一期一会

日々是好日な身辺雑記

バガン仏教遺跡巡り

2016年06月19日 | 旅行



「ミャンマー 国家と民族」によると、バガンはビルマ族が8〜9世紀頃に移動してきて定住したが、
元はピューガマ(ピュ族の村)と呼ばれていた。
アノーヤター王が登場する11世紀頃までは、バラモン教、ヒンドゥー教、密教など様々な外来宗教が信仰されていた。
精霊信仰、占星術、飲酒や肉食妻帯など戒律が錯乱したアリー僧教団を排除する為に、アノーヤター王が清浄な宗教を求めていた。
下ミャンマーのモン族のタトン王国で、高僧シンアラハンの上座仏教が興隆している事を知り、
タトン王国を攻略し上座仏教僧をバガンに招致した。

国王が上座仏教の教団組織(サンガ)との強力な絆と互恵関係により、
上座仏教を政治的な統合の為の道具として利用した。
王族や財力のある者は寺院や仏塔への寄進を通じた積徳行為で求道した。

以上が「ミャンマー 国家と民族」からのバガン仏教遺跡の成り立ちだ。

仏教施設には、仏塔と僧院という大きな流れが二つあり、仏塔は在家仏教徒の信仰の場で
僧が居住していない。僧院は出家者の修業の場だ。
仏塔をPagoda(英語)、Paya (ビルマ語)と表記するが全く同じである。





そんな背景を頭に入れて、朝食の後7:30に自転車を借りホテルを出発する。
仏塔が集まっているオールドバガンまではメインストリートを真っ直ぐ行くだけ。
この通りは交通量も多くないので、ノンビリと景色を眺めながら自転車を走らせる。
托鉢に出る少年僧と出会う。少年と言っても7、8歳か?。点在する仏塔を見かけるが、
陽の昇りきる前にオールドバガンにと思い、先を急ぐ。



9世紀に作られたというオールドバガンの城壁タラバー門に8:00に着く。
先ずは日本人戦没者慰霊碑のあるダビィニュー僧院に行きお参りをする。
僧院の人が線香をくれたので、お布施として少しばかりの心付けをお渡しする。
何冊か読んだ本で、ビルマ戦線の悲惨さと壮絶さを知り、亡くなった日本人兵士の無念さを想うと、
目頭が熱くなるようだ。
石碑には(平和の礎になられた戦士よ安らかにお眠り下さい)とあったが、
ビルマの地で死んでいった兵士は、馬鹿な侵略戦争に突入した軍上層部の犠牲者だろう。
(アーロン収容所)には、その時の前線の装備は第一次大戦前のような、明治30年式の大砲だったという。
会田雄次が師団は総数2万人に近かったのが、終戦時には3千人足らずなったという。
客観性のない無謀な戦争だ。





この後ダビィニュー寺院、シュエグーヂー寺院や途中にある仏塔や寺院を訪ねる。
オールドバガンは平原で、そこに仏塔が点在するので、何回も地元の人に聞きながら行くのだが丁寧に教えてくれる。
シュエグーヂー寺院の階段を昇り、テラスから眺める仏塔群は素晴らしかった。





仏塔、寺院巡りの途中で入った漆器博物館では展示会が開かれており来場者カードを書いたら、
上品な身なりの中年女性が英語で話しかけてきて、(展示会を見た後に感想を書いてくれないか)と、
(日本人なので上手く英語で書けない)と、物は言いようという返事をしたら、
日本語の話せる若い男性連れてきて、案内させてくれた。
彼は長野県の(なながわ)という町で、漆器の勉強をしたらしく色々説明してくれた。
展示されていた漆器は、細やかな絵付けで素晴らしいものだった。





城壁内を見終えた後に、タラバー門を出た所の店構えの良い(サラバー)というレストランで昼食を取る。
野菜のオイスターソース炒めを食べたら美味しかった。
椎茸、ほうれん草、ミニスイートコーンを生姜と炒めたもので、今まで食べた中で一番美味しく、
デザートとしてスイカをサービスしてくれたのでチップを含めて払ったら喜んでくれた。
バガンに行かれる方にはオススメの店だ。







昼食の後はアーナンダ寺院、シュエサンドバヤーと廻る。この日廻った中で一番良かったにがアーナンダ寺院だ。
1090年に建てられたこの寺院を外回りから眺め、写真を撮っていたら、老人がジェスチャーで
(ここが良い)と立ち位置を指し示し、シャッターポイントを教えてくれる。
その後も(こっち、こっち)とばかり4ヶ所ほど連れていってくれる。
なかには(こう撮ると良い)と、カメラマンのようにアングルまで言ってくれる。
確かに良いアングルだったのでデジカメで撮る。
お礼の意味でいくばくかの心付けを渡したら喜んでくれた。
要求される前に差し上げた方が自分も気持ちが良い。
このさりげないタイミングを会得した。

そんな自転車での仏教遺跡巡りを終え、15:00にホテルに戻った。
Eバイクか自転車で迷ったが自転車で問題なかった。
でも暑く、この日は中型ミネラルウォーター2本、ポカリスエット一缶、マンゴージュースを飲み、
ホテルに戻り直ぐプールに入った。