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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

先なのに露払い扱い。 『恐怖の足跡 ビギニング』 (鑑賞の追記あり)

2015年01月22日 00時00分02秒 | 死ぬ前に観れるか?

【死ぬまでに観れるか?】第166回は、『恐怖の足跡 ビギニング』(1955)



原題は、『DEMENTIA』、『DAUGHTER OF HORROR』。

『ディメンシャ』は『認知症』と『記憶混濁』みたいなことを意味するそう。

 


上映時間:54分
製作国:アメリカ



スタッフ。
監督:ジョン・パーカー
製作:ジョン・パーカー
脚本:ジョン・パーカー
撮影:ウィリアム・C・トンプソン
音楽:ジョージ・アンセイル

 

出演。
エイドリアン・バレット
ブルーノ・ヴェソタ
ベン・ローズマン
リチャード・バロン
エド・ヒンクル
ルシル・ローランド
エド・マクマホン  (ナレーション)


物語。
悪夢から覚めた女は夜の街を放浪する。
しかし、それは狂気と現実の垣根を越える危険な旅の始まりだった。
アパートには子供が座り込み、DVを受けた女が警官を呼び、泣き叫ぶ。
それを横目に外に出ると、刺殺を報じる新聞。
思わず、笑みを浮かべる。そんな彼女をを酔っぱらいが襲う。
すぐに近くにいた男がその酔っぱらいを助けようと殴りつける。
しかも過剰な暴力はその酔っぱらいにひたすら注がれる。
それを見て女は笑いが止まらず、上機嫌。
勢いに身を任せ、キザな男の言うまま、太った大富豪と夜の街をデートする。
彼女は男の車の中で幼い頃の記録を垣間みる。
それはセックス、暴力、殺人に溢れた忌まわしい記憶の数々だった・・・。

 

 

 

 



解説によると。

興行主の息子であるジョン・パーカーが制作した唯一の作品。
究極のカルト作品である。
彼のその素性はあまり知られていないが、映画館の館長の息子で、幼い頃から映画好きだったと言われている。
しかし、本作の不振からなのか、この後は作品を撮っていない。
ただ、その見事なまでの映像美と演出は今も語り草となっている。
また、監督の才気に関わらず、その後、作品を撮っていない事やサイレント的演出から『恐怖の足跡』(1961)と比較される事が多いが、本作の方が先に作られている。

主演のアドリーアン・バレットも、30年後に『シティ・ママVSカントリー・パパ』(1986)に出演したのみ。

だが、共演のブルーノ・ヴェソタは、『吸血怪獣ヒルゴンの猛襲』『血のバケツ』(1959)等、ロジャー・コーマン作品の出演で有名。

撮影は『プラン9・フロム・アウター・スペース』(1959)、『牢獄の罠』(1954)などのカルト作を手がけたウィリアム・C・トンプソン。



これは見たい。

 

 

 

 

 

_______________________________

鑑賞しました。

短く印象的なカットをつないでいく編集、舞台設定の飛躍、脳内をトラウマ的恐怖の墓場として映像化とした試みなど、カルトの名にふさわしい内容。

ほぼサイレントでナレーションが入るが、このナレーションのセンスがいい。

字幕の入れ方にもセンスがうかがえる。

(1955年なのでトーキーは普及している)

セリフはないが笑い声などを音楽的に聞かせている。

 

鏡の使い方やシュールさは、ドイツ表現主義、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーやヒッチコック的なエッセンスがあり、映画を研究しているのがよくわかる。

古典的技巧回帰を目指したのだろうか。

時代を考えると少々古臭いが、時代が勝ったことが現代まで語り継がれる普遍性、古いからこその恐怖を発生させているともいえる。

 

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (U・M)
2025-05-13 05:01:24
初めまして。
実は本作、スチーブ・マックィーン主演の「絶対の危機」(テレビで放映された際の
「人食いアメーバの恐怖」と言うタイトルの方が有名ですね)で、アメーバに襲われる
映画館の中で上映されてたんですよ。(所謂、劇中劇って奴ですかね)

当時はどんなタイトルかも分からず、単に「絶対の危機」のスタッフが
わざわざ演出の為に作った物だったのかなと思っていましたがまさか
ちゃんと1つの作品として存在してたとはおもいませんでした。
返信する
Unknown (Unknown)
2025-05-13 08:40:54
>U・M さんへ
>初めまして。... への返信

そうあんですねー!
ありがとうございます。
返信する

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