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森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

ハワイ神話と鮫

2022年02月01日 | 神話・伝説


なんとなく昨日の続きですが、ハワイの海の王者である鮫は、神話のなかでもとてつもなく大きな存在感を放っていますよね。

真珠湾を守る鮫の女神カアフパハウなど鮫の神の話はたくさんありますし、人間の女性と鮫の神の間に生まれた半神の物語も多々。たとえばハワイ島ワイピオ渓谷にも、鮫に変化(へんげ)して村人を襲う男の話が伝わっています。

また鮫の神は海の神ともみなされているので、人間に怒って津波を引き起こした鮫の神の物語も。「鮫の神話を列挙せよ」な~んていう宿題が出たなら、10や20は書き出せる気がします(笑)。

ちなみに、以下はハワイ州観光局のアロハプログラム中、「タトゥーの伝統」で書いた一文です。

「守護としてのタトゥーの代表的な例では、その一族のアウマクア(先祖神)のタトゥーがあげられます。鮫をアウマクアとして崇める一家が鮫の歯を示す三角形の列を入れていたり、ユニークなものでは足首に点線を入れていた女性の話も。ビショップ博物館の考古学者だったケネス・エモリー博士によると、それはアウマクアである鮫に間違えて足首を噛まれた女性にちなんだモチーフだそう。鮫が『足首に噛んだ跡が残ったから他の人間と区別がつく。もう間違えまい』と女性に告げた…という逸話から生まれた守護のタトゥーとのことです」

…ああ、鮫の神話について書いていると止まらなくなります! コワイけれど何だか気になる、ハワイの鮫の逸話。(しつこいけれど)またご紹介させてくださいネ。あ、冒頭の写真は、ビショップ博物館のハワイアンホールでございます。




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マウイ神話VS国引き神話

2022年01月25日 | 神話・伝説


「日本沈没」の回で、半神マウイが釣った獲物(海底=大陸)を海に落として粉々に割れたことにより、ハワイは大陸ではなく島々になった…という話を書きました。

実はその後、自分の行いを悔いて、島々を引き寄せて一つにまとめようとしマウイ。ハワイアンがカヌーを一生懸命漕いで、時間をかけて島間を移動しているのを見たからです。

まずはマウイ島に魔法の釣り針とロープを引っかけて、ハワイ島に持ってこようと画策。大男たちにカヌーで引っ張らせたところ、もうちょっと、というところでロープが切れ、マウイ島は元の場所に戻っていきました。男の一人が言いつけを破って振り返ったため、魔法が解けたからです。

その結果、釣り針のかかっていた島の先端だけがハワイ島の海に残り、それがヒロ湾に浮かぶココナッツアイランドとか(上の写真の右下。湾の向こうにはマウナケア山が見えます)。

以上の話は、ご存知のように自著に何度も書いておりまして(1冊目にも3、4冊目にも。何度もスミマセン)。が! よく考えてみれば、このくだり、出雲の国引き神話とよく似ていますね。出雲の国を作った神が、狭い出雲に他の土地をくっつけ、もっと大きくしようとしたという…。

出雲では実際に数カ所の土地を引っ張ってくることに成功し、出雲が大きく広がったのでした。

…こうなると、マウイも怪力の男たちに島を引かせるのではなく、出雲の神のように、自分で引っ張ってくればよかったですよね。そうすれば今頃、ハワイ島とマウイ島は地続きだったのカモ。

もしかしたら世にも壮大なこのような神話の中にも、「大切なことは人任せにするな」という、教訓が含まれているのでしょうか。無理やり結論づけますが…。
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オレンジのハウの花、見つけました!

2022年01月20日 | 神話・伝説


先週末出かけたアラモアナビーチでは、オレンジ色のハウの花を見つけました。

こちらに書いたように、クムフラのフランク・ヒューエットさんから、黄色→オレンジ→赤に色を変えるハウの花は、女神ハウメアの化身であると聞いたのですよね。

それ以来、黄色や赤のハウは見つけたのですが、このほどオレンジ色の花をやっと見つけた次第です。下に落ちていたオレンジの花、なにやらまだ老いる前に死んでしまった熟年の女性のように見えて…。

鮮やかな黄色の花が元気いっぱいの人生の盛り、赤は人生を終えた老齢の花、でもオレンジの花は何やら張りもあって、人生半ばで亡くなった女性のような印象を受けてしまいました。

…では今の私をハウの花に例えると、いったい何色なのでしょうね。黄色でないのは確か。ではオレンジ? 赤?

まだまだ、今世でやり終えてないことがあれこれ、たくさんあるのは確かです。
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「日本沈没」に見るハワイ神話の世界

2022年01月15日 | 神話・伝説


日本ではとっくに放映された、TBSの「日本沈没 希望のひと」。私もネットフリックスで見ました! テレビは元来、あまり見ないのですが、「日本沈没」は夢中になって見てしまいました~。

原作からは大きくアレンジされているけれど、地球の温暖化といい世界規模のパンデミックといい、物語の舞台を現代に移しての見事なストーリー作りでしたね。役者さん方も素晴らしかったです。

(以下、最終回についてはネタバレになりますので、これから見ようという方はご注意くださいね)

特に最終回は手に汗を握る展開で…。ちと飛ばし過ぎのきらいはありましたが、なんともナイスな終了の仕方に拍手! ポジティブかつ幸せな気持ちで見終えることができました。

それにしても本州が割れる、沈むという描写は、アトランティス大陸の最後もかくや、という描写でしたね。こういった現象は、アトランティスほど急激にではないにしても、何十万年、何百万年単位では実際に世界で起こってきたわけで。

ハワイに関して言えば、100万年前、マウイ島やモロカイ島、ラナイ島、カホオラヴェ島は一つだったのが、時の経過ともに4つの島に分かれたことがわかっています。なのでこの4島を、今もマウイ・ヌイ(大マウイ)と呼んだりするのですよね。

「日本沈没」の最終回ではこうした大陸規模の大変革を一気に見せられたので、私にとっては神話世界を感じるものがありました。

たとえばハワイ神話の、半神マウイの島釣りの話。マウイは海底から大陸を釣り上げたけれど、カヌーが揺れたため海に落とし、大陸が割れてハワイの島々になったのですよね。

…それにしても。こんなスケールの大きな小説を、50年近く前に書いた小松左京さん。本当にすごい方ですよね。思わず、日本から原作も取り寄せました!
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続・木材屋さんで学んだ神話の背景

2021年12月23日 | 神話・伝説


昨日の木材や植物によるアレルギーですが、そういえばアナフィラキシーショックの原因の一つに、ラテックス(天然ゴム)があるそうですね。ゴムノキから抽出される成分で、そんな重篤なアレルギーが出るなんて、ちょっと驚きました。

で、少し勉強すると、ラテックスアレルギーがある人の多くは、バナナやマンゴー、キーウィ、パパイヤ、アボガドなどのフルーツにも反応する人が多いとか。

無知な私は知らなかったのですが、ピーナツや小麦などと同様、こういうフルーツでアナフィラキシーショックを起こす人もいるという…。フルーツ、(実は)恐るべし! です。

そうなると増々、ハワイ神話の中での「木を切って死ぬ」「毒を持つ神像」のような記述が、現実味を帯びてくるといいますか。特殊な木だけでなく、バナナがアナフィラキシーを誘発することがあるなんて!

これからも、こういう神話の背景まで考えながら、神話を読み解いていきたいと思います。
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