日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

イランの核開発放棄は本当か

2015年08月01日 09時31分02秒 | 日々雑感
 イランが核兵器の開発を断念した。本当に断念したのであれば、ノーベル平和賞に値するが、額面通りに受け取れないのが、政治の世界である。言うまでも無く、核の保有は政治的に非常に有効である。核開発に北朝鮮やイランが必死になるのはよく理解できる。イランが今後濃縮ウランの削減や査察受け入れなど、最終合意を実行していけば、年内から年明けにも制裁は解除されるようだ。イランの人口は7850万人でトルコと同じ程度であり、石油の埋蔵量世界4位と有望な経済相手国である。これを見越して、ドイツ、フランス、ロシアが先陣争いを繰り広げているようだ。日本もかって有していた石油採掘権を取り戻すべく動き出しているに違いない。イランは、核兵器開発断念と引き換えに目覚しい経済的な発展を成し遂げるかも知れない。
 しかし、これで“目出度し目出度し”とならないところが、複雑な中東情勢である。宗教的にはイランはシーア派であるが、中東の盟主サウジアラビアを始めとするスンニ派の国々にイランは取り囲まれている。シーア派とスンニ派は敵対しており、この関係を一層複雑にするのはイスラエルの存在だ。
 イランの経済的な発展を快しとしない国が周辺にあり、このためイランは核開発を簡単には諦めないであろう。一旦核兵器を保有すれば、北朝鮮同様に世界の国々はその存在を認めざるを得ないからだ。
 現在、イラン、イラクの国境地帯でイスラム教徒の一部がイスラム国を樹立したと宣言しているが、どの国も承認はしないであろう。しかし、核兵器を保有する事態となったら、建国を世界が認めざるを得ないであろう。(犬賀 大好-151)