mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

温帯低気圧っ何だ?ですけど

2017年10月31日 | 気象・自然など
 昨日は、台風22号の変化した低気圧の影響で、すさまじい強風でした。杖携行の私は、杖がふらつきそうになるほどです。つまり風で杖が持って行かれるんですね。
 そんな強風を起こす原因は、台風22号が変化した「温帯低気圧」。
 そこで今朝のCBCラジオの番組内の話題で「温帯低気圧に変化したと言います。温帯低気圧って何だ?気圧が台風の時よりも下がっても台風じゃないの?」という話題。勿論番組MC氏は知っててのお話でしょうけど、世間的には、「温帯低気圧って何?」、「気圧が台風よりも低くても台風じゃないの?」という疑問を持たれる方は少なかずいるそうです。

 昨日の風が大変強かった午後の天気図。気象庁webより。


 北海道の右上にある低気圧が、台風22号から変化した低気圧。この時間で気圧936hPa。台風の時はせいぜい970hPaぐらいでしたので、とんでもないくらい発達しています。
 オホーツク沿岸や北方領土、千島列島の方は、すさまじい暴風かと思います。
 これだけ発達しても台風ではない、というのが不思議なところかもしれません。

 そもそも台風とは熱帯低気圧の強くなったもので、熱帯ではない低気圧は温帯低気圧、普通に天気を崩す理由になる低気圧と呼んでいるもの。
 その熱帯低気圧と温帯低気圧(つまり普通「低気圧」と称しているもの)は構造と成り立ちが違います。
 熱帯低気圧は、海水温度が高い地域で、海水から蒸発する水蒸気をエネルギー源として発達するもので、熱帯低気圧の中心部分は激しい上昇気流、その周囲は中心に近いほど急な風速になります。
 対して温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気とが出会ったときに発生する対流が低気圧となるもので、対流の渦が広範囲に広まり、この範囲で低気圧としての影響となります。
 熱帯低気圧が、中心付近の風速が17.2m/ssを超えると台風になります。(他に発生海域の決まりがありますが)
 温帯低気圧はどれだけ発達しようとも低気圧は低気圧。しかしながら、温度差が低気圧成長のエネルギーなので、元が台風だった低気圧は冷たい空気と出会うと、すさまじい発達をします。
 そのすさまじさから、マスコミ的には「爆弾低気圧」と称していますが、気象の正式な用語ではありません。

 春先に日本海を西から進みながら発達する低気圧で、日本列島各地に春一番の強風をもたらしますが、この春一番を吹かせるような日本海に入る低気圧も、爆弾低気圧並に発達しているものです。
 まだ冬の気団であるところに、南からの暖かい気団が入ることで、低気圧発生、それが異動しながら日本海へ入りさらに急発達で、春一番となります。この春一番低気圧の発達過程も爆弾低気圧と同じ過程です。

 そんなわけで低気圧もピンキリですね。小さなものは天気図に現れないものから、僅かな気圧の低圧部ゆえ低気圧となるものもあり、さらに930hPaよりもさがるような超強力な低気圧まで様々。
 熱帯低気圧の強力版に台風があるように、温帯低気圧の超強力版にも何等かの新しい名称があってもいいと思います。
 「台風」はなりません。「台風」はあくまで熱帯低気圧の一類型。

 そうした言葉が無い、というのは、我が国の民族で必要としていなかったからですね。
 気温が高い日を猛暑日という言葉が生まれたように、新しい用語ができてもいいと思います。「爆弾低気圧」ではあまり良くありません。イメージはしやすいですが。

中央防波堤埋立地の境界問題で大田区は裁判へ

2017年10月30日 | 地理・地名
 ANNニュースからです。東京湾の埋め立て地で、所属区が未定である中央防波堤の調停で、大田区は東京都の調停案を不服として裁判に訴える方針を示したとのことです。

ANNニュース。画像をクリック。


 この中央防波堤の境界問題については、先日も弊ブログで書きました。
⇒10月17日投稿:東京湾の中央防波堤埋立地帰属区は江東区86%

 中央防波堤の敷地のうち14%部分が大田区とした点を大田区長、さらに区議会として不服として裁判に持ち込むもの。

 ここ前記記事でも書きましたが、元々は大田区に属する漁民がノリ養殖の漁業権を持っていた水面で、漁業補償を受けて中央防波堤の埋立地が出来上がっています。江東区としては、その漁業補償で権利は消滅し、江東区の沿岸から進んだゴミ処理場としての埋立地が沖合に進んだ一つなので、江東区の領有であるとは江東区の主張。

