菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

出口はどっちだ!?    『パブロフの犬ども』

2006年10月06日 00時38分28秒 | 萬画
かなーり、久々のマンガ紹介です。



『パブロフの犬ども』全一巻  六田登  講談社 

いつもの長編の魅力とはまた違った、軽い小品ならではの作品で、お気に入りの一品です。


漫画家・六田登氏が、ある日、起きたら、犬になってしまう。
一話完結形式で、毎回、同じように犬になってしまう人々との出会いが描かれ、なぜ犬になるのか問うていく。

タイトルにもある、“パブロフの犬”は、条件反射の代名詞でもあるが、この物語の扱ってる根幹の問題は、その条件反射ではない。
その実験をしたイバン・ペドロヴィッチ・パブロフ博士の、犬の条件反射への反応の、その次の段階の実験結果を問題の中心に置いてるのよね。

カフカの『変身』の換骨奪胎しているのだが、それだけに終わらず、現代の日本社会の抱える問題と哲学的テーマが軽やかに描写されてます。


お見掛けしたら、軽く手にとってもらえたら、幸いでオマス。



さて、おいら、六田登作品は9割は所蔵しています。
でも、『手紙』と『あばれ大海』を所蔵してないのよね。
この方、多作であるので、もう何冊か知らない作品があるかもしれないのよね。たしか絵本があった気がするのよね。
いつか、コンプリートしたいと思っております。







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