「日本沈没」の回で、半神マウイが釣った獲物(海底=大陸)を海に落として粉々に割れたことにより、ハワイは大陸ではなく島々になった…という話を書きました。
実はその後、自分の行いを悔いて、島々を引き寄せて一つにまとめようとしマウイ。ハワイアンがカヌーを一生懸命漕いで、時間をかけて島間を移動しているのを見たからです。
まずはマウイ島に魔法の釣り針とロープを引っかけて、ハワイ島に持ってこようと画策。大男たちにカヌーで引っ張らせたところ、もうちょっと、というところでロープが切れ、マウイ島は元の場所に戻っていきました。男の一人が言いつけを破って振り返ったため、魔法が解けたからです。
その結果、釣り針のかかっていた島の先端だけがハワイ島の海に残り、それがヒロ湾に浮かぶココナッツアイランドとか(上の写真の右下。湾の向こうにはマウナケア山が見えます)。
以上の話は、ご存知のように自著に何度も書いておりまして(1冊目にも3、4冊目にも。何度もスミマセン)。が! よく考えてみれば、このくだり、出雲の国引き神話とよく似ていますね。出雲の国を作った神が、狭い出雲に他の土地をくっつけ、もっと大きくしようとしたという…。
出雲では実際に数カ所の土地を引っ張ってくることに成功し、出雲が大きく広がったのでした。
…こうなると、マウイも怪力の男たちに島を引かせるのではなく、出雲の神のように、自分で引っ張ってくればよかったですよね。そうすれば今頃、ハワイ島とマウイ島は地続きだったのカモ。
もしかしたら世にも壮大なこのような神話の中にも、「大切なことは人任せにするな」という、教訓が含まれているのでしょうか。無理やり結論づけますが…。