「イキウメの金輪町コレクション」
「イキウメの金輪町コレクション 乙」 東京芸術劇場シアターウエスト 2021.02.15 13:00~
「イキウメの金輪町コレクション 丙」 東京芸術劇場シアターウエスト 2021.02.15 18:00~
本当は全部・・「甲」も見たかったんですが、日程が合わず断念。
で、どうも私は配信で見るのが苦手のようで・・・(めんどくさくなっちゃうのと、眠くなっちゃう)
「甲」は配信版も見ないと思います。
で、「乙」「丙」が同じ日にある、この日、休めそうだったので、一気にチケットとっちゃいました。
久々のマチソワ観劇。私の体力持つでしょうか??
そう、今回のイキウメの芝居は、「金輪町コレクション」として3パターン。
いずれも短編の芝居をオムニバス形式でつないで上演するというもの。
会場に入ると、金輪町のジオラマが。。。
おお~って感動しちゃったです。
そして、バス停も。バス停は古びた感じになってて時刻表もちゃんとありました。
なんか、これだけでテンション上がっちゃいます。
イキウメの世界だ~って。
ということで、まず見たマチネの「乙」から
「輪廻TM」「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」「許さない十字路」「賽の河原で踊りまくる亡霊」(乙バージョン)の4本
「輪廻TM」
タイムマシーンもの。とはいえ、人が実際に移動したりするのではなく、人の意識というか視点が時空を超えて過去や未来に移動するという。なるほど、そういう移動もあるのか~
そのタイムマシンとは、車いすをカスタマイズしたもので、宗教を研究?してる二人の男が作ったらしい。
そして、現れた男(トランスジェンダーなので女性?)は、そのタイムマシンの被験者に応募してきたとのこと。
自分の来世の視点がわかったので納得した彼女。そこで作成者の二人も体験する。一人は自分の前世が人間でなかったことでショックを受ける。そしてもう一人は弥勒菩薩が仏になるという56億年後に行ってみたいといい。。。タイムスリップしたところで終了
・・・・・どうだったのか、めっちゃ気になる。56億年後なんてこの世が存在しているのか?何もないのでは?
「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」
自殺をしようとしている女性を男性二人が止めようとしている・・・という設定だが、そういうわけでもないらしい。
自殺をした場合の来世と、寿命を全うした場合の来世は変わってくるといい、彼女の来世を確認する
(輪廻TMとの絡み?)
そして、一人の男性が、自殺をしようとしている女性の魂を、彼女が殺してしまった男性に移して、
さらにその女性の自分が乗り移り、寿命を全うしようとする・・・
女性が寿命を全うした場合の来世は「女性天皇」だった。
・・・前の話とつながってないようでつながっていて。。。なかなか面白い。そして女性天皇か~
「許さない十字路」
隣人である大河原の家に招かれた佐久間一郎は、ずっと「許さないから」と言い続けている。
理由もわからないし、身に覚えもない大河原家の夫は困ってしまうが。。。
言われ続けているうちに、ふと「佐久間さんが好きだった近所の蘭ちゃんと不倫してた」と言ってしまう。
佐久間は「そのことでない」というが、それを大河原の妻がきいてしまう。
そして「蘭ちゃんとの不倫って?」と夫に問い、「許さないから」と言って去ってしまう。
翌朝、、、蘭ちゃんと会った妻は、「許さないから」という。
・・・怖い。なんなんだろう。めっちゃ怖い。佐久間の許さないことって何だったんだろう、結局わからずじまいだけど。
ありそうな話でもあり。。。めっちゃ怖かった。
「賽の河原で踊りまくる亡霊(乙バージョン)」
仏教思想を感じる題目。
賽の河原って、親より先に死んでしまった子供たちが、三途の川を渡る前の河原で、石積みをさせられるとことですよね。
親より先に死んでしまった男性の亡霊が4人。鬼の監督のもと、石積みならぬ段ボール積みをさせられている。
積みあがったと思うと、鬼に壊されてしまい、なかなか完成しない。
それを見ている奪衣婆が、卒業させてよい亡霊が現れると、ホイッスルを吹き、手帳に合格(?)の判を押す。
その亡霊は次のステージに進むことができるのだ。
卒業の判定は「無欲」のようである。最後まで残った亡霊は、他の亡霊のまねをしたりと。。。欲にまみれたもの。
そしてそれを監督している鬼も、実は苦しいのだ。
最後は鬼も卒業させておらい、、、残った亡霊が鬼となる。。。
・・・・なかなかハードだけど、面白かった。人間のサガを見るようで。。。
鬼役の安井さんがまたよかったんだよね~あと、奪衣婆の瀧内さんも存在感抜群だった。
そしてソワレの「丙」
私もそうだけど、同じように、「乙」「丙」でマチソワした人が何人か見受けられましたよ。
金輪町の節分祭というものの中の出し物という感じで、各題目をまとめていた。
司会が瀧内さん、地元のFM局のアナという設定。演目の書いた紙まであってね。
「コント「インタビュー」」「弁明」「落語「高速ジジババ」」「賽の河原で踊りまくる亡霊(丙バージョン)」の4演目
「コント「インタビュー」」
作家さんにインタビュー。記者の受け答えや、うろちょろするカメラマンにイラっとする作家さんというコント。
あーいう相槌を打つ記者さんは、いやだ~うざい!!
で、終わったら、3人が立ち上がってお辞儀。
そうか、「節分祭」の出し物って設定ね。だから「コント」ってついてたんだと、終わってからわかる(汗)
ちなみにこの3人は、金輪町の職員だそうです。
「弁明」
ロビーにあった町のジオラマ登場。
そういえば、乙バージョンのときには、ロビーに飾ってあったのに、丙バージョンはなんでないんだろうと
思ってたんだった。
なんの弁明かというと、
町おこしをしようと思ってたんだけど、不可解な事件が起こってばかりなので、
それについて町の職員や不動産やさんが弁明するという。。。
逆にそれを使って町おこし?て金輪町ミステリーツアーをしようという話。
「落語「高速ジジババ」」
金輪町在住の落語好きの床屋さんの出し物という設定で、、、
柳家三三さんという本物の落語家さんの出し物でした。。。面白かった
高速ジジババって何のことかと思ったら、新しい保険「時間を増やせる」という商品を老夫婦が購入。
通常が1時間進むときに、購入者は1時間1分過ごせるという商品。
購入した夫婦だが、1分増えたくらいでは、変化がわからないと、時間をどんどん増やしてしまうと、、、
周りがとても遅く動く世界に見えるが、周りの人からみると老夫婦がものすごく早く動いてしゃべるようになる。
小学生たちが彼らのことを「高速ジジババ」と呼んだという話。
・・・・本職の落語家さんだけあって、話がとても面白く引き込まれました。
まあ、落ちとかはわかっちゃうけど、それでも話術によって、引き込まれるんですね~
「賽の河原で踊りまくる亡霊(丙バージョン)」
これは節分祭とは違う次元?
乙バージョンと内容は同じだけど、キャスティングが違ってました。
今回の鬼は女子・・・松岡さんだった。
乙バージョンの安井さんが優しい鬼だったのに比べて、こちらはノリノリの鬼。
ということで、一日中、イキウメの世界を堪能できたのでした。
私は、割と最近、(4,5年前くらいから)イキウメを見だしたので、
昔の作品とかは知らないので、あれこれ見てみたいと、、、すごく思いました。
超常現象というかSFの世界というか、そういうものが、普通に町の中で起こる風景がとても楽しい。
「外の道」も楽しみです。
それにしても、あのジオラマいいな~
あと、地図を配布していて、しっかりもらって帰りました。