もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

イキウメ公演 「天の敵」 見てきました

2022-10-20 01:49:27 | お芝居

イキウメ公演 「天の敵」 本多劇場 2022.09.19 14:00~&10.2 13:00~

イキウメが本多劇場で、ヨーロッパ企画が池袋って。。。なんか変な感じなんですけど。
最近、すごく好きな劇団の「イキウメ」の公演なので、
しっかりと行ってまいりました。
「天の敵」は再演だそうで、、、2017年の初演は見ておりません。

話の内容は
「ジャーナリストの寺泊は、食事療法の取材中、戦後まもない1947年に「完全食と不食」について論文を書いた医師、長谷川卯太郎を知る。卯太郎の写真が菜食の人気料理家、橋本和夫に酷似していたことで、寺泊は二人の血縁を疑い、橋本に取材を申し込む。菜食の料理家として人気を博す橋本のルーツは、食事療法を推進していた医師、卯太郎にあると考えたのだ。橋本はそれを聞いて否定した。実は橋本は偽名で、自分は長谷川卯太郎本人だと言う。「長谷川卯太郎は私です。今年で122歳になる」公式HPより

セットがとてもきれいでした。
橋本和夫と五味沢恵のアトリエキッチン。
作業用の台が2つ、流しもあるし、壁の棚には、たくさん薬草などが入った瓶が並んでいて、
けっこうカラフルで素敵だった。

話は、いきなりテレビ番組の撮影シーンから始まる。「3秒クッキング」という番組で、タレントの二階堂桜(澤田さん)が司会で、橋本和夫(浜田さん)と五味沢恵(瀧内公美さん)の
アトリエキッチンでの収録。二人は菜食料理家である。
この日の料理は牛蒡のバルサミコ炒め、豆腐・長葱・人参と発芽玄米の混ぜご飯。実際に舞台上で料理。料理は五味沢が行い、試食も五味沢と二階堂が。
撮影が終了し、二階堂、番組スタッフの(しんぺーさん、盛さん、大窪さん)とジャーナリストの寺泊(安井さん)が登場。
そして少し話をしたあと、番組関係者は帰っていく。寺泊だけが残る。

寺泊の妻である優子(豊田エリーさん)が登場。彼女は橋本のアトリエで菜食料理の勉強をしている。彼女のつてで、寺泊は橋本取材に来た。
寺泊は健康には気を使っていないが、薬害などの取材から健康療法には興味があり、橋本を取材したいということだったが、
実は寺泊はALSを発病しており、そのことを気に病んだ妻の優子があれこれ調べ、橋本の食事療法を勉強しているのだった。
しかし、橋本は食事療法は信じておらず、寺泊とは意見が食い違う。結果、今日のところは取材をあきらめて帰ろうとするが、
橋本が、寺泊の病気のことから、彼の時間があまりないと思って、取材を受けようとする。

寺泊が橋本に興味を持ったのは、戦前に長谷川卯太郎という食事療法を行っていた人がいて、彼が書籍に書いた方法で、戦後飢饉で苦しむ人たちを
救ったという事実があった。長谷川卯太郎の食事療法と、今、橋本が行っているものがとても似ていて、また容姿もそっくりなことから、
寺泊は、橋本が長谷川の孫ではないかと思ったのだった。
その質問に、橋本は、自分は長谷川の孫ではなく、長谷川卯太郎自身だ。今、自分は122歳であると答える。寺泊は全く信じなかった。

そこから、橋本の過去が語られる・・・現在の二人はそのままに、過去のエピソードが演じられる形

長谷川卯太郎(大久保祥太郎さんが演じる)は満州に兵隊として来ていた。が、何も食べることもできず5日間逃げていた時に、日本人である時枝(森下さん)に出会う。
時枝は空腹の長谷川に、おかゆを与える。長谷川は1杯では我慢できずに、時枝が止めるのもきかず、たくさん食べ、戻してしまう。
時枝は5日も食べていないのだから、だんだんと食事を適量に戻す必要があると諭す。時枝はそれだけ食べればすべての栄養が取れる「完全食」を探して満州にいるらしい。

