mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

青陽会定式能の今年二回目を観ました

2011年07月31日 | 能楽

 名古屋の観世流能楽師で行う、青陽会能。昨日私の誕生日である7月30日に今年第二回めの能があり、拝見いたしました。

 演目は、能・清経、狂言・子盗人、能・殺生石。他に仕舞が五曲。

 清経、シテは京都在住の武田大志師。名古屋の観世流の先生方は、名古屋と京都若しくは神戸かけもちで活動されている方が結構多く、大志先生もその一人。先生の先生、職分の先生がそちらの方なので、いろんな所でお見かけするわけでして。

 清経。戦ものの能の一つで、平清経が戦の場へ向ったものの、討ち死にではなく入水自殺を図ったと留守を預かる妻は聞かされ、形見の品を受け取るも、悲しみのあまりに床に伏したところへダンナ、つまり清経の亡霊が現れ、最後の戦の模様を語り、入水した様子を舞を舞いながら語るも、十徳の法力により成仏できた・・・、というあらすじ。

 この清経を武田大志師が演じたのですが、京都の地で鍛えられているのか、声の張りは素晴らしい。このブログで何度も書いていますけど、名古屋の能楽師は他流を含めてどうも声が小さい(弱い)方が多いような気がしています。しかし大志師は面をかけていても(能面を着けていること)、まるで生身の人間が話しているかのよう。実際、清経を観ていても一瞬、中将の面が人間の顔に見える時が何度もありました。

 よく無表情のことを「能面のよう」といいますけど、実際の能面は、気持ちがギュッと凝縮したもので、演ずる中の人の芸次第で、生きた顔になってくるものなのです。それを若手の若手である大志師で観え、ドキッとしました。

 狂言の子盗人は、盗みに入った家で物色の途中、良い着物がみつかり剥いだところ、そこには赤子が。その赤子をあやしているうちに家人が戻り、ハチャメチャとなる狂言。

 この家の主人に、大野弘之師が演じていました。久しぶりです。いや、狂言尽くしの会では出ていらっしゃるかもしれませんが、以前に体調が宜しくないともうかがい、気になっていました。私が能を観始めた頃、名古屋の和泉流狂言で、佐藤友彦師匠と共に活躍されていた方で、釣狐の披きも拝見いたしております。僅か3分程の出番でしたけど、久しぶりに拝見でき、また元気そうで良かったです。

 殺生石。下野国那須野に、上を飛ぶと鳥も落ちるほど近づく生き物を殺す不思議な石。それは都にいた玉藻の前という宮廷の女が、狐の化け物であることを見破られこの地まで逃げたものの、追っ手に討たれてしまい、その怨念が石に取り憑いたというもの。

 能のカテゴリで「五番目の能」に分類されるこの曲、生き物が死んでしまうという程の強い力の石が、大きな存在感を出しています。訪れた高僧と里の女、実は殺生石そのものとの問答に怪しい雰囲気を醸し出します。そして女は石の中に隠れ、高僧の力で石をかち割り、中から鬼神が現れます。この怪しい雰囲気と石が割れる直前の緊迫した空気が五番目の能の良さで、私は好きだな。

 シテの鬼神を演じた吉沢旭師、つつがなくまとめたと言う感じでした。声の張りもありましたし、安心して拝見できました。そして地謡末席の角田尚香師、一番の若手ですね。頑張ってくださいね。


名古屋の食べ物「味噌煮込みうどん」

2011年07月30日 | その他いろいろ

 「味噌煮込みうどん」って、御存知ですか?当たり前田の・・・と言われそうで、そうなんです、皆さん知っていますよね、味噌仕立てのつゆでうどんを煮る。

 ただ、名古屋のそれは少し事情が違っていて、なんと言っても名古屋の味噌は豆から作る赤味噌。それを鰹節の出汁と合わせます。そしてうどんは普通のうどんとは全く異なり、味噌煮込み専用の固い麺。それを芯が残る様に土鍋で煮て、後から蓋を被せる、不思議な料理です。

 こんな感じ。

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 この味噌煮込みうどんは、「うどん」のつもりで頂きますと、固いです。固いといってもあられなどのような固さではなく、生うどんをそのまま食べているような芯が残ったうどん。ですので、他の地域から来られる方など、「生煮えだ!」と指摘される方がいるそうです。

