菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

三度目の笑撃。 『犯罪都市 NO WAY OUT』

2024年02月25日 00時00分55秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2312回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

 


『犯罪都市 NO WAY OUT』

 

 

剛腕刑事ソクトが汚職刑事×日本ヤクザを拳一つでぶっ飛ばしていくクライム・コメディ・アクション。

 

犯罪都市 NO WAY OUT : 作品情報 - 映画.com

 

 

原題は、『범죄도시3』
『犯罪都市3』。

英語題は、『THE ROUND UP:NO WAY OUT』。
『検挙:出口なし』。

 

 

製作年:2023
製作国:韓国
上映時間:105分
映倫:PG12


配給:ツイン

 

 

主演は、『エターナルズ』『新感染 ファイナル・エクスプレス』のマ・ドンソク。
共演は、『ゴジラー1.0』の青木崇高、『神と共に』シリーズのイ・ジュニョク、『キル・ビルvol.1』『哭声/コクソン』の國村隼が顔をそろえる。

監督は、『犯罪都市 THE ROUND UP』に続きイ・サンヨン。

2023年の第44回 青龍映画賞にて、韓国映画最高興行賞を受賞。

 

 

 

物語。

2015年の韓国ソウル。
ベトナム潜伏凶悪犯検挙から7年、怪物刑事マ・ソクトは、衿川署からソウル広域捜査隊に異動となっていた。
転落死事件が起き、新種の合成麻薬ハイパーと日本ヤクザが関わっている、という情報をつかむ。

日本ヤクザの麻薬の横流しで稼ぐ汚職刑事チュ・ソンチョルらは中国マフィアへ麻薬ハイパーを売る交渉を始めていた。
日本ヤクザの一条親分はソン・チョルと組んだ造反組員たちを処理するため、殺し屋リキのチームをソウルへ送り込む。

 

 

スタッフ。

PD:キム・ギョンテク
制作者:マ・ドンソク(ビッグパンチ・エンターテインメント)、キム・ホンベク、チャン・ウォンソク (P.G.K)
監督:イ・サンヨン
脚本:キム・ミンソン、チャ・ウジン
脚色:マ・ドンソク、イ・サンヨン
助監督:オ・チョンイル
撮影:イ・ヒョン
照明:イ・スンホ(3500K)
美術:パン・ギルソン(ミヨアートクルー)
武術:ホ・ミョンヘン、ユン・ソンミン(ソウルアクションスクール)

編集:キム・ソンミン
音楽:モク・ヨンジン

 

 

出演。

マ・ドンソク   (マ・ソクト/広域捜査隊刑事)
イ・ジュニョク   (チュ・ソンチョル/麻薬班班長刑事)
青木崇高      (リキ/一条組の殺し屋)

イ・ボムス     (チャン・テス/広域捜査隊隊長刑事)
キム・ミンジェ   (キム・マンジェ/広域捜査隊同僚刑事)
イ・ジフン     (ヤン・ジョンス/麻薬班刑事)
キム・ドゴン    (チョン・タウィ)
コ・ギュピル    (ヒョロン/情報屋)
チョン・ソッコ   (キム・ヤンホ)
ハン・ギュウォン  (キム・ヨングク)
チェ・ウジュン   (イ・ガンホ)
チェ・ドング    (ファン・ドング)
イ・セホ      (コン・テイル)