日本に戻った長谷川は、そのときの経験から食事療法に興味を持つ。北海道や東北が大飢饉であったとき、長谷川の食事療法で、人々を飢饉の飢えから救うことができた。
日本でまた時枝と出会ったが、時枝は「完全食」を探すことはあきらめ、今はある1種類のものだけ食べて、自分の体をそれに適応させるという実験をしていた。
しばらくして、秩父でくらす時枝に会いにいった長谷川は、時枝が水以外、何も食べない状態であることに驚いた。時枝は何も食べなくても人間は生きていけると
いう。体が変わっていくのだと。しかし、時枝はやせ細って声も出ない状態になっていた。

太平洋戦争後、長谷川は食事療法に関する書籍を出した。それがとても売れた。
長谷川は時枝が言っていた「完全食」を探していた。人間に必要なすべての栄養素を含む完全食を考えているうちに、人の血液が完全食ではないかと考えるようになり、
実際に血液を飲むようになった。

長谷川は医師として病院に勤務していたが、いつもマスクをしてサングラスをかけていた。先輩医師の糸魚川(しんぺーさん)は、その態度はよくないと、なぜ
そういう格好をしているのかと尋ねる。
そこで、長谷川は初めて、糸魚川に自分が「飲血」をしだしてから加齢が止まっているという話をした。糸魚川は、そのことが研究につながるかもと思い
長谷川に血を提供するようになる。が、年を取らない、どんどん若くなるため、同じところにはいられない状況になり、
長谷川は橋本和夫という偽名を使い、病院を転々とするようになった

「飲血」によって若さを保つことは、長谷川の妻のトミ(瀧内公美さん)も興味を持ち、彼女も「飲血」するようになった。
若々しくなったトミは、友達と会うことはできなくなり、しかし、遊びに行きたい欲求も出てきたが、日の光をあびると、体に不調をきたすため、夜に出歩くようになった。
そしてある日、肉料理などを食べ、酒を飲み、帰宅。血液以外を受け付けない体となっていたため、体を壊し、急速に高齢化して亡くなってしまった。
また、糸魚川も高齢化し、亡くなってしまった。

糸魚川の病院は孫の糸魚川弘明(盛さん)が継ぎ、長谷川の状況も知っていたので、「飲血」用の血液は提供してくれていた。しかし、だんだんと血液も手に入りにくくなり、
長谷川は裏社会から血液を調達するようになっていた。そのためヤクザに捕まり、ひどい目にあわされそうになったが、長谷川の事情を面白がり、仲間にしてもらった。
とくに若手のチンピラ(大窪さん)とは馬が合い、ボウリングのプロテストを受けたりと一緒に行動もしていた。

糸魚川弘明が妻(澤田さん)と一緒に訪ねてきた。妻も学者で長谷川の状況を知っていた。しばらくは弘明から血液をもらい、長谷川は毎日を過ごしていた。
ある日、弘明からもらった血液の味が違う、とてもおいしいと感じた長谷川は、誰の血液かを知りたくなる。弘明が教えてくれなかったので、長谷川は病院に忍び込み
カルテを見て、誰の血液かを特定する。
そしてその血液の女性、五味沢と会った長谷川は、彼女がベジタリアンだということを知る。ベジタリアンの血液がとてもおいしいと分かった長谷川は
彼女の血液を飲みたいと思い、「ベジタリアンの人の輸血でないと受け付けない人がいる」と五味沢をだまし、弘明の病院で採血をする。が、その途中飲みたい欲求に
かられて、採血中に飲んでしまう。それを五味沢に見られてしまう。

その後五味沢に、正直に自分のことを話した長谷川。ベジタリアンの血が美味しいので、ずっとベジタリアンの血を飲みたいと思っているとも話す。
五味沢も長谷川の食事療法に興味をもち、二人は一緒に暮らして、アトリエキッチンを開いているのだった。
ベジタリアンの血を飲むことで、長谷川の体も改善していき、日光にもあたることができるようになったので、二人で旅行にも出かけられるようになった。

久しぶりに弘明と佐和子の夫婦が、長谷川を訪ねてくる。二人も「飲血」を始めたとのこと。
それに、非常に抵抗した長谷川。自分の「飲血」によって、何か研究成果は出たのかと言うが何も出ていない。と悩みだす。
「飲血」している以上、死ぬこともできない・・・
そこに時枝が現れる。死んでしまったはずではと思うが、「自分が見えるということは、お前も人間離れしてきたな」と言われる。
「飲血」の意味を考え出した長谷川は、糸魚川夫婦を花見に連れ出そうと考える。

