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‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

Bach Cantatas BWV 179 199 113 .D d e k -D

2015-02-04 09:16:45 | More Mark Padmore
Bach Cantatas BWV 179 199 113 .D d e k -D

ガーディナー&モンテヴェルディ合唱団バッハ巡礼の旅シリーズです。
Youtubeでgood!を押すと、色んな所に取り込めるみたいで、Facebookにはシェアすることが多いのですが、gooの所を押すと、自分のgooブログに取り込めました。
とても前のDVDなので、私はもちろん購入して持っていますが、とっても若い頃のマークさんです。まさかあんな髭のおじさんになって、リートをすごく歌いだすとは…(^-^;。でも素敵です。昔も現在も

コジェナーも若くて細く、ソプラノとして出ています。ベルリンフィルの「ヨハネ受難曲」のDVDでは、やはりマグダラのマリアのようですが、なんと妊娠して真っ赤な服で登場しています。
赤い服マグダラのマリアの色です。同じくベルリンフィルの「マタイ受難曲」で妊娠していたソプラノのカミラ・ティリングは、普通の体系に戻り、マリア・ブルーのドレスで登場しています

モストリー・クラシック記事&ハイドン「天地創造」聴き比べ

2015-01-31 15:57:33 | More Mark Padmore
モストリー・クラシック3月号「BIGが語る」という記事に、パドモアさんのインタビューと、昨年のシューベルト・チクルス演奏会の評論記事が掲載されています。





インタヴューでは、リートのパートナーのピアニストについてや、シューベルト歌曲への思い、バッハのエヴァンゲリストとしての考えなどが、語られています。
「冬の旅」での孤独感は、現代社会に通ずるものがあり、”宿屋”(墓場)でさえ受け入れらず、何処へ行っても受け入れてもらえないという点に、共感できるのではないかという思いだそうです。
深く考えると人は皆違うので、自分の気持ちは誰にも理解してもらえないと思うことは多々ありますが、パドモアさんもそういう思いをすることがあるのですね…。
世界中が敵になっても、安心してください。私は何時でも永遠にマークの味方です
☆モストリー・クラシック→http://mostly.jp/

最近購入したパドモアさん入りのCDで、ベルナルト・ハイティンク指揮のハイドン「天地創造」があります。こちらは普通取り上げられるドイツ語による「Die Schöpfung」モダン楽器によるものです。

BR KLASSIK 900125

イギリス人指揮者、ポール・マクリーシュ指揮の「The Creation」もあり、こちらはピリオド楽器英語で歌われています。

ARCHIV 00289 477 7361

「天地創造」は、イギリスでも人気を博したハイドンが、ヘンデルのオラトリオを聴いて感動し、ヘンデルに作曲される予定だったテキストをウィーンに持ち帰り、ドイツ語に訳したものに作曲しました。
ヘンデルはこの曲を書けずして、死んでしまったからです。ですから当然英語によるテキストが存在するのです。確かに私の持っているペータース版のヴォーカル・スコアにも、ドイツ語、英語が載っています。
ハイドンはドイツ語に作曲をしましたから、当然ドイツ語で歌った方が自然だと思いますが、このマクリーシュ盤では、ドイツ語に負けないほど素敵な演奏です。

旧約聖書の地球誕生から人間の誕生までを描いたⅠ部、Ⅱ部と、ジョン・ミルトンの「失楽園」よりアダムとイヴが登場するⅢ部で構成されていて、ソロと合唱、オーケストラで織りなす大音楽絵巻です。
Ⅰ部とⅡ部では、3人の天使ガブリエル(ソプラノ)、ウリエル(テノール)、ラファエル(バス)がソリストで、Ⅲ部でアダム(バス)とイヴ(ソプラノ)、そしてテノールがソリストで登場します。
ハイティンク盤では、ソリストは3人だけで、天使役の歌手がアダムとイヴ役も兼ねています。アマチュア合唱でも、よく取り上げられる曲ですが、ギャラなどの関係から、そうなることが殆どだと思います。
マクリーシュ盤では、アダムとイヴは新たなソリストが登場します。CDも2枚組ですが、Ⅰ部Ⅱ部が1枚目に収められていて、2枚目がⅢ部になっています(う~ん、こだわる~)。
1枚目のラファエル役、ニール・デイヴィスの凄い声の演劇的な歌い方と、2枚目のアダム役が、Sweet&Gentle Voice のピーター・ハーヴェイなのでとても効果的。アダムとイヴの甘やかな愛の世界にウットリです

