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森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

木材屋さんで学んだ神話の背景

2021年12月22日 | 神話・伝説


去年のこと、ビショップ博物館で見た毒の神の像について、いろいろ書いたことがありました(こちらです)。

その中で、毒の神については以下のようなことを書いています。

「中でも恐れられていたのが、カライパホアという毒の神。遠い昔、同じ名の木に毒の神のスピリットがのり移ったとか。その結果、その木は、木の上を飛ぶ鳥は死に、枝の落ちた泉の水を飲んだ人々は死ぬというほどの、強力な毒のパワーを持つ木になったという伝説があります」

…ほかにもハワイ神話には、木にまつわる不思議な話がたくさんありますよね。たとえば、木を切ろうと試みた男たちが次々死んだ話とか(ワケアとパパという神々がパンノキに入り込み、土地の酋長がその木を切らせようとしたのですが、切ろうとした男たちが死んでしまったのですね)。

上記のような話の数々、まさに神話的な話だ~と思っていたのですが、先週、仕事で木材屋さんを訪問する機会がありまして。いろいろお話を聞くうち、「毒のパワーを持つ木」「木を切った男が死ぬ」というのは、もしかして実話を元に作られた話なのかも? と思うようになりました。

(それはパンノキではないのですが)木材屋さんによれば、木の中には強い毒性を持つものが実際あるそうです。たとえばシルキーオークとか…。シルキーオークは、切るにも加工するにも気をつけないといけないよう。

またリリウオカラニ女王の愛したクラウンフラワーの樹液にも、強い毒があるそう。クラウンフラワーに群がる蝶、モナークバタフライも、結果として強い毒を持っているのですって。

さらに木の種類に限らず、木についているカビや菌がアレルギーを誘発することもあるそうです。そういった木を切るうち、「場合によっては喉が詰まったりして、病院に担ぎ込まれることもあるだろうね」と、木材屋さん。木の粉が粉塵のように舞ったり、樹液が飛んだりすることはいくらでもあるでしょうからね。

もちろん大昔のハワイでは救急車も呼べなければ、エピペンを打って危機一髪、アレルギー症状を中和する、なんてこともできなかったわけで。そのまま喉を押さえて死んでしまうことも、あったかもしれませんよね。そんなことから、毒の神の神話や、木を切って死ぬ…のようなシーンが生まれたのかもしれません。

…今までファンタジーだと思っていた聞いていた神話も、そんな木材屋さんのディープな話を聞くことで、とたんに現実味を浴びて迫ってきた気がしています。

このように、ハワイで暮らすうち、歴史だけではなく神話についてもハッとする気づきの瞬間がたびたびあり…。それこそが、私が神話をこよなく愛する理由の根底にあるのかもしれません。神話ってエキサイティング! 

本もいいけれど、実地の勉強も大切だな~と感じた、木材屋さんでの一件でした。
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メネフネの碑@カイムキ

2021年12月02日 | 神話・伝説


昨日はカハラの帰りに、カイムキにも寄ってきました(久々のカイムキ、というタイトルは避けました~)。

12thアベニューの周辺には様々なショップ&レストランが点在していますが、もう一つ。小さな岩にはめられたプレートにも、ぜひ注目くださいね。

それはカイムキという地名の由来について伝えたもので、「カイムキ=カ・イム・キー=ティーリーフの釜戸」だと説明しれいます。カはザ、イムはハワイアンの石焼きの釜戸(穴を掘って石を敷き詰めて熱する、地中の釜戸。よくルアウなどで豚の丸焼きを作る、あれですね)、そしてキーはティーリーフのことです。

伝承によればこの地にメネフネが造ったイムがあり、ティーリーフの根を調理したからとか。ティーリーフの根は飢餓食でもあったし、昔はアルコールを作る素材でもありました。

また、それがティーリーフを使って調理する類いのイムだったから、ティーリーフの釜戸と呼ばれた。そんな説もありますよ。

ともあれ、カイムキ訪問の際は、この碑をぜひ見つけてみてくださいね。小さくてわかりづらいですが、12thアベニューの駐車場入り口に鎮座しています。
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赤いハウの花、見つけました!

