昨日(6/30)、熊本県球磨郡に設置している太陽光発電システムの監視サービスである「エコめがね」から、アラートメールが届きました。
このアラートメールは、毎日12時-14時の間で発電量を計測し、少なくとも1つのセンサー(センサーには1台もしくは2台のパワコンが接続)の発電量が 0 の場合に配信される仕様とのことです。(言い換えると、大きく発電量が減少しても 0 にならなければ、メールが配信されません。)
そこで、エコめがねにログインして状況を確認すると、センサー2では発電停止状態であることがわかりました。
そこで、本日(7/1) 早朝に、太陽光発電システムの管理業者に電話をしたところ、すでに、業者にもこのアラートメールが 6/30 の夕方届いたということで、早速その日のうちに対処を終えたという回答がありました。
先ほどのエコめがねのエコグラフの LINK をクリックすると、センサーごとの発電量がわかります。それが以下です。
これはアラートメールが送信された6/30の前日である6/29の発電量の推移です。薄い緑は各センサーの合計の発電量です。濃い緑はセンサー2の発電量です。これを見ると、センサー2の発電量は、6/29 13時の時点で大きく発電量が減少し、あとは 0 です。しかし、12時-14時の発電量の合計は 0 ではないため、この日はアラートメールが配信されませんでした。
翌日の 6/30 12時-14時の発電量の合計が 0 となっため、この時初めてアラートメールが配信され、業者も私も異常に気付き、業者が早速現地に赴き対処してくれた、ということです。
この原因ですが、草の種の綿毛がパワコンのフィルタに詰まり、パワコンが停止した、とのことでした。
ちょっとイメージがわかなかったので、写真を送っていただきました。
パワコンの下にある、長方形のものがフィルタを覆っているカバーらしいです。
それを外して、中のフィルターを取り出したのが、以下の写真です。
すでに掃除をしていただいた後の写真ですが、ここに草の種の綿毛が詰まっていたらしいです。
アラートメールを見たときには、最近、九州でも大雨が続き、その影響で太陽光パネルに泥等が付着したのかな、と思っていましたが、パワコンのフィルタの目詰まりという、これまで想定したことがないトラブルでちょっと驚きました。そんなこともあるんだなと。
また、このようなアラートメールが業者にも届き、また迅速に対応してもらえていたのもGood!です。
さて、ここで疑問がよぎりました。
一度にフィルタにゴミが大量に詰まるというよりは、日に日に少しづつたまっていき、ある限界を超えた時点で急にパワコンに負荷がかかって発電量が低下していたのではないか、という疑問です。
そこで、いつからパワコンに影響が出ていたのかを調べてみました。明らかに、6/29 の13時に急激に減少しているものの、その日の午前中でも全体の発電量に対して、濃い緑(つまりこのセンサー2)は相当小さいです。
センサーは 1, 2, 3 と3つあり、センサー1および2はそれぞれ2台のパワコン、センサー3は1台のパワコンに接続されたセンサーです。そして、センサー1の2台のパワコンに接続されている太陽光モジュールは83枚、同様にセンサー2では78枚、センサー3では39枚です。したがって、接続されているモジュールの枚数から考えて、センサー2の発電量は、全体の4割程度(78/200) になるべきですが、発電量の割合は全体の 2割程度しかなく、明らかに6/29 午前中の時点で発電量がかなり低下しています。
そこで、もう少し定量的に考えてみます。
13時台ではほぼ0に近いため、12時台でもかなり影響が出始めていた可能性があるため、この日の午前7時~11時の発電量で考えます。
その時間帯でのセンサー1の発電量は51.1kWhだったため、センサー2の発電量は太陽光モジュールの枚数の違いを考慮すると、51.1 x 78/83 = 48.0 kWh です。しかし、実際には 24.1 kWh でした。つまり、この日の発電量は期待される値の 24.1/48.0 = 50.2 % しか発電できていない、ということが言えます。ほぼ半分の電力量低下でした。
つまり、センサー2 の発電量は午前中は本来の半分、午後はほぼ0 となった、ということです。
この現象がいつから始まったのか、エコめがねの過去のセンサー1とセンサー2の発電量データをもとに調査しました。
以下は、今年1月1日から7月2日までの期間において、センサー1とセンサー2の発電量(日単位)の推移をプロットしたものです。(センサー1は緑、センサー2は黄色です。モジュール枚数の違いは特に考慮していません。それぞれのセンサーの生データです。)
これを見ると、5/23から顕著な違いが発生していることがわかります。5/14から7/2までの範囲を拡大すると以下になります。
5/23から違いが生じ、およそ1か月間、発電量はセンサー1の半分程度になってしまっています。そして、ほぼ1カ月後の6/30に発電量がほぼ0になった。その直後に、フィルタの掃除後をしていただき7/1および7/2は、またセンサー1と同程度に戻っています。
したがって、発電量の低下はこの1か月間に起こっていたことがわかりました。
また、問題発生時5/23からほぼ半分の発電量です。ここからは推測ですが、センサー1には2台のパワコンが接続されているわけですが、5/23にそのうちの1台がフィルターつまりでダウンし、1台のみしか稼働していなかった。そして、6/29の午後1時にもう1台も完全にダウンした。その結果、2台のパワコンがダウンしたため、センサー2の発電量が 0 となって、アラートメールが届いた、と考えられます。
だとすると、6月の定期点検の際に、停止していたパワコンがあったにもかかわらず、見過ごされてしまっていたことになります。
この点について、改めて確認したところ、管理業者も私と同じ認識であり「確かにパワコンが1台停止していたと思われます。おっしゃる通りで確認漏れで申し訳ありません。」ということでした。。。
パワコン5台すべて停止すればすぐに気が付くのですが、1台単位だとなかなか気づきにくいですね。
確かに6月の発電量は少ないな、とはちらっと思ったこともありましたが、ちょうど今年の梅雨入りが例年よりも早く、その影響かなと思ってしまったのも原因ですね。
なお、これは、1カ月単位で作成されるエコめがねの見守りレポートというものでも気づくことができます。
このレポートを毎月見ていれば、5月は3月、4月とくらべて、累積発電量が87%とやや小さいため、もう少し早く気づけたかもしれません。
教訓:
パワコンのフィルタは5年に1回はチェックして掃除してもらいましょう。
今回、発電が停止することで気づくことができましたが、もしかしたら、センサー1およびセンサー3にもそれなりにフィルタにゴミがたまってしまっているかもしれません。センサー2だけ溜まり、他は問題ないということは同じ場所に設定されているわけですから、そのほうが不自然です。
また、同様のことが山梨の太陽光発電システムでも起こっているかもしれません。
そこで、センサー1およびセンサー3、そして山梨についてもフィルタの状況を確認して、必要なら簡単に清掃をしてもらおうと考えています。
その結果はまた次回報告したいと思います。
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