菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

700時間の夜、夜、夜。   『30デイズ・ナイト』

2009年08月30日 00時00分41秒 | 映画(公開映画)
 
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第71回。



「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『30デイズ・ナイト』





『ハード・キャンディ』が非常に出来のいいサスペンスだったデビッド・スレイド監督作品は、雰囲気は最高。
ネタもそれをどう使う気なんだろうと興味を惹かれるコミック原作の実写化。

30日間、朝が来ない極夜を迎えるアラスカの町。
隣町までの距離は100km。交通手段は飛行機。
この極夜の間は、町民のほとんどが町を離れ、200名ほどになる。
陸の孤島にやってきたのは、凶暴な吸血鬼の集団。
彼らはこの町を何世代にも渡って、狩猟場にしてきたのだ。
そして、最後の太陽が沈んだ・・・。

吸血鬼は、獣として扱えば、人間に勝ち目は無い。
2・3匹の犬の群れにさえ、人は勝てないんだから。
そこに30もの大型獣が来たわけだ。
で、意外と弱点多く設定されてる。
太陽、十字架、にんにく、聖水・・・。
ただ、不死者なので、心臓に杭を打ち込む、首と体を切り離す、太陽を浴びせ灰にするしか、退治方法が無い。
しかも、血を吸われたら、吸われた者も吸血鬼になる。
強いけど、弱いという化け物。
しかも現代吸血鬼はキリスト教じゃなくなったのか、十字架などはほとんど効かなくなってる描写が多いけどね。


で、今回は、その上で、大型獣扱いなので、物理攻撃が非常に強力。
で、唯一で、一番の弱点である太陽が30日間出ないわけだから、そりゃもう人間は狩られるしかない。

さぁ、どうやって生き延びる?
・・・というサバイバルバリバリの話のはずが、意外とその魅力的な設定やサバイバルの部分は、あまり描写されない。

もぉ、すごく、もったいないのよね。
 
原作はヒットしたみたいだから、そういう部分あるのだろうけど、2時間にまとめる際にほとんど抜け落ちてしまったよう。
しかも、人間側も相手が吸血鬼だって分かったのに、あまりそういうことを武器に使わないのよね。
使っても、あんまり有効な使い方しないし。

雪に囲まれた町だから、その寒さで音が吸収されることや、息を潜めていても寒さで死にそうになるとか、そういう魅力的な材料をほとんど使わない。
外に出れないから食料をどう手に入れるかとかさ。
30日間があっという間に過ぎてしまうし。

 


でさ、何がもったいないって、この映画、撮影が良くて、映画の雰囲気もすごくいいのよね。

最後の最後まできっちり持続するのよね。
最後の選択も、好みの方向だったしね。

あえて、そっちを選択したんだろうけど、一つアクション減らして、描写して欲しかったなぁ。



実際、最近、雪のホラーが増えていて、夏の湿気、でなく、冷気がスタンダードになっていく可能性大。
冬ゾンビとか、腐らなそうだねぇ。
考えてみたら、吸血鬼の元ネタの東欧は寒い地方が多いんだっけね。
『トワイライト』は霧の町が舞台でしたね。
元から吸血鬼は冬が似合うわけだ。
そういえば、日本にも『雪女』がいましたわ。





冷房の効いた映画館で、暑気払いに観るにはいいかも。
でも、最近の映画館は、冷房弱めですけどね。
経費削減?
懐が寒いから?
ま、おいらとしては助かるんですがね。
 





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