シス・カンパニー公演「ショウ・マスト・ゴー・オン」 世田谷パブリックシアター 2022.11.27 13:00~
三谷さんの舞台で。。。いやいやすごい豪華なキャスト。
あれ?鎌倉殿で、出てなかった?って方も多々いらして。すごい期待。チケットゲットできてよかった~
センターブロックで、前目で、なかなか見やすい位置ではあったんですが、
私の斜め前の方が、非常に座高が高くて。。。。ちょうど、鈴木京香さんの芝居の時の定位置との間に
ぬっと頭が出てて、京香さんを見るのが苦労でした(汗)
「ショウ・マスト・ゴー・オン」 芝居は続けなくてはいけない(直訳)・・・芝居を止めるなですよね。
サンシャインボーイズ時代のは知らないけど、何となく予想が付くような。。
めっちゃ楽しみです。
タイトルを地で行くように、キャストの方の体調不良などあり、その都度、三谷さんご自身が代役を務められ
(脚本・演出ですからねえ。誰よりもわかってる)、
この日はようやく、シルビアグラブさんも復帰されという、全員揃った舞台。
開演ちょっと前に、一瞬、真っ暗に・・・
ここから芝居かと思って、会場がシーンと。みんな何が起こるのかかたずをのんで見守る。
バックヤードでスタッフがゴニョゴニョやってるのが、何となくわかるけど。
てっきりそういう芝居かと思ってたら。。。
突然舞台監督さんが登場し、
「電気系統の故障で、開演が遅れる。10分くらいで回復すると思う」というような説明。
いやはや。。。これは事故だったのね~てっきり演出だと思った。
10分もたたなかったかな。また舞台監督さんが、電気系統は復旧。確認してから開演しますと。
すると、それから5分くらいで、三谷さんがご登場。大拍手でした。
まさに、「ショーマストゴーオン」ですね。無事開演できてよかった~
話は、劇場の舞台袖。上演作はマクベス。
上演前、舞台監督の進藤(鈴木京香さん)、助監督の木戸(ウエンツさん)と、のえ(秋元才加さん)が、上演の準備中。
そろそろ客入れというのに、主演のマクベスを演じる宇沢萬(松也さん)が見当たらない。
演出部のもう一人のスタッフも無断欠席。ミュージシャンの一人もこれない。
さらには、演出の外国人監督も道に迷っていて、遅れているというというドタバタの状態に。
そんな中、主演の宇沢は舞台の奥で酒に酔ったまま寝ていたところを発見される。彼はとにかく悪い酒らしい。
現れたプロデューサー(中島亜梨沙さん)が正気に戻そうとする。
ここに現れたのが、このマクベスの脚本を書いた大学教授の栗林(今井さん)
自分が書いた脚本とだいぶ違っているようだと、クレームをつけ始めるが。。。それもそのはず、宇沢萬の一存で、
マクベスもマクベス夫人も、マグダフまで全部ひとりで演じるというように変えていたのだった。
さらに、その脚本変更で役を下ろされた俳優八代(大野さん)がいたり、
無断欠席のスタッフの父親で空気の読めない万城目(小林隆さん)が来たり、
演出家の通訳で頭の固い女性木村(井上小百合さん)が現れたり、舞台袖はてんやわんや。
制作の野原(峯村さん)は、差し入れのお菓子の管理をしてみんなに配ったりする一方、
来れなくなったミュージシャンの代わりに、パーカッションを担当することに。。。
もう、これだけで、大勢の人がわんさかとバタバタしている状況。
いろんなことがこれでもかと起こり、そのたびに大爆笑でした。
松也さんとか、ホントに最高だし、そこにからむ門番役のシルビアグラブさんも。。。。
ようやく舞台が開演しようとするが、マクベスの宇沢は舞台に立つのが怖いと言いだし、進藤が優しくなだめて、君ならできると励まし
舞台に上げる(これは毎回のこと)
ようやく始まるのですが、素直に進むわけもなく、
舞台上でも舞台袖でも、さらに事件が。。。
のえが、小道具のマクベスの生首を壊してしまい、、、急遽小道具作家の七右衛門(新納さん)を呼ぶことになったり
わけありのシェイクスピア好きの客中島(藤本さん)が袖で舞台をみることになったり・・・
舞台上では小道具のリンゴと間違えて、万城目が持ってきた土産の高崎だるまをもって舞台に上がってしまったマクベス。
リンゴをかじるシーンで、大惨事になるということで、どこかでリンゴにすり替えようと舞台袖では四苦八苦
結局、幽霊を登場させてすり替えようと、木戸がシーツをかぶって登場してすり替えてくるが、宇沢はそのシーンを忘れて飛ばしてしまう。
戻ってきた宇沢。代わりに舞台の出番の門番。
宇沢はまたしても自信をなくしており、また進藤に抱きしめられ舞台に上がっていく(毎回のこと)
ここで、舞台は休憩に入る・・・・突然ミュージカル調で、みんなで歌い、この舞台も一幕終了。
2幕では、
七右衛門(新納さん)登場。彼は舞台袖で製作を始めるが、突然、舞台上にいる宇沢の写真を携帯で取ったりと、はちゃめちゃな行動を。
そこに、進藤の彼氏の浅倉(小澤雄太さん)がやってきて、進藤と何やら話す。
宇沢の状態がよくないため、筋肉注射を打たないとダメだろうという判断で、医者(浅野さん)が呼ばれる。
宇沢がはけてきたとき、門番役のあずさがが舞台上に上がった時タイミングで、注射をしようとするのだが、なかなかうまく打てない。その場をあずさがつなぐが
また無理やりなので客が怒りだす。
なんとか注射が終わり宇沢が舞台に戻る。
が、、、、注射を打たれたのは実は袖で見ていた客の中島のようだ
宇沢は少し状況がよくなったようだが、最後まで持つか不安だった進藤は、舞台上に医者を連れて行き、注射を打たせようと考える。
そこで、袖にあった「松」のセットにクリスマスの飾りをつけて、馬に医者を乗せ、サンタクロースがやってきたということにしようと・・・
しかし、うまく注射は打てない。
そして七右衛門はあれこれ別のことに、とらわれ、なかなか製作が進まない。
不安になった進藤は、客席で見ているはずの、役を下ろされてしまった八代を、舞台袖に呼びもどそうと考える。
バーナムの森が近づいてくるというシーン、太鼓をたたき、みんなで楽器を演奏し(なぜか、通訳さんがサックスを吹く)
「八」と書いた旗を掲げて、ジャンヌダルクのようになった進藤が舞台に上がり、八代を袖に来させることに成功する。
なんとか七右衛門の製作した生首も完成し、それを使ってマクベスは殺され、舞台は無事に終了し、拍手に包まれる。
見に来ていた脚本家の栗林は、台本がめちゃくちゃだと怒るが、脚本家ではなく、Special Thanksでしか名前がない状態だった。
舞台が終わり、関係者は帰り、最後に片付けをするスタッフ。進藤は浅倉と別れてしまうようだ。
役者たちに舞台にあるお土産のお菓子を配る野原。配り終わると帰宅。
宇沢がやってきて、進藤に「お疲れ様」としっかり挨拶。急にオフモードになった宇沢は電話をしながら帰っていく。
のえも帰宅。彼氏とデートのようだ(彼氏の口癖って・・・ひょっとして浅倉?)