パドモアさんは、天使ウリエルとⅢ部のテノール・ソロを、どちらも担当していますが、マークのスウィートな声が似あうウリエルの歌う23曲目(Ⅱ部)の、神が人間を創ったというレチタティーヴォと24曲目のアリアが特に好きです。
ドイツ語でも英語でも、基本変わりないのですが、とても素敵な部分 Im Liebe Speak Love がやはり英語の方がより Sweetです。


ペーター版の楽譜と同じ、ドイツ語と英語のウリエルのアリア。


ペーター版とは、英語が少し違う歌詞。この歌詞の違いは、私自身まだよく調べられていません。
チェロの美しい旋律が、より引き出されているのはマクリーシュ盤です。

でもどちらも申し分ないソリスト陣で、パドモア・ファンにはドイツ語、英語と楽しめる作品です


パドモアさんの名唱と共に~熟女冬の旅Ⅴ

2014-12-15 17:57:39 | More Mark Padmore
12月8日
今日は名古屋「電気文化会館」「冬の旅」です。
東京でもう一泊して、新幹線で名古屋へ向かいました。


冬のいい天気なので、今日は富士山がバッチリです。名古屋で近所のママ友とはお別れです(^_^)/~。



 別の友人が大阪から名古屋へやって来て落ち合い、名古屋城を見学することに。
綺麗な紅葉とお堀。二人とも名古屋城は初めて。金の鯱や~


伝説のジャコウネコの絵。想像で描いたらしい。目が水色で、うちのユキちゃんの色と似ています(=^・^=)

  本丸御殿を観ることをすごく勧められて、白木の新しい建物の中に見事な襖絵が。
空襲で焼失したのですが、襖絵が焼けてはいけないので、前もって非難させていたそうで、それにそっくりに新しく、金箔を貼った上に岩絵具で絵を描いているそうです。
狩野派の画家達の絵で、虎や豹、鳥などが、四季それぞれの間に豪華に描かれています。誰も見たことのない想像上の生き物を描くことによって、権力を示したそうです。
先日観たウフィッツィ美術館のメディチ家とよく似ていますね。徳川家光が上京する際に、宿泊するために建てられたそうです。まだ完全に出来ておらず途中ですが、見学をして写真を写すことも許されています。四足の動物が地面についているということで一番低く、鳥の方が空に近いことから、地位が高いそうです。そして一番位が高いのは人間だそうで、その絵はまだ完成していません。徐々に増やしていくことによって、また今度来て見てみたいと思いますので、いい作戦かもしれません(^^)v。

  そういえばもいったい何の生き物なのか? シャチは海で一番強い生き物ですが、がついているので、だとばかり思っていましたが。
やはり想像上の生き物なのだろうか?お城の天守閣には、江戸時代の街の様子や色々な展示物が。天守閣から眺める風景は紅葉も美しい。

   伏見駅近の「フォルツァ」というアボガド専門料理店が面白そうなので、夕飯を食べましたが、店全体も緑、店員さんも緑の服、
お通しもアボガドと、なんでも緑でアボガドと徹底していました(^-^;。味は美味しかったです。名古屋オモシロス(*'▽')。

   「電気文化会館」は伏見駅から徒歩2分ほどで、中部電力の施設のようです。
スタインウェイの入った感じのいいホールで、響きも良かったです。パドモアさんの歌唱は益々さえていて、ずっと上昇気流に乗ってきています。
友人が英語が喋れるので、ずっと疑問に思っていたことを、マークさんに聞いてくれました。連作歌曲を水一滴も飲まずに、20曲~24曲歌い続けられるのですが、喉が乾かないのかな~?という疑問でした。
連作歌曲は全部で一曲と考えるので、途中で水を飲んだりすると、雰囲気が壊れるので飲まないのだそうです。「喉が強いんですね」と言うと、笑ってたというのです(^-^;。
私なんか、4曲歌って水飲んでますから~!パドモアさんはやっぱり凄い!白鵬と同じぐらい凄い人ですわ~。あっ、ノーベル賞受賞者も出ましたね!名古屋も凄いわ~
「いいホールですね~」とたまたま話しをした方が、このホールの音楽アドバイザーで、地味だけど本当にいい音楽を発信していきたいんです、とおっしゃっていました。
こういう方がいて、お客さんがいて、支えているんだな~と思いました。来年2015年10月28日(王子ホール)、30日(電気文化会館)で、ポールさんのベートーヴェン後期三大ピアノソナタが決まっています。


