で、ロードショーでは、どうでしょう? 第793回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』
ジェイムズ・ダシュナーのベストセラーYA小説を映画化して世界的に大ヒットしたティーンズSFアクションの第2弾。
巨大迷路から辛くも脱出した主人公たちをさらなる謎と過酷な迷宮が待ち受ける。
監督は引き続き、ウェス・ボール。(第3部も担当)
物語。
ある日突然、巨大迷路に放り込まれた青年トーマスは、そこで出会った仲間たちと命がけの脱出に挑み、ついに出口に到達する。
自分たちを操っていたのが“WCKD(ウィケッド)”という組織であることを知ったが、そこから謎の集団によって、助け出される。
砂漠をヘリで抜けたどり着いた謎の集団の施設には、他にも別の迷路を生き延びた若者たちがいた。
迷路とは違うベッドと食事の心配のない暮らしに色めき立つ仲間たち。
だが、トーマスはそこに不穏な空気を感じていた・・・。
原作は、ジェイムズ・ダシュナー『メイズ・ランナー (2) 砂漠の迷宮』 (角川文庫)
脚本は、T・S・ノーリン。
出演。
ディラン・オブライエンが、元WCKDのトーマス。
経験不足と実力不足が露見しつつありますが、記憶喪失きゃらなので、思慮が浅い猪突猛進野郎感はばっちり。
カヤ・スコデラーリオが、元WCKDのテレサ。
今回はあえて目立たない感じで。
トーマス・ブローディ・サングスターが、頭脳派のニュート。
彼の存在感が薄いのがなぁ。
キー・ホン・リーが、ランナーのミンホ。
存在感だけで活躍が薄いのがなぁ。
デクスター・ダーデンが、フライパン。
アレクサンダー・フローレスが、ウィンストン。
ジェイコブ・ロフランドが、古参のエリス・ジョーンズ。
怪しげなのはいいんだけど、もうちょっと存在感を発揮して欲しかった。
ローサ・サラザールが、謎の組織の参謀ブレンダ。
ジャンカルロ・エスポジートが、謎の組織のリーダーのホルヘ。
裏表のある感じが流石です。
パトリシア・クラークソンが、エヴァ・ペイジ博士。
エイダン・ギレンが、謎の組織のリーダーのジャンソン。
テリー・デイル・パークスが、カール。
キャスリン・スミス=マッグリンが、クロフォード。
リリ・テイラーが、メアリー博士。
バリー・ペッパーが、リーダーのヴィンス。
製作は、マーティ・ボーウェン、ウィク・ゴッドフリー、エディ・ガマラ、エレン・ゴールドスミス=ヴァイン、ジョー・ハートウィック・Jr、リー・ストールマン。
製作総指揮は、リンゼイ・ウィリアムズ。
撮影は、ギュラ・パドス。
疾走感は流石の高質です。
プロダクションデザインは、ダニエル・T・ドランス。
どっかで見た感じはま逃れませんが。
こういうのが一番大変よね。
衣装デザインは、サーニャ・ミルコヴィッチ・ヘイズ。
編集は、ダン・ジマーマン。
速度感はいいです。
音楽は、ジョン・パエザーノ。
なかなかの疾走感です。
巨大迷路を突破した後の第2弾で3部作の第2部。
迷路はちょっとだけしか出てきません。
そして、未だ、あの巨大迷路の謎は解けません。
それどころか世界の状況もわずかにしか分かりません。
ゲーム的なシナリオで、映画初期サイレントの連続物のよう、21世紀の作なのにアクション映画の原点の雰囲気。
あい変わらず、走ってるシーンは素晴らしい。
走って捕まり走って捕まり×Nな2時間。
意外とキャラを大事にして、どんでん返しで第3部に続く、リレーのような中継作。
おまけ。
原題は。『MAZE RUNNER: THE SCORCH TRIALS』。
となっていますが、劇中では、『THE SCORCH TRIALS』しか出ません。
そう、そもそも迷路は第1部だけの設定なんですね。