進藤と木戸は最後二人となり、、、そして、野原の配っていたお菓子の賞味期限が先月だとわかり、明日は休演だなと言いだす
そして幕
こんな感じの内容でした(ウル覚えで違うところもあるかも)
上演中の舞台袖って、関係者でないとわからないところもあるし、いやあ、リアルで面白い話でしたよ。ホントに、
何か1つおきると、その結果別のことが起きてという、連鎖で、次々と事件が勃発。
それの解決方法が度肝を抜かれてたりで、ずーっと笑ってましたが、
よくこんなこと考えつくな~と、三谷さんに脱帽でした。
どのキャストにもスポットが当たるようにできていて、全キャストに思い入れ持っちゃう感じの芝居って
本当にいいですよね。
あと、お菓子の賞味期限とか、恋人同士の口癖とか、いろいろな伏線が最後に回収されてくのも
面白い。
最初のシーンが、舞台袖の松のセットを動かすことだったけど、このセットもしっかり使っちゃうなんてね。
キャストの感想
どのキャストもすばらしくて。。。全員書くのも大変なんで。。。何人かを。
進藤の鈴木京香さん
凛としててきれいなんですけどね、コメディが似合うんですよね。
基本キビキビと仕事してるんだけど、ときどきアタフタしてる姿がとても似合う。
途中、若い彼氏に振られてしまうのさえ、笑えてしまいますよね。
声がとっても素敵で、この役にぴったりでした。
宇沢の松也さん
松也さんは松也さんだった。。。
まず、圧がすごい。
でも、舞台に上がる前に急に怖くなってしまって、毎回進藤に抱きしめられてようやく舞台に上がるというのが
ホントにかわいくて、笑えてしまうキャラで、魅力たっぷりに演じてくれる松也さん。。。。素敵でした。
木戸のウエンツくん
通常営業のウエンツくんという感じでしたよ。そのままでいるのに、笑えるっていうか。
他の人があまりに濃いキャラばかりだから、新鮮だった。
イギリスから戻ってきてから、お芝居たくさん出てるけど、すごくいい役者さんになりましたよね。
門番役のシルビアグラブさん
いや~今、大河で松也さんと一緒に出てるからさ~
ここでも一緒かいって(笑い)
もう存在感抜群なんですよね。歌もお上手で、、聴けてよかったです。
制作の峯村さん
ずるいですよね。このキャラ。
その辺にいるおばちゃんなんですよ。だけど、パーカッション完璧だし。
マラカス持ちながら、お菓子配るってなんなんですか。しっかりしてるようで抜けてるキャラなのが最高でした。
賞味期限先月のものをしっかり配るのは確信犯なんでしょうね。
医者の浅野さん
浅野さんも出てくるだけで笑いをとるわけで、、、ずるい役者さんですよね(誉め言葉)
セリフの間が絶妙なんで、ホントに笑っちゃうんですよ。
どんな舞台でもちょっとの出番で、場を持って行ってしまいますからね。さすがです。
七右衛門の新納さん
なんなんですか。この濃いキャラ。もういるだけで笑っちゃう。
他の舞台とも違うし、鎌倉殿とも違うし、こういうキャラいいですよね。
このあと、どんどんいろんな役で発掘されそう。
それからピアノの荻野さん
舞台上で生演奏。それにしても、毎回笑っちゃうんじゃないだろうかと思うけど、通常営業できてるのがすごいです。
峯村さんのパーカッションとのコンビもとてもよかった。
だけど、、、今回は三谷さん、荻野さんにもセリフをしゃべらせてるんだけど。。。声が小さくて隣の人にしか聞こえないって。。。
全部峯村さんが代弁してたけど。。。そういうとこも笑えました。
他のキャストも、、、、ホントに最高だったんですよ。書いてるときりがないので~
こんな楽しい舞台は、ホントに気持ちいい。悪い人も出てこないし、ひたすら笑うという。
それでいて、最後は大団円に収まって、気持ちよく帰れる。
一幕の仕込みを二幕できれいに回収してくれる。
三谷さんは本当にすごいよね~って感動できました。