この後は韓国で「冬の旅」で、私は今日でお別れ。演奏をするお二人は観光など一切していないそうで、サムライのような雰囲気ですから、今度は名古屋城でも観に行かれたらと思います。
また来てくださいね

 帰りは夜行バスで大阪へ。夜中の12過ぎまでファミレスで時間を潰してました。
名古屋駅の「ゆりの噴水」と満月。朝の「中百舌鳥駅」でも満月が輝いていました










パドモアさんの名唱と共に~熟女冬の旅Ⅳ

2014-12-13 08:35:10 | More Mark Padmore
12月7日
今日は王子ホールの最終日「白鳥の歌」D.957です。日曜日なのでマチネでした。
「白鳥の歌」はシューベルトが編んだ連作歌曲ではなく、一曲一曲は単品で書かれた作品を、シューベルトの死後、友人達が抜粋して並べ、歌曲集として発表されたものです。
通の人達が編集したとあって、何故かつながっているような、またいい曲ばかりです。


前の二つと違い、日本の声楽家でもあまりリサイタルで取り上げてるのは、聴いたことがありません。
でもこの二人のCDを聴いたとき、こんなに凄い曲があったのかと思い、「冬の旅」よりいっそう前進しているシューベルトの音楽を知ることになりました。
個人的にはこの作品の録音が最も好きで、どちらかというと一番楽しみなプログラムでありました。シューベルトの曲が凄いのか、ポール・ルイスのピアノが凄いのか、
パドモアさんの歌唱が凄いのか、どう凄いのか、過去の名演奏家のも聴いてるはずなのですが、とにかくこの二人の演奏は感動的です

「白鳥」は短いので、先にベートーヴェンの歌曲が演奏されました。「五月の歌」「新しき恋 新しき生」など、リートを勉強し始めた時に歌った懐かしい歌や、素敵な連作歌曲「遥かなる恋人に寄す」など、
ベートーヴェンの歌曲も大好きなので、嬉しかったです。一般的にベートーヴェンの曲は、激しく短調のものが有名ですが、実は明るく陽気で美しい曲が多いのです。

この絵がジャケットになった3枚組CDに、パドモアさんの「遥かなる恋人に寄す」が入っていますが、人に貸したのか見当たらず、品番は解りません。
シューベルティアーデの絵なのですが、シューベルトの曲は一曲も入っておらず、コンテンポラリーの作曲家のものが沢山、「魔王」「たゆみなき愛」「漁師の娘」など、他の作曲家のものが入っていて、リートの作曲が流行っていた時代の興味深いCDです。

「白鳥の歌」は、前半がレルシュタープの詩(ベートーヴェン・ピアノソナタ第14番を”月光”と名付けた人)で、7曲目の「Abschied・別れ」で、Ade~!と去っていき、8曲目の「アトラス」からハイネの詩になります。連作歌曲ではありませんが、とても効果的な配列で、ドラマ性を感じずにはおられません。冬の旅に通ずる失恋、死の予感がやはり一貫していて、ハイネの詩のラスト「Doppergänger・影法師」は、幽体離脱をして自分の姿を見ているような気がします。ドッペルゲンガー(自分とそっくりな人)を見ると死ぬという噂がありますので、主人公は死んでいると思うのです。そして次に友人のザイドル「鳩の便り」という曲で終りますが、実に優しく美しい曲で救われます。前日のウフィッツィ美術館展で、鳩は精霊であると知りました。なるほど精霊に託して愛を届けるということで納得、シューベルトはカトリック教徒でもありましたので、宗教的な意味もあちこちに隠されているのですね

「冬の旅」で、ドラマティックな歌唱を聴かせてくれて、マークさんはだんだんパワーアップしているような感じでしたが、今日は益々良くなっておられ、やはりマークは登り調子です。CD録音時よりも年月がたっているのもあるかもしれませんが、今回全部の演奏が進化していて、マークはもっともっと詩の読み込みが深くなり、その表現が新たな歌唱法へと向かっているのです。ビブラートは極力抑えられ、言葉の一つ一つを実に丁寧に語り歌っていました。しかも自然に、何の違和感も無く音楽と融合しているのです。この歌い方はマークにしか出来ない、ルネッサンスの合唱、バロックの声楽を経て、リートにも臨んでいますので(今やヨーロッパでは当然のことと思いますが)、シューベルトのあった時代的位置も感じるのでしょう。フォルテピアノというわけではなく、学術的な演奏でもなく、現代のピアノで今を生きる演奏家として、人間の根幹に迫る真の表現者としての、唯一の歌唱です。


