里の家ファーム

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「ホームレス農園」 野菜と人を育てる農業で命をつなぐ

2020年10月27日 | 本と雑誌

 今朝、ラジオ体操の後の「三宅民夫のマイアサ」で「ホームレス農園」の小島希世子社長へのインタビューがあった。わたしがやりたかったことで興味を持ったので調べてみました。


えと菜園・小島希世子社長インタビュー

顧客リピート率9割の「ホームレス農園」 野菜と人を育てる農業で命をつなぐ

https://wotopi.jp/archives/33829

今一生 2016/01/27

神奈川県藤沢市に、「ホームレス農園」と呼ばれているユニークな農園がある。

株式会社えと菜園の女性社長・小島希世子(おじま・きよこ)さんが、「ホームレスを農家に」を合言葉に貧困問題と農業の人出不足を同時解決しようとしている場所だ。

小島さんは、熊本県生まれ。牛と暮らしている近所の農家を見て育ったが、実家は農家ではなかった。農家に憧れていた彼女は、産直の会社で働いた後、熊本県で無肥料・農薬不使用栽培・オーガニック栽培に取り組む農家と契約。2006年に熊本産の農産品を売るオンラインショップ(現・えと菜園)を運営し始め、その利益を元手に2009年に法人化した。

えと菜園より

オンラインショップでは、オーガニック小麦を使用し、防腐剤・牛乳・卵・バターは使わないで作ったベーグル、オーガニック雑穀、化学添加物が無添加のハム・ベーコンなど安全性にこだわり抜いたものが並び、「お客さんのリピート率は9割」という。

それらや自身で栽培した野菜は藤沢に設けた直売所「くまもと湘南館」でも販売し、スーパーにも卸しているが、農協には卸していない。食卓と生産現場との距離があまりに遠くなってしまった今日、自分たちがどんな場所で誰がどのように食べ物を作っているかを伝え、生産者と消費者をダイレクトにつなげたいという思いがあるからだ。

「私たちの農家直送の通販や直売所以外では、お客さんが歩いて来られる範囲のスーパーにしか、うちの商品は置いてないんです。生産者と消費者を近づけることにこだわり、絆を育てたいので。よのなかには製品にするまで捨てられる野菜があるけど、うちでは『規格外』も関係なしに無駄なくお客さんに選んでもらいます。根っこも葉っぱもついたままの姿を見てほしいので、なるべく落とさずに出荷してます。二股に育った人参でも売れますし、スーパーの方も理解してくれています」(小島さん)

消費者と生産者を近づける意味でも、消費者が生産現場の実情を知ったり、自分の手で野菜を作れる機会が必要になる。そこで、えと菜園では湘南藤沢と横浜片倉の2箇所で「体験農園コトモファーム」を運営している。

小島さん自身も野菜をそこで作っているが、毎週日曜は一般市民向けに野菜作り体験教室を開催。収穫まで技術指導をするが、「肥料や農薬を一切使わず、土と水と空気と太陽だけ」で作物を育てているという。

横浜の小さな市民農園を借りて始めた家庭菜園塾を始めた2008年当初、小島さんは平日に畑の世話をしてくれる人員の不足に悩んでいた。そこで、ホームレス支援団体に声をかけると、働く意欲が高く体力もある人材が路上にたくさん埋もれていることを知らされた。

小島さん自身が書いた本『ホームレス農園 命をつなぐ「農」を作る! 若き女性起業家の挑戦』(河出書房新社)に、こう書かれている。

「ホームレスにはもともと工事現場などで働いていた経験を持つ人が多く、肉体労働向きの体をしている人が多い。体の使い方が上手で、農作業も難なくこなす。また、畑の草や小径木を刈る刈払機など機械の使い方にも詳しくて、即戦力になる」(小島さん)

こうしてホームレスと一緒に農作業を経験した小島さんは、人出不足の農業に働きたくても職がない人をつなげられるという思いを強くした。そして、2013年にNPO法人 農スクールを創設し、生活保護の受給者や障がい者、ニートなどに就労・就農の機会を作り出す試みを始めた。

「農業したい方でも、『パートから』という人もいるので、それぞれの意向に合った農家につないでいます。農家にはムラ社会的なところが残っていて、人材派遣会社からの紹介には抵抗を感じている方も多いのですが、私の紹介なら受け入れてくれます」(小島さん)

農スクールでは、3ヶ月を1ターンとして約1年間の農作業に週1回携わる。1回のプログラムには6~12名ほど参加するが、これまでに60名ほどが参加した。そのうち20名が就職し、農業にも5名が働けるようになった。就労支援としては短期間でかなり良い成果を出しているが、農作業にある固有の魅力がその一因のようだ。

「畑って開放感もあるし、居心地いいんです。半年も一緒にいれば、お互いに性格がわかってきます。最初は農作業が終わるとすぐに帰っていたのが、だんだん話すようになる。最後はみんなで育てた野菜を使ってバーベキューをやるんですが、みんな楽しそう。笑うようになるし、全然しゃべらなかった子が穴掘りを『すごいね』とほめたら自ら質問するようにもなりました。化ける人は化けるんです。20~30代の離職者も来るんですが、ホームレスと話してるうちに『自分だけが世界で一番苦しい人と思ってた。でも、自分より苦しい状況の人が頑張っていることを知って、俺もまだ頑張れる』と思えたとか。

