日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

自動運転車の実現は身近に迫ったが

2018年04月21日 09時23分48秒 | 日々雑感
 自動運転技術を得意とするベンチャー企業のZMPは、昨年12月、公道を使った遠隔型自動運転システムの実証実験を報道陣に公開した。東京五輪が開催される2020年の完全無人タクシー商用化に向けた第一歩と言う。

 また、日産自動車とDeNAも、一般モニターを後部座先に乗せた自動運転の公道実験を横浜市内で行っているそうだ。

 公道での実験ならば、車や通行人等が少ない田舎か地方都市で行なった方が他人に迷惑を掛けないと思うが、何しろ都会の公道は整備されているのだ。凹凸が少ないようにしっかりと舗装され、車線は明確、信号機やガードレール等も完備され、実験環境が整っているのだ。実験には実験条件をはっきり確定していることが絶対条件だ。その他マスコミに対する宣伝効果もあるだろう。

 公道実証実験については、警察庁が昨年6月に道路交通法第77条の道路使用許可申請を受けて実施できる対象行為としたと発表しているが、実際の実験は恐らく一般車の通行規制が行なわれた中で行なわれたのであろう。一般車が普通に走行する一般公道の実験は、いくら技術の進歩があったとしても、常に安全第1を考える警察庁が許可する筈が無い。

 兎も角両者の公道実験も大過なく終了したと思われ、問題点や改善点が明らかになったであろうが、その中身は公表されていない。実験の結果は企業の重要なノウハウになるので、簡単には公表できなのは当然だ。兎も角、いよいよ無人運転車が走り回る時代が近づいた感がする。

 自動運転車の便利な使い方は色々考えられる。高齢者向けに過疎地を自由に走り回った方がこれからの社会に適していると思われるが、道路整備がしっかりなされている都会の道路の方が自動運転が適応し易いことは言うまでもない。但し、都会でも人や車で混雑している道路となると問題も多い。

 2016年に米国テスラ社の半自動運転車が公道で試験運転中に道路を横切ろうとした大型トレーラーに衝突して運転者が死亡する米国初の事故があった。原因は自動車を側面から認識する機能が欠如していたとの指摘もある。

 自動運転車が多重衝突事故に巻き込まれ、横転や反転している車に遭遇した時も、それを回避するプログラムも完備されているであろうか。人間が絡むとより複雑になる。最近話題となる煽り運転も興味本位で仕掛ける人間も出てくるだろう。

 一方、自動運転車が事故を起こした場合の責任の所在に関しては現段階では何も決まっていないようだ。想定される自動運転車事故は様々であり、内容により責任を負う者が違ってくるはずだ。可能性がある者として、・運転者、・車の所有者、・メーカー、・制御プログラムの開発者、・データ提供者、・国や地方公共団体、等が考えられるが、事故内容によっては責任の所在は複数になるであろうし、簡単に結論が出る話ではない。

 最近、自動運転で事故が起きた場合の損害賠償責任が車の所有者にあるあるとする報告書を3月20日、国土交通省の有識者研究会がまとめたそうで、近く取りまとめる自動運転に関する「制度整備大綱」に盛り込むそうだ。

 これは車の所有者に責任を負わせる現在の自動車損害賠償保障法の仕組みが「迅速な被害者救済のため、有効性は高い」と指摘し、当面はこの方針を維持することが適当としたようだ。

 自動運転車は制御回路に組み込まれはプログラムによって制御される。プログラムは想定される出来事にはうまく対応できるが、想定外の事象に対しては対応できない。この想定外の事故に対しても、所有者が責任を負わなばならないとしたら、誰が利用するであろうか。2018.04.21(犬賀 大好-435)