アン・セホ     (トモ)
カン・ユン     (ヒロシ)
イ・テギュ     (マサ)
ホン・ジュニョン  (マッハ)
チェ・グァンジェ  (イ・サンチョル)
リュ・ソンヒョン  (チョン・ギョンシク/麻薬班班長刑事)
ペ・ヌリ      (ミミ)
コ・ゴナン     (スピード)
ユ・イニョク    (キャンディ)
シン・ヒョニョン  (チャ・ドンムン)
シム・ヨンウン   (チン会長)
キム・ギホ     (ペク社長)
キム・ウォンギョン (トモの部下1)
パク・サンウォン  (トモの部下2)
コン・デユ     (トモの部下3)
パク・チュニョク  (トモの部下4)
コン・ギョンベ   (リキの部下1)
キム・ミン     (リキの部下2)
チェ・ウォンソク  (リキの部下3)
ソン・イウ     (チョン社長)
チュ・ヒョク    (暴力団弟)
チョン・アヒ    (解剖検査医)
ソン・ジヨン    (コ・ソニ)
ハン・ダヒ     (パク・チナ)
チャ・ジェヒョン  (イエロー・ヘアー)
ヨン・イェリム   (クラブ ORANGE クラブ女1)
イ・ヘジ      (クラブ ORANGE クラブ女2)
パク・サンナム   (クラブ ORANGE MD)
イ・ジェソン    (クラブ ORANGE 暴力団ボディーガード1)
イ・ジェヒョク   (クラブ ORANGE 暴力団ボディーガード2)
ソ・ムノ      (マスデ1)
ハン・ギジャン   (マスデ2)
ソン・イニョン   (タクシー 運転手)
チョン・ミヒョン  (タクシー 女性お客さん)
チェ・チュンボム  (警備員)
イ・ジナン     (入れ墨男1)
キム・テユン    (入れ墨男2)
ペク・ナムジュン  (入れ墨男3)
パク・テサン    (入れ墨男4)
イ・チュング    (新婚夫婦 夫)
パク・ヘヨン    (新婚夫婦 妻)
キム・ソウォン   (ヒョロンのガールフレンド)
カン・ヒジェ    (クラブ CYBER ボディーガード ヤクザ)
カン・ハンビョル  (ヨット通訳 ヤクザ)
ホン・イジュ    (イ・サンチョルのガールフレンド)
ペ・ソヨン     (イ・サンチョルの女性後輩)
ソ・ヨンジン    (クラブ ORANGE 職員1)
ソン・テオ     (クラブ ORANGE 職員2)
ナム・ジウ     (クラブ ORANGE キャンディファミリー1)
シン・ヘソン    (クラブ ORANGE キャンディファミリー2)
チュ・イェウン   (クラブ ORANGE キャンディファミリー3)
チャン・スンウン  (クラブ ORANGE ダンサー)
チェ・ゴニ     (鑑識班1)
イ・ジョンファン  (鑑識班2)
シム・ハヌリ    (一条会長 通訳)
キム・リウ     (一条会長 部下/日本人 声6)
チャン・ヨンヒ   (チン会長 通訳)

國村 隼     (一条会長)
      

 

 

