about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『さよなら、小津先生』(1)

2007-07-31 02:18:53 | さよなら、小津先生
2001年にフジテレビ系列で放映された、田村正和さん主演の教師ものドラマ。
もとはエリート銀行員だった小津(田村正和さん)が汚職事件のため失職し、やむなく教師として問題校に赴任、というブッとんだ導入部を持つこの物語は、それゆえに他の教師ものドラマにない特色を持ちえていると思います
(他の教師ものドラマをろくに見たことがないので断言は出来かねますが)。

すなわち、素晴らしい先生に触発されて生徒たちが成長してゆくドラマ、というより(そういう面ももちろんあるのですが)、「小津を初めとする先生たちが生徒に触発されて成長してゆくドラマ」だということ。
型破りの(良い教師たるべく不断の努力を続ける真面目タイプの場合もあれば、一見すると気ままし放題の適当タイプの場合もある)教師を主人公にしたドラマでは、主人公は生徒との関係や他の先生たちとの(生徒の側に立とうとするがゆえの)対立に悩んだり迷ったりしつつ成長してゆくのが定番ですが、キャラのスタンスは一貫しているように思います。
それに対して『小津先生』では、望んで教師になったわけじゃない、自分を教師だとも思っていない小津が、「教師」になってゆく過程を描いているといえます。

そして彼が変化してゆく中で、彼を媒介に生徒や他の先生も大きく変わってゆくことになる。
視聴率的には振るわなかったようですが、今も地味に支持され続けている佳作です。2004年にはスペシャルドラマ化もされましたし。


勝地くんの役どころは光蔭高校バスケ部唯一の一年生、長瀬健太(愛称ワンコ)。
デビュー間もない13歳の頃の作品と16歳以降の作品は結構見たんですが、14、5歳の時の作品は未見だったので、「初めて15歳の勝地くんが見られる」ことに期待を寄せつつ視聴して・・・例によって驚かされたのでした。

『六番目の小夜子』や『永遠の仔』から一年半程度しか経ってないはずなのに、すんごく上手くなってる。ごくわずかな表情の動きで雄弁に心の内を伝えてくる。
変声期を脱しきらない声質はまだ若干不安定なものの、声のトーンの強弱に巧みに感情を乗せ、発音も明瞭。現在の彼の演技作法のおおよそのところをすでに備えていました。
人間、短期間にこんなに成長するものなのかと舌を巻いたものでした。
勝地くん以外のバスケ部員も、森山未來くんをはじめ現在活躍している若手俳優ばかり。スタッフの先見の明を感じます。

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