菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

ローマ浪漫。   『テルマエ・ロマエ』

2012年05月08日 00時02分13秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第296回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『テルマエ・ロマエ』







赤毛ものに足跡を刻んでいく武内英樹が、『のだめカンタービレ』で、大作コメディを確立させた系譜を書き連ねての最新作。

大作コメディという楽しみをきちんと提供してくれる。


エピソードの積み重ねで、丁寧に一話完結漫画を足早に繋ぎ、漫画的な映像の画の面白さに翻訳している。正直な笑いには好感が持てるが、悪ノリに少し冷めさせる部分もある。

ウォシュレットに感動する古代ローマ人は色彩と動き、実物の上で座っているからこそ笑いもひとしおだ。


しかし、古代ローマ人を演じているのは、日本人。
それを信じさせるには舞台設定がいる。
そこにリアリティを与えた、美術とロケーションが素晴らしく、ローマと日本を風呂でつないだ映画をきちんと日本とイタリアで撮影しているだけでも高評価。
そのセットは、海外の史劇ドラマ『ROME』のものだけに荘厳だが、ローマの風呂などは日本で作られたセットでそれにまったく負けていない。
ただ、本物の日本の味わいに対して、ローマ人の社会性や時代性を描ききれていないのは少し寂しい。
原作の方では、ローマのもつ空気感があっただけに。

空気感はけっこう重要で、漫画にはあった風呂に入って心が解けルト感じがあまりない。
意外にも、風呂の気持ちよさが感じにくい。
頭の中では、理解できているのに、体が反応しない。
『キツツキと雨』の温泉シーンには感じられたのに。
思うに、仕事の一部になりすぎているからかもしれない、
仕事の疲れをとる風呂という図がほとんどなかったからだ。
あおの何がか抜け出て行くような深い一息が見受けられなかった。
効能ばかりで、風呂に入る行為そのものを感じさせてくれなかったのだ。
最後の戦闘シーンさえ、傷を癒すために入る風呂であり、生き返るぅの感じにどこか届かない。
たしかに生き返っているのだが、義務として入るような、そんな空気がただ予定しまったのが残念。
映画における音楽のような直接感じられる力を風呂を映すだけでは伝えきれなかったなかったということかもしれない。

でも、それに値するのが笑いの力だ。
『テルマエ・ロマエ』にはそれがある。


主役は出ているだけでおかしいほどの阿部寛。
風呂そのものが主役である映画だが、温泉卵で言えば、彼やローマ人を演じる日本人キャストが黄身。
そして、上戸彩は白身だ。
ゆでたまごとオンs年卵が決定的に違うのは、あのドロドロの白身だ。
彼女がいることで、映画版は、まったく違う味わいを与えている。

脇を飾る日本人キャストの面白さは、近年の邦画でトップクラスのキャスティング。
ローマが持つ国の広さがうまく取り込めており、最初は出てくるだけで笑え、のちに馴染んでくる。
日本人側に竹内力を配することで、打ち消し効果も生まれている。


それゆえに後半、スケールアップしていけば行くほど、みすぼらしさが出てしまったのが残念。
ぬるい風呂にはた時の体が冷えて、尻すぼみした感じ。

でも、こういうのが値にイッピ音会うだけでも映画館へ行く楽しみが増えるというものです。


長休みのお気楽気分にはシンクロしてます。
こういうお気楽な気分こそがコメディが持つ味わいでもある。







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