菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

その刀は鋼か金か。  『武士の家計簿』

2013年05月30日 00時00分01秒 | 俺は好きなんだよ!
【俺は好きなんだよ】第525回は、『武士の家計簿』(2010)


スタッフ。
監督:森田芳光
プロデューサー:元持昌之
エグゼクティブプロデューサー:飛田秀一/豊島雅郎/野田助嗣/原正人
アソシエイトプロデューサー:岩城レイ子/三沢和子
原作:磯田道史『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』(新潮新書刊)
脚本:柏田道夫
撮影:沖村志宏
美術:近藤成之
編集:川島章正
音楽:大島ミチル
照明:渡辺三雄
制作担当:砥川元宏
装飾:鎌田康男
録音:橋本文雄
助監督:増田伸弥
プロダクション統括:永井正夫


出演。
堺雅人
仲間由紀恵
松坂慶子
西村雅彦
草笛光子
伊藤祐輝
藤井美菜
大八木凱斗
嶋田久作
宮川一朗太
小木茂光
茂山千五郎
中村雅俊


物語。
江戸時代後半。御算用者として代々加賀藩に仕える猪山家。
その八代目、直之もまた幼い頃より算術を仕込まれ、そろばんの腕を磨いてきた。
そして、いつしか“そろばんバカ”と揶揄されながらもその実直な働きぶりが周囲に認められていく。
やがて、町同心の娘お駒を嫁にもらい、めでたく出世も果たした直之。
しかし昇進に伴って出費も膨らみ、家計は苦しくなる一方。
そこで直之が父母に代わり猪山家の財政状況を調べ直してみると、なんと借金の総額は年収の2倍にも膨れあがっていた。
お家存亡の危機と悟った直之は、家財一式を売り払い借金返済に充てることを決断する。
そして、自らこまかく家計簿をつけるとともに、世間体を顧みることなく創意工夫を凝らしながら倹約生活を実践していくのだった。










古書店で偶然発見された幕末のとある下級武士一家の詳細な“家計簿”を丹念に読み解き、彼らの暮らしぶりを鮮やかに甦らせた磯田道史の同名ベストセラーを、森田芳光監督が映画化。代々加賀藩の御算用者(経理係)を務める武家に生まれた主人公が、逼迫する家計を立て直し激動の時代を乗り切るべく、家業のそろばんを武器に、懸命に質素倹約に励む姿を、家族の絆を軸に描き出す。

 

時折、作られる殺陣のない時代劇。
中でも珍しい市営の人々とはいえ、侍の暮らしぶりに注目した物語。
しかも、原作は物語ではないのも面白い。
ゆえに少々、物語がささやかさとドラマチックとのバランスが悪いところが残念。
大河ドラマなどで見慣れていないわけでもないのでね。
日常の侍の暮らしに現代の日本が透けて見えるのも善し悪し。
踏み込みの甘さがある。

だが、その許さの中にある真面目ぶりにひとつの美学を見いだせなくもない。
こういうのちょっと好きなのよね。







武士の家計簿(初回限定生産2枚組) [DVD]
クリエーター情報なし
松竹


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5月28日(火)のつぶやき | トップ | 5月29日(水)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

俺は好きなんだよ!」カテゴリの最新記事