 でも作り方をよくよく聞けば、生煮えに近いところはありますかな。

 鰹の風味がいい香りを出しています。

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 そしてもう一つの特徴。この味噌煮込みうどんは、取り皿は出てきません。そのかわり蓋を取り皿として使います。普通の土鍋の蓋は、蒸気抜きの穴が開いていますけど、この味噌煮込み土鍋の蓋は穴は開いていません。

 つまり調理中は蓋としては使われず、調理が終わったら配膳の人が蓋を被せますので、結構冷えてます。(ホントはいけないのだけど)

 そして蓋を取ってひっくり返して取り皿にします。なんかこの写し方すると、ヘンな生き物に見えますね。すいません、店の人の見てないときにサッと写したもので。

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 名古屋の味噌煮込みと言えば、山本屋。しかし山本屋の屋号は大きいのが二つ、小さいのが一つあります。この画像は、山本屋総本家で頂いたもので、もう一つの大きいのは、山本屋本店。

 同じような味噌煮込みうどんを出してくれますが、本店の方が少し値段高目。その分漬物が自由に頂けるなど付加サービスが多いそうです。味は好き好きですね。

 この画像、昨日撮りました。山本屋総本家の松坂屋本店内の店舗。画像には写っていませんが、ビール付き。

 今日、誕生日であります。一日早い誕生祝と私、勝手に思いつつ、美味しくいただきました。


戻り梅雨なのか秋雨の始まりなのか

2011年07月30日 | 気象・自然など

 一昨日から新潟県と福島県の一部で激しい雨が降っているようですね。今は我が家テレビが見られないので、ラジオのニュースとネット情報が頼りですけど、29日の午前中には何処かの川の水位計が、警戒水位を越えて水防活動に入る水位を示した後、情報が入らなくなったといいます。つまりは堤防決壊?

 このところ東海地方は、夏らしい天気が後退気味で、何やら不安定性の雨雲で一時的に激しい雨が降ったりしてましたけど、昨日はここ数日に比べると天気がいい一日でした。その分が新潟県から福島県・群馬県に移ったのか。

 天気図見てても、ハッキリした停滞前線が描かれていますからね。北の冷えた気団と、南からの温かく湿った気団がせり合う場所が停滞前線で、梅雨や秋雨でよく見られる現象です。

 気象庁HPより。29日午前9時の実況図ですけど、12時間経っても前線の位置は殆ど変わっておりません。

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 そしてこちらは、CBC気象レーダーから。新潟県で激しい雨雲が出ているのが分かります。この真っ赤な画像、昨日の朝から同じような位置にあり、どんな降り方、そしてどんな状況なのか想像がつきます。2004年7月豪雨に匹敵する降り方と言うNHKラジオのニュースですけど、そうでしょう。

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 山間部は河川氾濫や土砂崩れ、平野部では河川の堤防決壊による水害が心配されます。まだ2004年7月豪雨の爪跡が残っているとも聞きますし、災害に脆弱なところはどうしても次の災害でも弱いままだったりします。

 しかしこの前線、梅雨なのか秋霖(秋雨)なのか。いやそんな名前に拘るところは人間中心の考えですけど、この時期の新潟県は、梅雨が開ける前の年も結構あり、これまでが長い梅雨の中休みだと言う人もいるようです。

 しかしとんでもない降り様。どうか早く収まって欲しいと願うばかりです。


一宮七夕まつりです

2011年07月29日 | 地元尾張の話

 我が住む愛知県一宮市は、昔から繊維の街。そこで「おりもの感謝祭・一宮七夕まつり」が、毎年7月に開催されています。今年は7月28日~31日。毎年7月最終日曜日を期末とした、木曜日~日曜日というスケジュールです。

 このブログを始めて3年が経過していますけど、おそらく初めてだよな七夕の記事。記事いうても画像を載せただけですけど、こんな感じです。

 真清田神社鳥居前の吹流し飾り付け。

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 そしてふりかえると、本町商店街。こんな感じで約400mのアーケード街は飾り付けられています。

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 色々形を凝らした吹流しがいいですね。

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 尾張一宮駅前からの道路と交差するところは、アーケードがドームになっています。「いっちゃん」というのは、一宮市のマスコットですか?

