もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「ニンゲン御破算」見てきました(ネタバレふくみ)

2018-06-23 17:10:06 | お芝居
「ニンゲン御破算」 シアターコクーン 2018.06.15 18:30~

松尾スズキさん作・演出の舞台。
初演は2003年。今回は再演とのこと。
初演のときの主演は、中村勘三郎さん。今回は阿部サダヲさん。
ちなみに、タイトルも、御破産→御破算へと。。。1文字変更

初演は見てないですけど、少し内容とか変えたのかなあ・・・

すごくおもしろかった。
松尾スズキさんの芝居ってけっこうエグイというか、キワキワのところを
攻めるものも多いんだけど、これは見やすくて楽しかったです。

立ち見の人もぎっしりいて、注目の舞台なんだなって思いました。
よくチケットとれたな~d

さて、ネタバレも含みますので、これから観劇される方は十分ご注意ください。
スペースあけますね~













話の内容は
「頃は幕末。加瀬実之介(阿部サダヲ)は、人気狂言作者・鶴屋南北(松尾スズキ)、河竹黙阿弥(ノゾエ征爾)のもとへ、弟子入りを志願していた。大の芝居好きで、成り行きとはいえ、家も侍分も捨て、狂言作者を志している実之介。「あなた自身の話のほうが面白そうだ」と南北に言い放たれた彼は、自分、そして自分の人生に関わってくるニンゲンたちの物語を語りだした―。もともとは元松ヶ枝藩勘定方の実之介は奉行から直々の密命を受けていた。それは偽金造りの職人たちを斬ること。幼馴染みのお福(平岩紙)との祝言を済ませた実之介は、偽金造りの隠れ家へ向かい、職人たちを次々に殺めたのだった。その様子を目撃していた、マタギの黒太郎(荒川良々)と 灰次(岡田将生)の兄弟は殺しのことは黙っている代わりに自分たちを侍にしてくれるよう、実之介に取り引きを持ちかけた。そこへ駆け込んできた娘が一人。黒太郎たちの幼馴染みで、吉原へ売られていく途中のお吉(多部未華子)だった。ちょうどその頃、実之介は、同志の瀬谷(菅原永二)や豊田(小松和重)から、悪事の責任をすべて負わされて切腹を迫られていた・・・・・。 」
(公式サイトより)


実之介が鶴屋南北・河竹黙阿弥に話している自分の話の内容と、今現在の話が行ったり来たりするので、ちょっと置いてかれそうに
なりながらも、テンポのよさと、笑いとで乗り切り、あっという間の3時間でした。
1幕は1時間55分もあったのに。。。
あと、実際の史実も出てきたりするから、ちょっとなじみやすかったのかも。
生演奏(それも和楽器とバンドという)でゴージャスだったし、舞台上に池を作って、実際に落ちたり
客席通路もふんだんに使うんで楽しかったし。

殺陣もふんだんだった。新感線のように効果音は入らないんだけど、
でも、迫力ありました。灰次を演じた岡田くんの身のこなしには感動でしたよ。


簡単に話のスジを書いてみると・・・
(とはいえ、展開が早くて、今なのか過去なのか、妄想なのか現実なのか
 着いていけなかったとこもあるので、多分に適当です(汗))


阿部さん演じる実之介は、武士だけど劇作家になりたい人で、
かたや、マタギの兄弟の黒太郎(良々さん)と灰次(岡田くん)は、武士になりたい人。
実之介は鶴屋南北(松尾スズキさん)と河竹黙阿弥(ノゾエさん)に、自分の書いた戯曲の話をしますが
二人にさんざんダメ出しをされ、さらに、あなた自身の話のほうが面白そうだといわれ、、、
自分の人生の話を語りだす・・・

松ヶ枝藩勘定方の実之介は偽金作りをしていた職人たちを斬れという命を受け、
自分の祝言をお福(平岩紙ちゃん)と済ませた後に実行するが。。。
それをマタギの黒太郎と、灰次に見られてしまう。
二人は、黙っているかわりに自分たちを武士にするよう実之介に持ちかける。

黒太郎と灰次は幼馴染のお吉が吉原に売られるところに遭遇し、やくざを斬って逃げる。
実之介が偽金作りと職人殺しの罪で切腹させられそうになってるところに、3人が来て
実之介も含めて4人で逃げる。
実之介と灰次、黒太郎とお吉と二手に分かれるが、実之介と灰次が江戸へと。

ここで、海の波の小道具を動かしていた南北と黙阿弥が、今までの話のおさらいをしてくれる(笑い)
休憩が入るかと思いきや「ここで休憩にはなりません」のアナウンスに爆笑でした