三大歌曲を一挙に演奏することは、おそらく至難の業だと思います。マークの声は基本、美しくレッジェロですので「水車小屋」にも相応しく、「冬の旅」の主人公の若さにも対応出来ます。
そして年齢を経て、経験豊富な歌手ですから、人間の深い感情を表現するのにも的を得ています。年々低音も充実して出るようになってきています。そして、決して声に無理な歌い方はしておらず、抜く所はうまく抜いていますので、声楽家にとってどう進化していくか、まだまだ楽しみな歌手であります。


曲の力が凄いと、入り込んで消耗するけれども、得るものが大きいと語るポールさん。現在最も素晴らしいシューベルトの演奏家とも言える二人です
三大歌曲を一挙に終えて、ブラーヴィの喝采もたくさんでした。感動を有難うございます



     母は今日で大阪に帰りました。東京駅まで見送って、また綺麗な満月です












パドモアさんの名唱と共に~熟女冬の旅Ⅱ

2014-12-10 16:42:13 | More Mark Padmore
12月5日
今日は、はとバス短時間コースを、午前中から廻りました。わりと古くから親しまれている、東京の名所を巡るコースです。


「皇居・二重橋」水に鏡のように映っていて、いい感じ。

週末にかけて五日間限定で、乾通りが一般公開されていて、美しい紅葉を観に来た人の行列が半端じゃなかったです(@_@)。警官も出て、物々しい雰囲気。


東京の三大銅像の一つ、楠正成公。私は生まれも育ちも楠正成公の地元で、神戸湊神社も偶然行くなど、結構どこへ行っても楠公さんに出会ってしまう。
それほど正成公は、全国ネットで活躍した武将なんですね!




「浅草寺」では自由行動。雷門前で、人力車に乗った新郎新婦の姿が。多くの人に祝福されていいですね
「国会議事堂」など、車窓から有名な建物を観ながら、東京タワーへ向かいました。暮のせわしい時に選挙ですね(*_*;。また創価学会に入ってるママ友が訪ねて来て、公明党の山口代表がうちでは、凄い人ですね~!というギャグになっていると話すと、「あの人は他の政治家とは雰囲気が違うでしょ。人気があって、なっちゃんと呼ばれてるんですよ~」と言って帰られました。今度からは凄い人ではなく、なっちゃんと言うことにしました。





東京タワーを上るのは初めてで、前日は雨で新幹線から見えなかった富士山が、薄っすら見れました。




「丸の内駅舎」で到着解散です。三年前のシューベルト三大歌曲チクルスの時は、この建物もスカイツリーも工事中でした。

二日目の夜は「冬の旅」D.911。「水車小屋」は有節歌曲が多く、ピアノが小川で、パドモアさんは語り部的な感じでしたが、同じヴィルヘルム・ミュラーの詩でも、こちらは小川は凍りついて流れていません。
殆どが通作形式で、当時としては前衛的とも言える音使いで、シューベルトが新たなる歌曲の境地へと入ったことが解る作品です。

Fremd・よそ者、という言葉から始まり、下降していく旋律の「Gute Nacht・おやすみ」は、第一曲目から人生に絶望した主人公が、雪の世界へ旅立ちます。
それは「死」に向かっていくようなものですが、王子ホールのインタヴュー記事で、パドモアさんは、死への旅ではなく、生きるための旅だと説明しています。
絶望と希望を繰り返しながら、墓場宿屋と思って辿り着いた主人公は、墓場からも門前払いをくらい、再び歩み出します。そしてまた勇気をふりしぼって歩いて行った先に、
村外れで「Leiermann・辻音楽師」に出会います。誰も聴いていないのに、寒さに凍えながら裸足で立ち、ひたすらライアー(手回しオルガン)を弾き続ける老人を見て、
これが生きるということかと思うのです

若くして不治の病と闘っていたシューベルトの葛藤、人間の情念が描かれた作品を、ドラマティックに歌い上げるパドモアさん。福音史家として、イエスの受難を歌ってきた人ならではの、迫力の表現でした。
ホールがうなるほどのフォルティッシシモから、囁くようなピアニッシシモまで、限界に挑戦するかのようなダイナミクスの幅広さに、ポールさんのピアノも見事に受けて立っていました。