『犯罪都市 NO WAY OUT』を観賞。
2015年韓国ソウル、剛腕刑事が汚職刑事×日本ヤクザを拳一つでぶっ飛ばしていくクライム・コメディ・アクション。
マ・ドンソク主演による大人気『犯罪都市』シリーズの第3弾。
「3からでも大丈夫ですよ」って感じの舵取りをしている。
古巣を離れて、ソウルの真ん中に異動してる辺りで、『2』のキャラから切り離して、強烈刑事キャラのマ・ソクトのネタを新鮮にしようとしている。
『2』が大ヒットになり、シリーズが巨大になっちゃったからなぁ。今作も大ヒットして、すでに『4』が製作中で韓国では今年公開予定だったりします。
そんで、話を拡げて、敵を増やして、キャラを多様にしつつも特性を絞って、バイオレンス抑え目、悲劇要素薄め、コメディ要素を大幅投入。
軽みと楽しさアップで、大作シリーズものを見に来たなぁという気分を裏切らない。
ただ、拡げた割りに話自体は、ややどっかで見たような韓国ノワールの要素に収まっており、そこを剛腕で色を変えている。話が簡単なのを、登場人物多数でしかも技が薄いので、脇キャラを消費になっていて、なんというか、大作映画作りのそのままが反映されているような感じも。(人物さばきは12名程度の『THE WILD 修羅の拳』ではうまくやっている)
なにしろ、メイン2、准メイン5、サブ10の17人が100分で入り混じるのですから。
このシリーズの強みは恋愛要素と女性要素の極端な薄さで、対決と仲間の関係に集中できるのよね。
コメディ要素も状況とキャラ個性で教えてくるんドえ、ベタなんだけど、シリーズの色から外れないので、世界観上OKに抑えている。バイオレンスも行為は激しいけど、あまり見せないことと音を強調することでエッセンスは残して、やんわりにしている。
敵の凶悪さが薄れたのがシリーズの色を損なってはいるのが少々寂し。
なにより、撮影がだいぶテレビ寄りで、説明的で見やすいけど、パワーが落ちたのも残念。
ゴジラとマ・ドンソクという怪物を相手にした青木崇高を代表に、日本人の役も日本語も多いのですが、日本語も邪魔になることもなくしっかりとしゃべられますので、ちゃんと映画の味になってます。
イ・ジュニョクの汚職刑事も、どうしても無能にされがちな韓国警察をちゃんと描きたいという意図があった『1』の意図を反転させて、クレバーな強敵として描いてもいるのかしらね。『1』『2』は強烈な野性的な相手ばかりだったから。
英語もよくわからなくて賢いふりをするソクト刑事との対比もネタにしているしね。(マ・ドンソクが英語ペラペラなのもスパイスにしている)
一貫して、敵味方共に仕事仲間の関係だけに絞ってるのも好みです。
楽しかったけど、『2』までのハードさを求める自分がいる。『4』は監督も変わるので、そこが戻ることを期待もしておきたい。単純なネタではあるので擦り切れやすいのも確かなので。
『1』はストーリーがよかった上にキャラが立っていて、『2』はキャラの個性を立てまくったので、その延長線上でキャラを一新してバラエティにしたのはわかるのだけど。
スーパー刑事になっちゃったしね。
はたして、『4』ではどうなるのか。
とはいえ、マ・ソクトは愛されキャラ度が上がってるわりに、傍若無人さは失われてないし、結構きわどいネタも多くて、攻める姿勢を捨ててないのはかなり好感。
シリーズ大作にはお祭り感も大事よね。
重量級キャラを軽く三の線で描く一本。




 

 

 

<犯罪都市>シリーズ。
『犯罪都市』(2017)(監督:カン・ユンソン)
『犯罪都市 THE ROUND UP』(2022)(監督:イ・サンヨン)
『犯罪都市 NO WAY OUT』(2023)(監督:イ・サンヨン)
『犯罪都市4 THE ROUND UP : Punishment』(原題)(2024)(監督:ホ・ミョンヘン)

 

マ・ドンソク&青木崇高ら出演「犯罪都市 NO WAY OUT」スペインの映画祭で最優秀観客賞に!同シリーズで2年連続の受賞(Kstyle) -  Yahoo!ニュース

 

 

 

 

 

ネタバレ。

3つ巴の陰謀戦は、日本では同時期公開『THE WILD 修羅の拳』も似た要素(麻薬売買ギャングと汚職刑事と剛腕ボクサー)だったりする。

 

 

追加クレジット。
パク・チファン (チャン・イス)

ポストクレジットで、『4』につながるネタが投入されます。

 

脚本がかなり雑よね。
チュ・ソンチョルも冒頭で、仲間の刑事を撲殺することで、凶悪さは出しているのだが、刑事であるので以後あんま出てこないのよね。
中国マフィアもタコ殴りにするけど、相手の強さがよくわからないし。
あんな暴力交渉できちゃうのもなぁ。
トモとヒロシとマサも一応ヒゲとかでキャラ分けしているけど、人物描き分け力の弱さが露呈しちゃった。

 

 

 

 

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