2021年11月30日 | 神話・伝説


昨日のワイキキ散歩から、引っ張ってしまってゴメンナサイ。

タイトルに書いたとおり、昨日の「探していた花」とは、赤いハウの花でした。こちらで書いたように、クムフラのフランク・ヒューエットさんに伺った、黄色→オレンジ→赤に変色するというハウの花を、ここのところ探していたのですね。

ワイキキにはハウの木がたくさんあり、昨日の朝8時頃には、海辺の木の下にたくさん、赤い花が落ちていました。少しですが、木に咲く赤い花も見かけました。





どうやらハウの花はその生涯の最後にオレンジから赤に変色し、開いたままポトッと木から落ちるよう。一方、ハイビスカスの花は閉じてから落ちるので、ちと違いますね。勉強になりました。

さてここで急に話が変わりますが、昨夜はなぜか悪夢を3つも見てしまいました! 急に昨夜から寒くなったせいか、はたまたオミクロン株の心配なニュースを聞いたせいなのか。よくわかりませんが…。

せっかく日本ーハワイ間が近づいてきたような気がしていたのに、ここに来てまたも日本入国のハードルが上がってしまいましたね。私も女神ハウメアのように自由に若返る力を持っていればいいのですが、そうもいきません…。ここで2年間、日本訪問もできずに足踏みしているのは歯がゆいばかりです。

な~んて、暗くなっていても仕方ありませんね!(失礼しました) 明日は何か、明るいニュースがもたらされますように!


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久々に訪れたクナヴァイの泉

2021年11月27日 | 神話・伝説


感謝祭から一夜明けて、今日はブラックフライデー。クリスマス商戦の幕開け、そしてこの日はビックリするほど安売りの目玉商品を用意する店も多いため、アメリカでは買い物に走る人が多いですよね。

ですが、我が家のブラックフライデーは静かでした。何となく、先週のうちにブラックフライデーの買い物を済ませてしまいましたからね。それについては、こちらに紹介しています。

なので私は今朝、ゆっくりとヌウアヌ方面にウォーキング。途中、神話の舞台でもある「クナヴァイの泉」にも寄り、よい「気」をたっぷりいただいてきましたよ~。

クナヴァイの泉は、金色の雲の女神ケアロメレメレの物語にも登場する有名な泉です。ケアロメレメレの高貴な兄の沐浴場であり、兄以外が泉に浸かることはタブーだったそう。

泉には癒しのマナがこもるともいわれ、泉の案内板によると、かつて泉の底にたまる泥に癒しの力があると信じられていたとか。また水辺を守るオオトカゲの半神、モオがこの泉を守っていたともいわれます



こうして、家からちょっと歩くと神話の舞台や不思議な言い伝えの地にぶつかるハワイって…本当に神秘の島ですよね。

泉には今も清水がたっぷり湧き出ていて、鴨の親子がのんびりくつろいでいました。
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女神ハウメアの化身、こちらです

2021年11月22日 | 神話・伝説


今日のホノルルは快晴! いつものように、アラモアナビーチを歩いてきました。水も透明で美しかったです

さて、先日、女神ハウメアの化身である花、ハウについて書いた時(こちらです)、実物をお見せできなくて失礼しました!

今日、アラモアナビーチパークで見かけましたので、写真を撮ってきました~。



公園にはミロの木は多いのですが、前回、ハウの木が見つけられませんでした。ミロとハウの花はとても似ていて(同じアオイ科だそうです。ハイビスカスも!)、でもミロの花は半開きというか閉じている感じなのです。一方、ハウの花は、ご覧のようにパカーンと開花しています。

ヒューエットさんのおっしゃったようなオレンジ&赤の花を探しましたが、今日見たのは鮮やかな黄色の花だけでした。

もし見つけたら、こちらでシェアしますね!
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