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 ここを下から覗くと・・・。

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 商店街七夕でよくある、電動仕掛け。昔は数が多かったのですが、スポンサーとなる商店や企業さんが集まらないのでしょうね。今年は3基でした。

 本町二丁目の大相撲錦絵。

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 本町三丁目の、アニメキャラクター。すいません、何がなんだか分かりません。

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 一宮のマスコットキャラクター。一宮市には、こんなにいたんか?「138」は「いちみや」と読みます。

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 少し前の記事に書いた、コミュニティFMの「FMいちのみや」の試験放送としての演奏所。来年3月に本放送を開始するにあたっての、番組制作の試行も兼ねてるとのこと。ワイヤレスマイクと同じくミニFMの電波なので、せいぜい50m程度が限界です。

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 時間の順序は逆ですけど、一宮駅前の通りでは、七夕オープニングセレモニーが行われていました。私が差しかかったら、ミス七夕とミス織物の方々の紹介。

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 さらに順序は逆。本町商店街の本町一丁目は、書きにくい事ですけど、シャッターが多く降りております。吹流しの飾りつけには限界がある事から、一宮市の小学校と保育園による飾り付けがなされています。これ結構楽しみらしく、「あ、見つけた!」と家族連れの声が聞こえてます。

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 児童が一生懸命作ったのでしょうね。

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 さて、一宮市で七夕が開催されているのは、「一宮」の名の由来である尾張国一ノ宮の神社、真清田神社の祭神が「天火明命(あめのほあかりのみこと)」で織物を司る神でもあり、一宮は昔から繊維の街として発展してきました。

 そしてその織物に感謝する祭りとして、御衣(おんぞ)奉献祭が真清田神社内にある服織神社(はとりじんじゃ)で行われ、その御衣奉献大行列が神事として、また七夕のメイン行事として、商店街を練り歩いて服織神社まで続きます。
→詳しくは、真清田神社一宮七夕まつり公式ページへ。

 服織神社。

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 とまぁ、とりとめなく七夕を書きました。子供の頃は結構楽しみだったよな。その後は混雑もあり、なんとなく避けてきたところもありますけど、やっぱり郷土のお祭りですし、末永く続くよう陰から努力せねばなりませんね。

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撮影:2011年7月28日


榊の花

2011年07月28日 | 東山植物園での花・植物

 サカキ(榊)という植物があります。葉が神事で使われ、神棚に立てたり、葉を水につけ、それを軽く撒くようにお祓い・お清めに用いるという、子供の頃からの我が家ではお馴染みの植物。

 4月に東山植物園で、仏事に使うシキミ(樒)に花が咲いているのを見つけまして、それを弊ブログ記事にしました。シキミの花を見つけブログ記事にしたら、やっぱりそこは神事の榊の花を見、そして書きたくなります。

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 調べました。サカキは山茶花などと同じくツバキ科の常緑広葉樹。ここまでは分かっていました。そして花期です。初夏の6月頃に花が咲くとのことですけど、今年は春先からの花は開花時期が遅れています。しかし夏の花は春先の低温はあまり関係なく咲いたりしますので、咲く時期が分からない。そしてこれまで咲いているのを見た事が無いということは、花の時期は短いであろう。

 さぁ、5月下旬から折に触れて東山植物園通いが始まりました。一週間に一度を目標にしましたけど、やっぱり間が空いたりして、その時には園の人に訊いたりしましたけど、一様に「知らん」。そもそも何処にでも生えている植物で、気にしていなかったのだそうで。

 そうなんです、関東から西日本一帯の温暖な地域に何処にでも生えている植物で、東山植物園では、花の名札をつけている木の他にも、自然のままにしている山にいくらか生えているんです。

 その名札がついているサカキはこれだけ。

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 つぼみが膨らみに膨らんで、開花直前です。6月17日撮影。

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 2日後、咲きました。なんと表現するのか、真っ白ではないけど殆ど白い色の花。6月19日撮影。

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 山の中でひっそりと咲くサカキ。普段は殆ど人が通らない、山の中の園路沿いです。

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 葉の裏で、撮影の光が上手く回りませんけど、この日、一番よく開いていた花です。

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 この葉はお馴染みなんですけどね。花は初めて目にする事が出来ました。

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 生えている場所で微妙に土の成分が違う事が影響しているのか、花の色が僅かにクリームがかっています。微妙なんだな。

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 花の命は短くて。咲いている事に安心してしまい、次回東山訪問が6日開いてしまいました。もう遅かった。かなり干からびていました。上の写真はまだ若干早かったようですけど、今度は遅すぎ。どれだけ花の時期が短いのだ。

 多分、綺麗に咲ききった状態は、僅か1日か2日しか無かったと思います。でも今迄「榊の葉」で通ってきたサカキの花を観る事が出来、本当に良かったと思っております。花が咲くまでの特徴も覚えましたので又来年、観たいですね。

撮影
開花前:2011年6月17日
開花後:2011年6月19日