もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

NODA・MAP 「THE BEE Japanese Version」 行ってきました

2012-05-28 13:54:05 | お芝居
NODA・MAP 「THE BEE Japanese Version」 水天宮ピット・大スタジオ 2012.05.19 14:00~

「THE BEE」再演だそうで。。。初演は知らないので、まったくサラな状態で臨めます。
水天宮ピットは、廃校になった学校を使っているんだよね。。。きっと。
蜷川さんのお芝居の、西巣鴨もそうだったけど、こういう再利用もいいですね。

校舎がロビー?で、校庭を通って、たぶん体育館だったところが劇場で、ドアと暗幕を通ったら、すぐに客席。それも9列しかなくて、小さなハコでした。小劇場だよね。



出演は、宮沢りえ/池田成志/近藤良平/野田秀樹の4名のみ。1時間ちょっとのお芝居。

まず、感想。
パワーがすごくて、胸が痛いというか、つらいというか、圧倒されて声も出ない感じでした。
体の全部を刺激された感じで、いたたまれなさが強いというか。。。
4人の演者さんとも、素晴らしい、、、特に野田さんがすごかった。全身を使っての演技。年齢を感じさせないですよね。

で、毎度のことながら、ネタバレも含みますんで、ご注意を(そろそろ芝居も終わりかな?)








舞台には、大きな紙がおかれ、ゴムがリングのように張り巡らされています。
野田さん演じるサラリーマンが客席の方から出てきて、芝居は始まります。

お話は、平凡なサラリーマンが自分の妻子を人質にとられるという事件に巻き込まれ、
その犯人の妻子を今度は自分が人質にとって、応酬するという内容。
平凡な人間も何かをきっかけに、被害者から加害者になってしまうという怖い話ですよね。
加害者になった被害者と、もとの加害者の争いは、どんどんエスカレートしていき、どこまでもその争いは続いていく

人質の子供の指を1本ずつ切り落として、相手に送りつける・・・それをお互い延々とやるわけです。
それが、だんだん「惰性」のようになっていく。

野田さん演じる、井戸が、朝起きる→髭を剃る→朝食を食べる→背広を着る→相手から指が届く→こちらも指を切り落とす→妻が封筒をもってくる→相手に持っていくことを刑事に頼む→妻と寝る→朝起きる・・・という一連の流れが、「惰性」のように日常化していく怖さ。
もうやめて!どこかでやめて!と、叫びたくなるように胸が痛くなりました。

そして最終的に、息子は死に、また妻も死んでしまう。。。

最後は、無数の蜂が舞台全体を覆っていく、井戸も加害者の妻子もみんな紙の下敷きになってしまう。紙の塊にさらに大量な蜂がたかってくる。そして芝居は終わる。。。

蜂は一般市民・・・おもしろおかしくこの事件を見ている第三者のことなんだろうか?マスコミ含め大勢の第三者は面白おかしく、事件を報道し、勝手にたかってきて、事件が終われば、また次の面白そうな事件へと、移動していくということなんだろうか?
ブンブンと飛び回る大量の蜂を見て、そんなことをちょっと考えました。

でも、最後のそんな余韻よりも、野田さん演じた井戸の狂気に圧倒された芝居でした。


野田さんは、本当にすごい。どんどんと心に突き刺さってくるような演技でした。
宮沢りえさんは、相変わらずきれいではかない。生足を惜しげもなく出していて、女性の私もドキドキしちゃいました。すごい色っぽかった。

近藤良平さんは私は初めて見たんですけど、いろんな役、刑事から幼児から演じてましたね。

そして刑事役の成志さん、一番普通の人でしたね。狂気が続く芝居の中で、成志さんが出てくると、なんかホッとしました。

野田さんの芝居って、相変わらず考えさせるものが多いけど、今回のは、テーマが1つに絞られているだけあって、わかりやすく見やすかったです。
でも、見終わって、ぐったり疲れました
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