 私は、以前大田区に少しいたこともあって、大田区の方に親近感があるので大田区側寄りの心境ですが、どうもマスコミの論調は、江東区側に意を持っているようです。
 交通として、東京ゲートブリッジで若洲の方面と結ばれ、さらに海底トンネルで13号地お台場と結ばれています。いずれも江東区ですが、さらに臨海トンネルで大田区の城南島とも結ばれており、東京ゲートブリッジから臨海トンネルのルートは、湾岸道路の迂回路ともなります。

 この領有権裁判、どのような決着になるのかは、それこそ裁判の推移ですので、分かりません。
 地裁だけで済むのか、最高裁まで進むのか、これで最終的な境界と僚友の確定になります。

10月22日の総選挙で投票自体ができない島があった

2017年10月29日 | 選挙にかかわる話
 MSNトピック記事からです。去る22日の衆議院総選挙で、航路の欠航で投票自体が出来ない島があったそうです。
記事:愛媛「猫の島」、衆院選投票できず 海荒れ欠航続き…

 離島で、船の欠航の恐れを見越して、投票日又は投票時間の繰り上げがあったことは、弊ブログでも書きました。
2017年10月22日記事:航路欠航により開票延期
 こちらは、投票は行われたものの、投票箱が運べない恐れがあるということで本来の投票日の繰り上げなどがあった、というものですが、MSN記事にある愛媛県の青島では、総選挙の公示前から航路に周航する船体がドッグ入りで運休で、検査終了しても今度は台風の接近により航行不能で欠航で、期日前投票所と当日の投票所の開設ができず、大洲市青島の住民は、選挙自体が全くできなかった、というもの。
 順を追うと、船体のドッグ入りは、10月12日~16日であったものが18日までかかり、18日に予定していた期日前投票所の設置は出来ず、19日以降も今度は台風接近により船が出せず休航、24日まで航路は欠航で、22日の投票日には島の有権者15人は、全く選挙権を行使することができなかった、ということ。

 今回の総選挙で、早速一票の格差問題で訴えの提起(提訴)が行われたそうですが、一票の格差どころではなく、投票自体が出来ないという、民主主義の根幹にかかわる権利が奪われる結果となりました。
 こういうことがあると、ネット投票も有効なのかなぁ、と思ってしまいますが。

***
 しかし、なんとかならなかったものでしょうか。今回の総選挙で、離島で投票箱が運べないかも、ということで開票が遅れた自治体では、航路で運ばず、自衛隊のヘリコプターで運んだ、というところもありました。
 この大洲市青島でも、22日にヘリコプターが動ければ、投票所開設に必要な要員と備品を運ぶことはできなかったものだろうか、ととても残念に思います。

***画像追加
 愛媛県大洲市青島の位置と地図です。コメント参照。

 国土地理院web、地理院地図より。

 青島。

 同じく地理院地図より。地図記号から、学校施設が無く、ヘリコプターの発着できる場所が無さそうです。

 グーグルマップの空中写真より。人家のある島の東部のみ。


 ヘリコプターの離発着ができる場所が無さそうです。

南海トラフによる巨大地震発生対策で臨時警戒情報発表の運用11月から

2017年10月27日 | 気象・自然など
 日経新聞web版記事からです。政府は、東海地震対策に代わる、最大マグニチュードが9にも達する、南海トラフによる巨大地震対策として、巨大地震発生が高まった場合に、「南海トラフ地震関連情報」を臨時発信する際の4つのケースを発表したとのことです。
記事:南海トラフ巨大地震、4つのケースで臨時警戒情報、11月から

 政府はこれまで、駿河湾沖で発生する東海地震の発生を予知し、その上で地震発生の可能性が高まった場合に、「東海地震警戒情報」を発表する(できる)ということを前提に、その予知対策として巨額の費用を投じてきました。
 しかし、この東海地震の発生予知自体が無理だという見解となり、一方で、南海トラフによる巨大地震は、駿河湾沖だけではなく、トラフ(海溝)全体が震源域になることが十分考えられ、そこで駿河湾沖が震源とする東海地震だけでなく、南海トラフ全体を対象とする監視体制をとり、巨大地震が発生しそうな状況となれば、臨時の情報を発表することとし、その状況となる4つのケースを発表した、というもの。

