8月12日、中国・天津市の浜海新区で、爆発事故が発生し、死者が100名を越したとのことである。爆発現場は化学物質の保管施設で、シアン化ナトリウムが約700トンを始めとする危険薬品が大量にあったとの報道があったが、政府の報道規制により、結局は一般庶民には不明のまま有耶無耶となるであろう。
原因も有耶無耶となるであろうが、化学物質の不法な量の保管も指摘されており、天津市当局と施設側の癒着が原因と報道されているが、経済急膨張の中国にはさもありなんとの感である。
中国の急激な経済発展は、様々な問題を引き起こす。環境問題、官民癒着問題等いろいろ指摘されているが、人材不足と労働意欲不足があるのではないかと推測される。
すなわち、人間は金のあるところに集まるが、多大な金が動くのは建設時であろう。金に目が無い連中は建設時に群がり賄賂等でも稼ぐ。建設が終了し、工場が稼動を始めると、運営する人材が必要となるが、建設時に比べお金は余り動かず、日々の地味な仕事をこなさなくてはならない。このような分野では ”ぼろ儲け“ が出来ないため、労働意欲の低い人、低学歴の人が多くなると予想される。また、毎日の仕事に慣れてくると、緊張感が無くなり、仕事がいい加減になり、安全対策もおろそかになる恐れも生ずる。いい加減な建設、人材不足と日々の仕事の慣れからくる労働意欲の低下が今回の事故の底辺にあるのではないかと懸念される。
8月22日にも山東省で化学工場の爆発があったが、中国の原子力発電所にこの懸念が無いかと心配される。中国での原発は、運転中 18基、建設中 31基らしい。日本はさておき、先進国では原発は縮小の方向であるが、中国は一途に邁進である。原子力発電所の建設には精密な調査や建設も必要であるが、運用にも高度の専門的知識が必要である。最近では中国独自の原発を建設したとかするとかの報道もあるが、果たしてどれだけの人材が支えているのであろうか。
原子炉には、考えうるあらゆる事故を想定し、センサーが張り巡らせ、安全装置が幾重にも設置されているはずである。過去の事件を反省し更なる安全対策も盛り込まれているに違いない。運営する人に対する事故に備えてのマニュアルも完備され、訓練もたびたび行われているはずである。
しかし、人間の“慣れ”は恐ろしい。しばしは生ずる事故であれば、緊張感を保つことも可能であろうが、めったに起こらない事故に対しては、緊張感は長くは続かない。急膨張する原子力事業とそれを運営する人材の不足および仕事に対する慣れ、次に起こる原発事故は中国ではないかと恐れる。偏西風は中国から日本に向かって吹くのだ。(犬賀 大好-159)
原因も有耶無耶となるであろうが、化学物質の不法な量の保管も指摘されており、天津市当局と施設側の癒着が原因と報道されているが、経済急膨張の中国にはさもありなんとの感である。
中国の急激な経済発展は、様々な問題を引き起こす。環境問題、官民癒着問題等いろいろ指摘されているが、人材不足と労働意欲不足があるのではないかと推測される。
すなわち、人間は金のあるところに集まるが、多大な金が動くのは建設時であろう。金に目が無い連中は建設時に群がり賄賂等でも稼ぐ。建設が終了し、工場が稼動を始めると、運営する人材が必要となるが、建設時に比べお金は余り動かず、日々の地味な仕事をこなさなくてはならない。このような分野では ”ぼろ儲け“ が出来ないため、労働意欲の低い人、低学歴の人が多くなると予想される。また、毎日の仕事に慣れてくると、緊張感が無くなり、仕事がいい加減になり、安全対策もおろそかになる恐れも生ずる。いい加減な建設、人材不足と日々の仕事の慣れからくる労働意欲の低下が今回の事故の底辺にあるのではないかと懸念される。
8月22日にも山東省で化学工場の爆発があったが、中国の原子力発電所にこの懸念が無いかと心配される。中国での原発は、運転中 18基、建設中 31基らしい。日本はさておき、先進国では原発は縮小の方向であるが、中国は一途に邁進である。原子力発電所の建設には精密な調査や建設も必要であるが、運用にも高度の専門的知識が必要である。最近では中国独自の原発を建設したとかするとかの報道もあるが、果たしてどれだけの人材が支えているのであろうか。
原子炉には、考えうるあらゆる事故を想定し、センサーが張り巡らせ、安全装置が幾重にも設置されているはずである。過去の事件を反省し更なる安全対策も盛り込まれているに違いない。運営する人に対する事故に備えてのマニュアルも完備され、訓練もたびたび行われているはずである。
しかし、人間の“慣れ”は恐ろしい。しばしは生ずる事故であれば、緊張感を保つことも可能であろうが、めったに起こらない事故に対しては、緊張感は長くは続かない。急膨張する原子力事業とそれを運営する人材の不足および仕事に対する慣れ、次に起こる原発事故は中国ではないかと恐れる。偏西風は中国から日本に向かって吹くのだ。(犬賀 大好-159)