もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

ヴィレッヂプロデュース 「カチカチ山」「浦島さん」見てきました

2020-10-24 00:53:40 | お芝居

ヴィレッヂプロデュース 2020 Series Another Style 「カチカチ山」「浦島さん」  東京建物Brillia HALL   2020.10.16

このコロナ禍で、 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」が延期となり、ガックシしてたのですが、
急遽「カチカチ山」「浦島さん」の上演が決定され、うれしかった~

ということで、10/16(金)に年休を取って、マチソワで両演目見てきました。

「カチカチ山」は千秋楽だったんですね~だから最初は外れたんだ。
この日に見に行きたかったから、A席ねらいでGETしましたが、3階席でした。

「カチカチ山」「浦島さん」とも日本のおとぎ話ですが、それを上演するのではなく、
これをベースにした太宰治の「お伽草紙」が原作。
残念ながら読んだことがないんですけど、この2つ以外にも「瘤取り」「舌切雀」もあるそうで、
原作を読んでみたいと思いました。

それぞれ感想を書こうと思うのですが、
まず1つ。両方ともセットが同じだったのに、びっくりしました。
確かに交互に同じ舞台で上演だから、当たり前といえば当たり前ではありますが

新感線といえば、セットとかもいつも豪華で凝ってるので、ギャップが。。。。
めっちゃシンプルなんですもん。
回り舞台の中央に、箱みたいのを積み上げているだけなんです。斬新だ。


では、まずマチネで見た「カチカチ山」から

公式のあらすじでは

「自称・作家の男(宮野真守)。
俺は見た目もいいし女にもモテるし、だから師匠の太宰からもかわいがられる、と自分で言っちゃう自己肯定感高めの男だ。
のらりくらりと生きてきたものの、30代後半を迎えても空っぽな自分に危機感を覚えたか、「自分の小説を書くぞ!」と決心。戦時下の山奥に篭もる。
しかし、美しい少女(井上小百合)と出会った瞬間、殊勝な決心は雲散霧消。俺のことを愛してくれないか? と少女ににじり寄る。
だが、潔癖な少女は軽佻浮薄な輩が大嫌い。自分に気があるのをいいことに男を誘い、破滅させようと策略をめぐらす。
いい格好しいなのか、それとも単なるバカか。気づかず少女のいいなりになる男。
そしていつしか男の姿は狸、少女の姿は兎になっていた。 」


まず自称作家の男が出てくるけど、もう一人芝居。膨大なセリフ。
自己紹介というか、自分の現状をひたすらしゃべる。
チャラいし、バカだし、さらにめっちゃポジティブだし。そんな彼のワンマンショー。
宮野さんの魅力満載です。
この男は、太宰治の弟子で、山梨に疎開してきた太宰についてきたが、太宰との生活に疲れて
さらに疫病も流行ったので、さらに山奥に一人で疎開(逃げ出した?)したらしい

そんなところに現れた少女に、彼は一目ぼれしてしまう。
カワイイ可憐な少女だと思いきや、なかなかの毒舌だし、ドSだし、男に嫌悪感を示し、
男のことをいじめていく。
そんな二人は、男はだんだん狸、少女はウサギの風貌になっていく。

と、ここまでが前段。ここから「カチカチ山」の物語になっていくのだ。

山奥に住む老夫婦がしかけた罠に狸がつかまったが、それを抜け出して、おばあさんを
ひどい目に合わせて逃げてきたと自慢げに話す狸。その老夫婦はウサギが仲良くしていた人たち。
それで、ウサギは狸に復讐をすることいする。
仲良しのおばあさんにひどいことをした狸を責め、山に柴刈りに行くよう仕向ける
狸はウサギのことが好きだから、ひょいひょいとついていく。。。
ここからは昔話と同じです。背負った柴に火をつける→火傷のあとに唐辛子を塗る→泥船に乗せて沈めてしまう。

そして、最後は狸は、人間に戻って、またモノローグ
太宰は、弟子が戦争で焼夷弾により背中にやけどを負って苦しんでる時にこの話を書いた。
カチカチという、火をつけている音は、実は太宰が万年筆で文を書くときの音だった。。。


最初と最後にモノローグを入れて、うまくまとめてるなと思いました。
やっぱり宮野さんと井上さんの熱演がすばらしかった。
途中に突然のごとくのミュージカル風になったりとかも楽しめたし。。。

カチカチ山ってなんとなく知ってた話で、ウサギの復讐で、背中に火をつけたり泥船に乗せるとかの
ことは覚えてたけど、けっこうエグい話だったんだなって。
ただ、設定が可憐な少女(見た目)と、それに惚れた中年男っていう風になると、
なんか、ありえるな~って思えるから、不思議でした。

この日は千秋楽で、カテコで、二人のメッセージもありました。
井上さんは本当に大変だったと言ってました。このセリフ量ですからねえ。。。

 


