サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

年金保険料免除は得か損か

2007-04-06 18:05:15 | 資産運用

会社退職を機に厚生年金から抜け、国民年金のみへの切り替えを行うことになりました。そのときに、市役所から年金保険料免除制度があることを教えてもらい、私の場合、全額免除とはならないまでも、3/4免除、1/2免除、1/4免除から選択できることがわかりました。また、これら免除の割合に応じて、その免除適用期間における老齢基礎年金の計算対象月数が、それぞれ実際の 1/2, 3/4, 5/6 として計算されるとのことでした。そのときは、3/4免除で1/2として計算されるのであれば、それが得だろうと思ったのですが、実際に計算で確かめることにしました。
参考URL: http://www.shiruporuto.jp/tool/nenkinsimu/index.html

結果は、いくつか仮定はあるものの、だいたい10年以上老齢基礎年金を受け取るのであれば、仮に免除制度が利用できるとしても、全額支払ったほうが得、逆に10年以下ならなるべく免除制度を最大限利用したほうが得、という結果になりました。 65歳から年金を受け取ることを考えると平均寿命が80歳ぐらいですから、結局全額支払ったほうが特になりそうです。75歳以降で得を感じるか、今負担を減らすか多少悩ましいところですが、おそらく全額負担することがよいかなと今は思っています。

 計算式は以下のとおり:

65歳以降の受け取り月数 a
全額支払い月数 b
免除月数 c
物価スライド k
免除期間の納付割合 α
免除期間の納付割合に対する年金試算期間 β
平均の国民年金納付額 m
このとき、総支給額Aは A=792.1*k*(b-c+βc)/(40*12)*a/12
一方総支払額Bは B=m*(b-c+αc)
よって、総支給額ー総支払額が最大となることを考えればよい。
A-B=F(a)+G(a,α) として分離すると、 G(a,α)=(1-α)c(14-0.119a)
ここで、m=14, k=1.3, b+c=38*12 とした。 (【訂正】参照)

a>14/0.119=9.8年であればG(a,α)<0となる。よって、|G(a,α)|を最小とするには、α(<=1)はできるだけ大きくかつcは小さくする。つまり、全額支払うことが得になる。
一方、 a<14/0.119=9.8年であればG(a,α)>0となる。よって、|G(a,α)|を最大とするには、 α(<=1)はできるだけ小さくかつcは大きくする。つまり、できるだけ免除制度を活用すべき、と言うことになる。実際には、受給期間は10年を超える可能性が高いため、結局全額支払うことが得策である。

【訂正 2007/4/9】

よくよく考えると、支払い時期と支給時期にはかなりの時間的なずれがあり、貨幣価値にもずれが生じる。それを考慮して、物価スライドkにより支給される額に重みをつけている。支払う額としての計算では、それでよいが今回のように損得を議論する場合には、k=1 とすべきである。わかりやすく言い換えると、物価スライドがあることで支給額が支払額よりも多かったとしても、実質それは増えたことにはならないためである。k=1とした場合、上記9.8年は9.8*1.3=12.7年となる。受給期間がおよそ13年を超えるのであれば、免除制度を使わず全額支払うことが得策となる。

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