高学歴の子も畑に来るんですが、ホームレスがこう言ったんです。『東大生が俺に野菜作りについて聞いてくるんですよ。東大生も分からないことは分からないんだって思った』って(笑)。農業に職歴や学歴は関係ありませんからね。それと、何人かに言われたのは、『小島さんを見てると適当でいいんだなと安心する』って。確かに私は段取りが悪かったり、天気が良いからと予定を平気で変更しますから(笑)」(小島さん)

自分が世話しないと美味しくなれない野菜が、目の前にある。働く意味がそこにある。農業がもつこのシンプルな魅力に気づくことは、きっと誰にでもできることなのだ。

*     ⋆     *

ホームレス農園―命をつなぐ「農」を作る! 若き女性起業家の挑戦

https://kuramaetrack.com/2015/11/17/post-9345/

2015.11.17

「格差」や「貧困」など労働や生活における悪い話題が絶えない。しかしその話題に風穴を開けるがごとく「ホームレスをファーマーに!」のもとで貧困問題を農業でもって解決していこうとする方が存在している。本書はそれを行っている団体がどのような形で設立し、活動していったのか、そのことについて取り上げている。

第1章「藤沢市にはホームレスが輝く農園がある」

どのような団体なのかというと「農スクール」という所にあり、本部は神奈川県藤沢市の田園地帯にある。著者も団体の長の仕事をしながら毎日農作業に勤しんでいる。またそこにはホームレスの方はもちろんのこと、ニートなど現代社会にて働くことが難しい、あるいはできない方々に対して農業を通じて職業支援を行っている。またなぜそういう方々に対して就農を支援しているのか、その理由についても統計とともに取り上げている。

第2章「私が「農」を始めたワケ」

元々著者も農村の出身だったのだが、著者は農家ではなかった。両親共々教師だったという。そのこともあって農家への思いが募ってきたが、他にもある映像がきっかけで思いが強くなった。しかし本当に農業に携わるまで紆余曲折があった。

第3章「農業界とホームレスをつなげる」

また、ホームレスに対する接し方にもショックを受けたことにより、「農業」と「ホームレス」をどのように結びつけるのかを考え続けた。そうして小さな市民農園を借りて塾をスタートした。その中でホームレスを雇うことにしたのだが、周囲の反対意見も相次いだ。しかしその反対意見を押しのけつつ、ホームレスを支援するボランティア団体と掛け合ってホームレスを雇うことができた。またその中で、あまりにも厳し過ぎるホームレスの現状を知ることとなった。

第4章「生活保護のほうが“マシ”?農業研修に新たな壁」

しかも厳しい現実を突きつけられたのはホームレスだけではない。現場でも生活保護受給者を雇うことになったのだが、本章のタイトルにある「壁」に遭遇することとなったという。またニートの現状にしても「働きたくない」というよりも「働き方が分からない」というほど、内面的な事情があったという。

第5章「就農第1号誕生!そして見えてきた次の課題」

元ホームレスが農業研修を通じて、ついに農家への道を歩むこととなった。その中でもう一つの課題があった。そもそも今ある日本の「農家」としての現状がある。もっと言うと新しく農家になる人と従来の農家との大きな「溝」が浮き彫りとなったことにある。本章の所を見るに当たり、農業衰退の本質が映し出しているような気がしてならなかった。

第6章「「ホームレス農園」は今、さらなるステージへ」

ホームレス(・ニート・生活保護受給者)から農業研修へ、そして農家へのプロセスは現在著者が運営している「農スクール」で行われている。もちろん農家を育成するだけではなく、新たな農家を育てるための講師として活動する、農スクールの中で収穫した農作物を販売するなどの仕組みを本章にて紹介している。

農業にしても労働にしても、日本には様々な問題を抱えている。それを打開すべく著者は「農スクール」を設立し、農業・労働双方の観点から支援を行い、新しい農家を育成している。日本が抱えている問題をこれで解決するかどうかと聞かれると一筋縄ではないか無いのだが、解決する一つの「解」が本書にて出ていると言える。


わたしなら「こもりびと農園」かな?
「ボッチ老人」や「家出少年少女」の緊急避難所、ウツの社会復帰などいろんなことができる「居場所」を作りたかった。
でも、もう体力無いなぁ・・・
こもりびと出身の若い力を貸してくれる人がいたらなぁ・・・

以前紹介したキノコ、どうやらヤナギタケのようです。

というわけで今晩のおかずに食べました。



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1 コメント

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心を打つ (hanayukiay)
2020-11-04 16:12:00
とてもいいアイデアだと思います。農業は自然と触れ合うところも多いのでしょうから、社会との関係に疲れて傷つけられた人々の自然治癒を行いながら自立や自助を援助できる。そして日本の農業の未来が明るくなればいいですね。

清々しく心を打ちました。

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