そして、ソワレは「浦島さん」

公式のあらすじでは


「名家の長男として、品行方正に暮らす浦島太郎(福士蒼汰)。
世に溢れる批評に辟易した彼は、なるべくそこには近づかず、風流に生きようと努めている。弟妹はそんな彼をつまらないと言うが、
風流人はなにごとにもムキにならないのだと、その心がわからぬ人々を憐れみながら生きていた。
そんなある日のこと、助けてもらった恩返しに現れた亀(粟根まこと)から、竜宮城には他人をどうこう言う者はおりません、と聞き、
そんな素晴らしい場所があるならばと、おっかなびっくり海の中へ。なにを聞いてもまともに答えず斜め上。されどもっともな亀の言葉に翻弄されつつ、竜宮城にたどり着く。
そこにはドライな態度の乙姫(羽野晶紀)、そしてすべてが無限に許される空間があった。 」

こちらも、浦島太郎のモノローグから入る。
福士蒼汰くん、浦島太郎の衣装、なかなかお似合いだった(背がでかいけど)
海辺の村の名家の長男の太郎。品行方正で、風流に生きているが、彼の弟や妹は、兄さんは冒険心がないなどと批評し、太郎はそれに辟易している。
どうして、人は他人を批評するのか、そういうことない世の中に生きたいと願っている。

そこに亀が現れる。亀は浦島に助けられた亀。しかし、昔話のようにお礼をって、竜宮城にお連れするという話だけではなく、
まず、その亀はウミガメかリクガメかとか、そのかっこはどうなんだとか(競輪選手のような衣装だった)とか、どうでもいい話が。。。
亀は批評が嫌いというのに、なんでそんな批評をするんだと口論になる。
さらに竜宮城にお連れするという亀に対し、浦島さんは、慎重で疑い深いので、なかなか行こうとしない。

そしてようやく亀に乗って竜宮城へ。亀に乗るとはいっても、潜水艦のようなものになっている。。。こういうのけっこう好きです

途中で、浦島さんと亀ははぐれてしまい、まず亀が竜宮城にやってきて乙姫と、旧交を温めるような話をする。
竜宮城は、昔話のイメージとはだいぶ違って、何にもない。門もないし、鯛やヒラメが舞踊ることもない。

亀のところに浦島さんがやってくる。亀は竜宮城に連れていき乙姫様を紹介する。
竜宮城は何もない。とくにおもてなしをするわけでもない。無数にある桜桃の実や、藻はいくらでも食べていいという。
とても美味しく、気持ちよく酔うことができ、長生きもできるらしい。
ここでのおもてなしは、自由で、誰からも批評もされない、浦島さんにはここちよいものだったが、
そのうち浦島さんは、この生活に飽きてしまう。

そして陸に帰ることとする。帰りも亀が送ってくれる。
見送りに来た乙姫様に、大きな貝殻のバッグのようなものをお土産としてもらった。昔話の玉手箱のように
絶対開けてはいけないとか、言うわけでもなく。

自分の暮らしていた村があった場所は、様変わりしていて、廃墟になった団地がある。変わってしまった町に驚いたからか、
浦島さんは、乙姫様のお土産をあけてしまう。
すると、白い煙が立ち上り、、、、浦島さんは白髪白髭のおじいさんにかわってしまった。

おじいさんになった浦島さんは、語りだす。批評ばかりの過去の暮らしも、何も批評されない竜宮城での暮らしも
懐かしんでいたが、どちらにももう戻れない。前に進むしかない・・・と。


昔話の「浦島太郎」とは、いろいろ変わっていた内容だったなと、シチュエーションだけ同じって感じで。
竜宮城が何もないというのは不思議だったけど、でもおもてなしをこれでもかとされるのが楽園というわけではないな~と、
私なんかはそう感じてしまった。今の時代だと、こっちの方がうれしいのかも。
ただ、太宰があの時代にこういう内容を書いたというのが、すごい驚きではありますが。

セリフが多いというか、ほぼ会話劇。特に前半の浦島さんと太郎とのくだりは、どうでもいいような内容だったし。
正直動きが少なくて、ちょっと睡魔と戦ってしまいました。
後半は、シャボン玉がたくさん出てきたり、最後はスモークもたかれたり、
あとは照明の演出がすごく素敵でした。

福士くんは、正直、髑髏城のときは今一つだったけど、セリフ回しとかだいぶうまくなったなって。
特に最初の独り舞台のときは、とてもよかった。
粟根さんと羽野晶紀さんは、いうことないです~
ちょっと斜に構えたような、めんどくさい亀を演じこなせるのは粟根さんだけですよね。
羽野晶紀さん、ホントにきれいだよね~そしてチャーミング。

 


この時代にマチソワ見れて、うれしかったです。
いのうえさん脚本だけど、新感線ぽくない演目でしたが、少人数での短い芝居、楽しませていただきました。

来年上演予定の「神州無頼街」楽しみにしてます。

 

コメント
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