あ、『THE SCORCH』は焦土にこと、砂漠ってことでもいいかと。
『TRIALS』は『試行』。
『迷路走者/焦土試行』ってとこ。
上映時間は、132分。
製作国は、アメリカ。
キャッチコピーは、「本当の迷路(メイズ)は、ここから始まる」。
謎とか障害、迷いを迷路と例えているのでしょう。
でも、迷路は出てこないし、設定の謎もほとんど明かされないのですが、そこに気に止めさせない爆進ぶりで迷路感はないんですが。
ネタバレ。
シークエンスが、ほぼ、ピンチになって、助かるの繰り返しで、ドキドキが持続しないのは、脚本の弱さ。
せっかくのテレサの記憶が戻った話をさらっと流して、最後に持ってくるあたり、雑。
ゲーム的な短いクエストを繰り返しているだけなんだよね。
これを有機的につなげてくれたら、面白くなったのに。
みんながトーマスに「どうする?」とか聞きすぎだろ。
ニュートは迷路内にいるときは頭脳派だったはずなのに、今作ではただの文句言うだけキャラになってるんだよなぁ。
ここは、ミンホとかに「お前を信じてる。お前についていく」とか言わせればよかったんではないでしょうかね。
ミンホの求心力でみんなが一致団結して、チーム感をアップさせておいて、分裂の危機を見せれば、切なさと最後のミンホの奪還への意気込みが倍増したと思うよ。
なんの情報もなく、施設を飛び出るのはまぁ、状況でしょうがないのですが、仲間を説得させる方法ぐらい考えておくとか、いろいろとご都合が目に付く。
まず、カードを奪って、ドアの向こうに行くのをもう一人連れて行き、ダクトで待たせるべきだろ。
ピンチに何の理由で別れたか分からん仲間がちょうど助けに来たり、
山まで行くのに、食料どうしたん?とか。
捕まえて、仲間と一緒にロープで吊るした時点で頭悪いだろ。
狙撃しておいて、すぐ近くまで行って、銃で脅して命令とか馬鹿かと。
突きつけた銃では相手の捨て身の攻撃で簡単にピンチに陥るのに。
RAのキャンプでも、目的がトーマスたち奪還だけでなく、RAの殲滅もあったはずなのに、たったトラック一台の突撃で総崩れとか・・・いくらなんでも。
トーマスが自分の体に爆弾を巻きつけていると見せかけ、実は攻撃ヘリに仕掛けておく。
自爆するしかない状況になる、つっこんでくるトラック。
助かったのか? というのに、ここぞとばかりにスイッチを入れるトーマス。
すると、反撃しようとした攻撃ヘリが爆発して、敵が混乱、反撃。
というような仕掛けがいるべさ。
ブレンダとウィンストンの繰り返しは嫌いじゃないけどね。
でも、ミンホの心臓停止はもうネタよね。
エリスの使い方が雑よね。
最初に情報を持っていることで、最初の逃走で活躍して欲しかった。
たとえば、戻った理由は、実は貯めていた食料とか地図などの情報を取りに戻ったとか。
テレサにアプローチをして、謎のモテる感じを出したりとか。
最後とかどうなったのか不明なんだもの。
だけど、「お前はどっちの側だ?」への返答の「仲間の側だ」というのを貫いていくのはよかった。
だからこそ、テレサの裏切りが重くなるわけで。
せめて、フレアのことをもう少しだけでも説明してほしかったかな。
門番クランクに飯を撒いてるような画があってもよかったかも。
で、ロープで釣られた下にクランクが蠢いていて、俺たちが飯になるのか、って感じの不にきもありだったのでは。
ところで、今作で、クランクって呼んでるのは、クランケ(患者)のことなのかな?
とはいえ、ここまで全く謎を明かさないというのも作風とも言えるわけで、第3部でどうしてくるのか、
『The Maze Runner: The Death Cure』は2017年公開予定です。
原作は、第4作『The Kill Order』まで発売中で、2016年に第5作『The Fever Code』が発売予定だそう。