寺泊に、自分の身に起きている今までのことをすべて話したという長谷川。
寺泊はすべてを信じることができない。
長谷川は去っていく。冷蔵庫をそっと開ける寺泊。
そこに優子がやってくる。
そして幕


正直、、、「飲血」って聞いたときに、
気持ち悪い~って思いました。なんだろう、全身が拒否した感じでしたね、考えられないことだし・・・
でも、話の内容は、ありそうでありえない、不思議な話で。。。

長谷川卯太郎のできごとも、ホントにありうるんじゃないかと思えるような話で。。。
芝居に引き込まれている自分がいました。
アンチエイジングって人類の課題だし、、、ホントに「飲血」したら、そうなるんだろうか?
まあ、「飲血」でなくても、血液の成分を何かサプリにしてとか、、、ありそうですよね~

でも、老けていかない。。。見た目が若くなっていくっていうのは、孤独なんだなと。
長谷川の妻が壊れてしまったように、友達にも会えないし、周りにもわからないように、家の中でひっそりと
生きて行かなくてはいけない。。。だったら、若返ったってしかたないじゃんって思っちゃう。
若くなっても、かえって苦しく寂しくなるんだったら。。。意味ないですよね~
なんて、いろいろと考えさせられました。

最後、長谷川は糸魚川夫妻と一緒に、花見をして、命を絶とうとするんですよね。
このままずっと生き続けてもと。。。

そして寺泊は最後、冷蔵庫を開けて。。。ストックしてあった血液をみたんだろうか?
そこは語られることはなかったけど、でも、寺泊はALSで、寿命があと少しだとわかっていても
長谷川のように「飲血」することはないんだろうな~。


最初にも書いたけど、セットがホントに素敵で。
イキウメの芝居って、あまりセットにこだわらずシンプルという感じだったんだけど(今までみたものは)
これは、いろんな色があってカラフルで。スタイリッシュで、よかったです。

そうそれと、最初の「3秒クッキング」は舞台上で、本当に料理するんですよ。
すごくいい匂いが客席まで、しっかり下りてきて、食欲をそそりました。
とくにゴボウをごま油で炒めるときなんて・・・
レシピ作ってみようかなと真剣に思ってます(笑い)

 

キャストの感想

長谷川卯太郎の浜田信也さん
彼の声が私は好きなんですよね~
よどみなく自分の出来事を話す感じが、達観した感じでよかったです。
「飲血」なんてある意味狂った人ですけど。。。
五味沢の血を、採血しているときに、我慢できずに飲んでしまうところは、狂った人でした。
そう、それと「吸血鬼」」と言われるたびに「飲血者」と言い直すのも、面白かったです。

寺泊の安井さん
今回は、ちょいちょい、長谷川に突っ込みを入れる、コメディ系のポジションで
なかなか安井さんにぴったり(ツイッターフォローしてるんで。。。)
素の安井さんに近いんじゃないかと。

五味沢と長谷川の妻の瀧内公美さん
五味沢の淡々とした感じもよかったけど、
長谷川の妻の壊れていく感じも私は好きでした。人間味あふれていて。

寺泊の妻の豊田エリーさん
相変わらずカワイイです。。
そして夫のことが心配で大好きでって愛があふれててよかった。
ちょうど、千秋楽の日には、本当の御主人の柳楽優弥さんも見にいらしてたんで、余計そう思っちゃった。

二階堂桜と糸魚川の妻の澤田育子さん
この芝居の最初の発声者が澤田さんだったんだけど。。。
いや~テンションが高くて(good morning N°5ばり)インパクトがありすぎで。。。
イキウメの空気感とあまりに違って、焦ってしまった。
でも、糸魚川の妻の方は、とてもよかったです。

時枝の森下さん
森下さんのこの感じ好きなんですよね。どこか仙人みたいで。
でも、こういう人いそう。。。

他のキャストの皆さんも、すごく素晴らしかったです。


やっぱり「イキウメ」の芝居は大好きです。
来年も公演やってくれますよね~楽しみに待っていようっと。

コメント
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