家庭において十分に子どもを保育できない場合に、家庭に替わって0~5歳の乳児および幼児を保育するための児童福祉施設だ。この年齢層の子供は言葉だけでは充分意思を伝えることが出来ない為、身体的に力を加えて保育することも想像に難くない。脚をもって逆さずりにすることが虐待の典型のように報道されているが、経験的に子どもが喜ぶ場合もあり、何をもって虐待と呼ぶのかよく分からない面もある。

 脚をもって逆さつりにした場合、恐怖で子供が泣き叫ぶ場合は虐待行為となろうが、そんなことをすればその後の面倒見が一層困難になるであろうに、敢えてするとは何のための逆さづりかよく分からなくなる。

 ストレスが溜まっていたためとの報道もあるが、根にあるのは多忙の結果であろう。保育士の人材不足は予てよりよく聞く。その一因は給料の低さにある。2022年の全国の保育士の平均給料は約25万円だそうだ。この給与額は手取り額ではなく、所得税や社会保険料などを控除する前の金額を指し、手取り額の平均はおよそ20万円前後と考えられるそうだ 。この金額は一般女性の平均給料よりかなり低いとの話はよく耳にする。

 保育士は誰でもできるから給料が安いとの意見がある。一昔前は専業主婦が多く乳幼児は家庭で過ごすことが一般的だったので ”母親ならみんなやっている当たり前の仕事”といった偏見があり、保育士は元々女性の本来の仕事のため賃金が不当に押さえられてきたと考えられる。

 岸田内閣は子育て支援政策の一環として、「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」を行うことを決定した。これにより保育士の賃金9000円アップという見出しが一人歩きし、保育士全員の給料が9000円上がると思われるが、今回の処遇改善を受けるためには対象者や対象施設、補助要件などをクリアしている必要があり、一人当たりの引き上げ額も一律で決まっているわけではない。

 この件も今春創設予定のこども家庭庁の担務となろうが、予算面の裏付けは乏しく、安定財源の確保が課題となる。国防費の年1兆円の財源確保は税金で賄うことが決定したが、年1千億円程度必要な子ども関連の財源確保の目途が立っていない。2023.01.04(犬賀 大好ー877)