暫く前にニュースになっていましたが、愛知県西加茂郡三好町が来年1月4日の市制施行で、みよし市となることが正式に決まったというのがありました。
通常なら三好町の単独市制ですので三好市となりそうですが、徳島県に三好市があり、既存の市と同名の新たな市は原則認めないという方針から、今は既存の市の了解があれば同じな前の市名とすることが出来るそうですが、徳島県の三好市側が愛知県にも三好市が出来る事に難色を示していたため、愛知県の三好町は「みよし市」となることが決まりました。
そして数日前、官報をつらづらと読んでいたら、11月19日付発行にこの三好町改称&昇格みよし市についての告示が。次の文章は告示原文です。
- 〇総務省告示第五百二十五号
町の名称変更
地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第三条第三項の規定により、平成二十二年一月四日から愛知県西加茂郡三好町の名称をみよし町に変更する旨、同条第六項の規定により、愛知県知事から通知があったので、同条第七項の規定に基づき、告示する。
平成二十一年十一月十九日
総務大臣 原口 一博
- 〇総務省告示第五百二十六号
町を市とする処分
地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第八条第三項の規定により、西加茂郡みよし町をみよし市とする旨、愛知県知事から届出があったので、同項の規定に基づき、告示する。
右の処分は、平成二十二年一月四日からその効力を生ずるものとする。
平成二十一年十一月十九日
総務大臣 原口 一博
つまりこれ、告示の面では、総務省告示525号で「三好町」の名前を「みよし町」に変える手続きがおこなわれ、続いて総務省告示526号で「みよし町」を「みよし市」に昇格させる手続きが行われています。我々市井に住む民からみれば単に名前が変わって市になっただけですが、市町村の変化にはその行為主体の違いから、少々複雑なようです。
すなわち、名称を変える、今回のように三好町の「三好」部分の変更は、都道府県の長(知事)が国(総務省)に変更することを知らせ、国が告示をもって施行するという段階。
さらに三好町の「町」の部分が変わること、つまり町・村が市になるような変更、或いはその逆の変更は、都道府県議会の議決を経て都道府県の長(知事)が国(総務省)にその旨を届け出て、国が告示をもって施行するという段階。
これまでも市制施行と同時に名称が変わった自治体は、殆どがこの二段階の手続きを経て誕生しております。私、この事実を知った時は結構面倒くさいことをやっているものだと、意外に思ったという覚えがあります。私が作っている自治体変遷の資料はその辺りはあえて深く入らず、同日に市制施行と名称改称を行った場合は、一つの項目にまとめてあります。
さて、愛知県の三好町。西加茂郡に属し、みよし市になったら西加茂郡は消滅する事になります。加茂郡を明治11年に東西に分割したものですが、東加茂郡は一足早く消滅して、これで愛知県から又一つ郡がなくなる事になります。
この三好町、日本でも一番人口の多い町だそうで、平成17年国勢調査人口では56,252人で、市への昇格要件の一つである50,000人を超えております。愛知県内には他に転入が続く長久手町が昨年の推計で人口50,000人を超えているそうで、こちらも市昇格への機運があるそうです。
ところで同名の市の名称についてですが、平成の合併でこれだけ市が誕生したことですし、もう既存の市と同名の市は、ダメだとかお伺いを立ててとか、もう止めにしたらどうかな。愛知県の三好町もそれなりの歴史がありますし、徳島県も三好郡というこちらも歴史があります。また郡の名称には同名の郡が幾つもありましたし、かつての大野郡のように岐阜県と福井県両県にあってそれが県境で接していたところもあります。都道府県内で同じ名前の市は具合が悪いですが、違っていれば同名の市が出来てもいいように思います。