菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

若さのひどさは昔からそう変わらない。  『青春群像』

2014年08月12日 00時00分12秒 | 俺は好きなんだよ!
【俺は好きなんだよ】第682回は、『青春群像』(1953)


原題は、『I VITELLONI』
『乳離れしない仔牛』の意味があり、リミニの方言で『のらくら青年』という意味らしいです。
アメリカ題は、『THE YOUNG AND THE PASSIONATE』。
英国題は、『THE LOAFERS』。
『怠け者』とか『浮浪者』って意味ですね。


上映時間:116分
製作国:イタリア/フランス


スタッフ。
監督:フェデリコ・フェリーニ
製作:ルイジ・ジャコージ
脚本:フェデリコ・フェリーニ/エンニオ・フライアーノ/トゥリオ・ピネッリ
撮影:オテッロ・マルテッリ/ルチアーノ・トラザッティ/カルロ・カルリーニ
音楽:ニーノ・ロータ
 
 
出演。
フランコ・ファブリッツィ
アルベルト・ソルディ
レオノーラ・ルフォ
リカルド・フェリーニ
ジャン・ブロシャール


物語。
北イタリアの小さな港町リミニ。
女中にうつつを抜かす劇作家志望の青年レオポルド、姉から小遣いをせびり取っては憂さを晴らすアルベルト、女友達を妊娠させてしまい結婚するはめになったファウスト、歌だけが取り柄のリッカルド、そしてただ一人現状に満足することのないモラルド、彼らの行き詰まった青春にもやがて終わりが訪れる・・・。
 
 
受賞歴。
1953年のヴェネチア国際映画祭にて、サン・マルコ銀獅子賞(フェデリコ・フェリーニ)を受賞。








若きフェリニーの手がけた青春ドラマ。

フェデリコ・フェリーニの半自伝的要素を含む作品。
おなじみ、フェリーニが育った北イタリアの港町リミニを舞台とした邦題通りの青春映画で、全体にネオ・レアリズモの感覚が息づく中、フェリーニ特有の夢にまどろむような詩的なタッチがすでに見受けられる。
主人公レオポルドは劇作家を志す青年だが、向いの女中に気もそぞろ。彼を取り巻く連中はいずれも、未だ親や兄弟から自立できない甘えん坊のぐうたらばかり。








スタンリー・キューブリックが生涯のベスト作品のひとつとして挙げ、ビリー・ワイルダーがいちばん好きなフェリーニ作品と呼び、マーティン・スコセッシが『私のイタリア旅行』で引用もしている。



誰の胸にもある、絶望の滲む青春の郷愁を思いっきりくすぐる感傷的な秀作。

今も昔もある種の若者のゆるく狂った感じは、時代ごとの特色を含んではいても、そう変わりはないことがわかる。

ということは、これをどう許容するのか、導くのか、ということも問われますが、白黒のこういう英ぐぉ若者はわざわざ好んでは見ないだろうしなぁ。












コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 8月10日(日)のつぶやき その2 | トップ | 8月11日(月)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

俺は好きなんだよ!」カテゴリの最新記事