mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

ホワイトアウトは怖いよ・六甲山で

2011年07月09日 | 気象・自然など

 山で天候が良くない時や、天気が悪くなる前に「ガス」と呼ばれる霧が出てきます。それは平野での一様な濃さの霧ではなく、モクモクと濃いの淡いの取り混ぜて生き物のように山の周りに湧き上がり、あっという間に白い世界になったりします。

 ホワイトアウトと言う言葉があります。本来は雪氷原でこのガスが出たり雪が降ったりすると、どこまでが地面の白さでどこからが空間の白さなのか分からなくなる状態をいいます。方向どころか天地さえ分からなくなるほどで、この状態で無理に動くと遭難につながります。

 転じて山において、上に書いたガスがモクモク現れると方向が分からなくなってしまい、ホワイトアウトとも言われます。足元は至近距離なのでかろうじて分かりますが、視程数メートルで方向感覚を見失ったりします。

 これに近いのに先日(7月6日)遭遇しました。神戸近郊の六甲山系。まずはいつもの神戸市立森林植物園で。昼過ぎまで天気良かったのに、東灘から植物園へ向かうと急に天気が悪くなり、神戸電鉄乗車中に急な土砂降り。「困ったな」と思いつつもその土砂降りはすぐに止みましたけど、梅雨の戻りかけで複雑な気流の様子。

 森林植物園へ着いたら雨は降っていませんが、すごい霧、いやガス。森林植物園は概して南に向かって低くなる谷の地形なので、ガスがモクモクと表れる様子が見られました。私が山(御嶽山)に入るときは天気が安定している日を選びますので、こんなガスは久しぶり。

 芝生広場。こうして写真に撮るとあまりガスっぽくないですね。

Img_0155

 ここの右手は山並みの向うに大阪湾が見えるところで、海からの湿った気流が一気に水滴になるのでしょうか。下の写真を撮った後、見事に周囲が分からなくなるほど、ホワイトベールに包まれました。

Img_0156

 さすがにこの時は怖かったな。園内の通路を歩く限り迷わないですが、ここは通路を外れ広場になっていますので、方向を見失うと大変なことになりかけます。

 こんな写真を撮ると、どこか高原へ行った感じかな。

Img_0153

 森林植物園からの最終バスで北鈴蘭台駅へ戻る途中、森林地帯を抜けるとガスが急に薄くなりました。あれは不思議なものですね。標高はさして変わらないのに、住宅地はガス生成にならないのかな。

 話はまだ続きます。この後有馬温泉まで行き、私の好きな芦有道路(ろゆうどうろ)を通るバスで阪急芦屋川へ。結構遊んでますね>私。ガスが濃い状態であの峠越えをしてみたかったんです。

 有馬側の坂道を登る際はそれほどでもなかったのですが、分水嶺・・・といっても芦屋側か有馬側かですが・・・の標高750mほどに位置するトンネル内は、すごい霧、いやガス。バスはノロノロと進行。トンネルを出たところは正にホワイトアウトの世界。宝殿橋のバス停標識がうまく見えなかった。

 霧・ガスの中をゆっくりとバスは進行。次の停留所は「展望台」という、ドライブウェイ途中の展望台にあるバス停。眼下に大阪平野が一望に出来る素晴らしい場所です。しかしこの日は下から上まで、白・白・白。距離感一切無しで吸い込まれそう。

 怖かったな。こんなバスに乗り、山道をガスで怖い思いしたのは、幼少の時以来でした。