米国の中間選挙が今月8日に行われた。選挙の最終結果は16日になっても確定していないが、選挙前の共和党圧勝の予想に反して、民主党の善戦が目を引く。上院においては、民主党が50議席を獲得し、12月6日に決選投票を実施する南部ジョージア州で共和が勝利しても現在の上院の構成と同じ50対50となり、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を持つため民主が多数派を維持することが決定した。
一方、下院の選挙結果は、14日までの開票の結果、共和党が217議席を獲得し、過半数(218)奪還まであと1議席に迫ったとのことだ。勝敗が確定していないのは残り13議席だ。恐らく下院は共和党が過半数を占めるだろうが、下院議長を巡る争いが始まっているようだ。
下院議長に選出されるには、今月中旬に共和党内で議長候補に選ばれた上で、来年1月の新会期に行われる議長選で過半数の支持を得なければならない。民主党との議席差が僅差の場合、共和党内で数人が反対すれば、議長への道は閉ざされことになるそうだ。
さて、共和党下院トップのマッカーシー院内総務は9日、中間選挙の下院選で当選した議員らに書簡を送り、下院議長を目指す意向を表明した。しかし、当選したトランプ派候補の間では、マッカーシー氏を支持しないとする動きが出ている。トランプ派は下院を奪還したらバイデン大統領や一部閣僚を弾劾すると対決姿勢を先鋭化しており、マッカーシー氏に対し対決路線に同調するよう圧力をかける狙いがあると見られている。
共和党トランプ氏は、予てより15日大統領出馬宣言すると宣言しており、本日昼頃その通り宣言した。選挙結果は予想よりも議席が伸び悩み、トランプ陣営の内輪もめも報道されており、かっての勢いは失た感である。普通の人であれば、体制の立て直しの為出馬宣言を先延ばしにするであろうが、強気のトランプ氏は世界中が注目する中、出馬宣言を強行した。
選挙が8日終わり1週間以上経つのに何故選出結果が出るのに時間がかかるのであろうか。今回の選挙では有権者全体の約47%に当たる1億1234万人超が全国で投票したとされ、この内約37%の人が期日前投票と郵便投票をした人だそうだ。このことが、集計に時間がかかっている要因の1つになっているそうだ。
すなわち、郵便投票の扱いが州によって異なり、投票当日にならないと処理を進められない、投票翌日の午前10時まで開票できない等の規定の州がある一方、投票日前に開票作業を進められる州もあるそうだ。また、投票日の後に届いても投票日に投函されたなら有効票として集計する州もあり、それらの州は、郵便投票が届くのを待つ時間が必要だ。一方、投票日までの到着分しか認めていな州もあり全国的な統一規定は無いようだ。
投票は民主主義の基本中の基本であるが、そのルールを州に委ねるのも民主主義の一つであり、時間がかかるのしょうがないだろう。しかし、トランプ前大統領のように負ければ不正があったと言い出す輩も出てくるから厄介だ。2022.11.16 (犬賀 大好ー863)