 その4つとは、
・南海トラフで想定される巨大地震よりも小さいM7以上の地震が発生した場合
・南海トラフでM6以上の地震が発生し、『ひずみ計』が普段とは異なる変化を観測した場合
・複数のひずみ計で偶然とは認められない特異な変化を観測した場合
・プレート境界で「すべり」が発生した場合

 このうち2つ目のケースに該当することは、実際にありました。何年前になるかな、私が体調を崩す前で杖を使うようになる前でしたので、もう6年以上前ですが、9月のある日の夜、南海トラフを震源とする比較的大き目の地震が相次いで起きました。
 この時は、いよいよ南海トラフの巨大地震かと、心臓が冷えましたが、その後の推移は穏やかで一過性のものでした。
 しかし長期的に見れば、この地震も南海トラフの巨大地震の前震とも言えるものです。
 地球の地殻活動の一環です。

 また静岡県の駿河湾沖で最大震度6弱の地震が起きたこともありました。
 まさしく駿河湾沖の想定東海地震の震源エリアで断層面に近い所。
 しかしその地震も、他のひずみ計などに異常値は見当たらず、一過性のものでしたが、長期的に見れば巨大地震の発生に近づく活動は、なされているものです。


選挙のネット投票はどうかと思う

2017年10月26日 | 選挙にかかわる話
 10月22日に選挙期日(投票日)となった、第48回衆議院総選挙の投票率が、このたび公表されましたが、最低だった前回よりは上回ったものの、全体で53.6%と低かったそうです。
 期日前投票は、台風接近の予報が出る前から好調であったものの、結局は戦後ワースト2と低いです。

 その低投票率に絡んでいろいろ言われるのが、「昨今はここまで情報技術が進んでいるので、投票所へ行き、文字を紙に書いて投票箱に入れる方式は、面倒でどうなのだろう。スマホやPCでネット投票できないか」というもの。
 確かに自宅で、いえ自宅以外でも居ながらにして投票できるは便利で、台風が近づいていても、どこででも投票ができます。

 しかし、そういのはどうなのだろう。私はこうしてPCを普段から使いまくって、まさにデジタル世代ですが、選挙は今のような投票所へ自らを赴き、そこで一票を投ずるのが本来だと思います。

 投票の方式で、投票用紙に自書する「自書式」と、電子画面をタッチする「電子投票」とがありますが、それはどちらでも良く、投票所へ行って投票するというのは、「投票の秘密性」を担保できます。
 もしスマホやPCでのネット投票が可能ですと、果たして自らの自由意思で投票で来ているんか、怪しい場面があるかもしれません。
 人によっては、職場のPCや、自身のスマホで投票するよう強制され、目の前で特定の候補に投票することが強制されれば、投票の自由と秘密が保持できません。

 面倒でも、選挙は投票所へ身を赴き、投票せねばならないと思います。
 電子投票ですが、一時期試験運用を兼ねて実際の選挙に取り入れられたことはありました。
 しかし信頼性の点で今一つで、結局普及する見通しはたっていません。
 電子投票は私、思うんですが、投票の証拠性でどうかと思います。
 今の自書式の投票であれば、開票が済んだ投票用紙は、次の選挙まで保存されて、疑義が生じれば、開票済みの投票用紙を点検することができます。
 電子投票は、詳しい方法(構造的な仕組み)を理解していないからかもしれませんが、一票の証拠はどうしているのでしょうか。
 ただ単に立候補者の得票数を加えていくだけでしょうか。

 以前に、京都市の電子投票体験に行ってきていろいろ聞いてきましたが、そこでは受付を澄ますと、自書式投票用紙を手渡されるように、紙ではなく、ICカードを渡されます。
 そのICカードを投票器にタッチさせ、投票器の操作が可能になります。
 そうして投票器の画面の候補者名をタッチすると投票終了、という流れでしたが、このICカードにID番号が与えられ、このID番号の記録が投票の証拠性ではないかとは、システムを理解する者として、推測していますが。

 要するに、ネット投票は実施すべきではない、というのが私の考え。
 面倒でも、投票所へ行って、そこで投票せねばなりません。