江戸に来た実之介と灰次は偽金を使って、吉原の地下に芝居小屋を作ることに成功する。
灰次が吉原ですったもんだありましたが・・・
方や黒太郎とお吉。水戸藩の藩士が隕石にあたって死んでしまったところに遭遇。彼らは倒幕のために出てきていて、
そこで、鉄砲がうまい黒太郎が、死んでしまった武士の代わりになりすますことになる。

さらに、実之介を追って江戸に来た松ヶ枝藩の武士たちも現れるが、彼らは餓死寸前だった。
フグ中毒で死んでしまった旅の一座になりかわることになり、彼らはなんと、実之介の芝居小屋に出ることになる。

ここまでおぜん立ては揃ったのに、実之介は芝居を書くことができなくなっている。

倒幕の藩士になりすましている黒太郎は薩摩の人たちとの会合にいたが、灰次が乱入してきて、その藩士たちを斬ってしまう。
そこで、実之介は自分の役者たちに、壮大なる野外劇だと言いくるめ、井伊直弼を実行する。その芝居が評判となる。

黒太郎は、お吉を外国人の妾にして、お金を得ようとするが、その後黒太郎と実之介は井伊直弼暗殺の芝居が受けたので
さらに、お吉の主人の外国人も暗殺しようとするが、事前にばれてしまう。
追ってから逃げるが、吉原の芝居小屋にまで追手がきた。すると、芝居小屋では偽金作りをしていた。
そこに実之介と結婚したお福が現れ、実之介と関係しようとするが、なんと、実之介は女性だった。
彼の家では男子が生まれず、末っ子の実之介を男性として育てていたのだった。
武士になれないマタギよりも、つらいよね。女なのに男として育てられ本当のことも明かせないなんて。

その後。。。。上野で黒太郎と灰次は再会。ここで、冒頭のシーンに戻るわけ。
芝居の冒頭のシーンは、上野の黒太郎と灰次、それとお吉が再会したところだったのだ。

そして。。。私の頭の中だと一瞬ついていけなかったんだけど(展開がすごすぎる)
「甲乙入れ替えの術」をお吉が使って、黒太郎か灰次の子種を実之介に飛ばして、妊娠させ、
それを今度は自分のおなかに移して子供を産んだということだよね。

もうここでおなかいっぱいでした。え~???ってな感じで。
疾走感が半端なく面白いんだけど、展開も早くて大変な芝居だった(特に二幕)
最後は一応ハッピーエンドなのかなあ・・・



キャストの感想

実之介の阿部サダヲさん

安定ですよね。上手い!!!
もともとは勘三郎さんに当て書きをしたとのことだけど、
阿部さんに当て書きといっても問題ないような感じでした。
時代やしきたりに翻弄される小市民にぴったりでした。
途中の歌声もよかった!!


灰次の岡田くん
暴走してました、岡田くんがこんなにキレッキレで破壊力満点の演技してるのを
初めてみたけど。めっちゃよかった。
背が高くてシュッとしてるから、何着ても似合うし。
最後は女装してました。デカいうえにガニ股だったけど。

しかし、イノシシともやっちゃうって(爆笑)


お吉役の多部ちゃん
ほんとに多部ちゃんって声がいいんだよね。舞台に向いてます。
「甲乙入れ替えの術」のダンスにはぶっ飛んだけど。。
あんなダンスをする多部ちゃんは初めてみたわ~


黒太郎役の荒川良々さん
でかい。なんかいつもよりでかく見えた。
鉄砲の腕がいいようには見えなかったけど、
灰次とわちゃわちゃしてるとことか好きです。


鶴屋南北の松尾スズキさんと、河竹黙阿弥のノゾエさん
小道具の黒子からいろいろとお疲れ様でした。
ひょうひょうとした感じがよかったわ~


お福役の平岩紙ちゃん
狂ってる~彼女もかなり振り切ってた。
まさかの相手が女性だったなんてね。


吉原の平田敦子さん
存在感が半端なかった。大好きな役者さんです。
さすが「隠し玉」です。



幕末の激動の時代、幕府派だ倒幕派だのあれこれが無秩序にうごめいている時代だったけど、
実之介も灰次も黒太郎もそんなことは関係なく、必死に生きてるからこそ、面白いんだなとも
思いました。
武士になりたいと思っても身分でなれないとか、足枷もたくさんあって、
このあと明治になれば、また世の中変わって、、、、もし、灰次たちがあと10年生まれるのが
遅かったら、またこれはこれで違った人生だったんだろうな~なんてね。







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