旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

最後の情熱

2014-05-01 23:54:06 | 診療
クリニックは退院していただき、養護老人ホームで看取ることがよいのではないかと考えた方が亡くなられました。

男性として100歳近くまで生きることができた強靭な体力の持ち主です。

退院されて1週間ホームでスタッフの方々のあたたかい看護・介護に見守られました。幾度か明日の早朝かなあという機会がありましたが、スタッフの数も多い日勤帯に旅立たれました。

最後の数日、発熱がありました。逝かれる朝は39.5℃でした。何も治療しない医者の考えで、じっとそばにおられたスタッフの方々。本当にありがとう! お疲れさまでした。



弱りつつある臓器・組織の働きを最大限にするため体温を上げる。その生命力、最後の情熱にぼくは圧倒されました。

ご冥福をこころよりお祈りいたします。

あとになって浮かんだ想いは 「この方のライフヒストリーについてもう少し知って接したかった」というものでした。

最後の情熱の意味を想像できる人間としてお別れをしたかったという想いでした。