 マークさんのサインにポールさんのサインもやっと加わったCD。輸入盤ですが、今回は三作品とも日本語訳がついて売り出されたので、新しく買う人はラッキーです。


左から、マーク・パドモア、私、笹山晶子ポール・ルイス
母が着付けてくれるので、今回も着物を着ました。日本へ来た思い出になればと思います






パドモアさんの名唱と共に~熟女冬の旅Ⅰ

2014-12-10 12:42:16 | More Mark Padmore
12月4日
今日からマーク・パドモア&ポール・ルイスシューベルト三大歌曲集チクルスが、東京・王子ホールで始まりました。
ピアノのポール・ルイスがシューベルトのピアノ曲チクルスを、同ホールで続けていて、その完結編です。
パドモアさんは、トッパンホールティル・フェルナーと三大歌曲集を演奏しましたが、CD録音はポールさんなので、最も息の合ったコンビということです。


「美しき水車屋の娘」D.795からスタート。
おそらくパドモアさんは、ソロ・リサイタルで王子ホールは初めてで、ポールさんがピアノで導いてきた感じです。

粉ひき職人の徒弟小川に導かれ、旅の杖をつきながら歩いてきます。小川に沿って行けば、仕事場である水車小屋へと辿り着けるのです。
さらさらと清く流れる小川のような、ポールさんのピアノ。小川のもとで繰り広げられてゆく徒弟の恋物語という設定でしょうか。
Schöne Müllerin に出会った喜び、切ない恋心、ライバルの狩人への嫉妬、叶わぬ恋の苦しみ、徒弟の全ての行動と感情を優しく見守っている小川。
ポールさんのブルーのシャツは、小川を表しているに違いない。徒弟が小川に身を投げて死んでしまうと、揺り籠となって子守歌を歌います。
終曲「小川の子守歌」では、マークさんはそっと舞台の横の方へ移動、ピアノだけにライトがあたり、川底に沈んだ徒弟が目覚めないように、静かに小川だけが流れているという演出でした



      サイン会にて。
私がマークさんの追っかけなのですが、CDなどで聴いて、あまりにも美しい声で上手なので、生演奏も聴いてみたいと、母や近所の方が東京観光も兼ねて、ついて来てくれました。
「銀座モントレー」が、ホールに近くてリーズナブルなので、そこを拠点にあちこち回ることにしました。東京駅からもタクシーですぐなので、足が弱ってきた母も大丈夫かと思いました。


本当に優しくて、フレンドリーなマークさんとポ-ルさん。熟女のハートはしっかりとつかまれました


やっぱりティルのピアノがすき!

2014-11-07 13:56:00 | More Mark Padmore
11月5日
トッパンホールで、ティル・フェルナーのピアノソロ・コンサートがありました。
東京に住む娘を誘って、聴きに行きました。



 日本にテイル・フェルナーを初めて紹介したのが、トッパンホールだそうで、ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏や、
マーク・パドモアとのシューベルト三大歌曲集などのチクルスもあり、言わばティルのホームグラウンドのようなホールです。




どの曲も作曲家のキャラクターを見事に弾き分けていて、なんとも包容力のある、暖かく美しく深い音色は、あまりピアノに詳しくない声楽家の私と、
絵描きの娘には心地良くて、心地良くて、ほぼ知らない曲でしたが、とても幸せなひと時でした
本当に素直な人なんだな~ひたむきに、真面目にピアノを弾いてきた、どちらかというと素朴な雰囲気の大柄で安定感がある、やはり大家の器です。

声楽は具体的に歌詞があり、文学的演劇的要素が強いのですが、色んな楽器のアンサンブルともまた違う、たった一人で弾くピアノは、絵画に近いものを感じます。
一人キャンパスに向かって、音のパレットを静かに丁寧に紡ぎ出し、描いていくようなティルさんのピアノは、決して派手ではありません。”ザ・ピアニスト”的に、テクニックを見せつける感が無く、
曲そのものの素晴しさを解らせてくれるピアニストです。各声部の色分け、骨格がよく見えて、それでいて歌い方が自然で、安心感のある演奏なので、余計なことを考えずに、心にすーっと入って来るのです。
ティルさんの心の美しさ、優しさ、頼もしさが、会場全体を包み、ウィーンやドイツの作曲家の素敵な作品を、快く聴き入るお客さんの集中力も、そうとうレベルが高いです。
プログラムは全部、early music的には、チェンバロフォルテピアノの時代のものですが、現代のピアノで、こんなに魅力的に聴かせる人がいるという、逆の驚きがあります。
古楽は古楽で楽しいですが、私はやっぱりティルさんのピアノが好きです(*^▽^*)。


アンコールは、リスト「巡礼の年・スイス」より”ヴァレンシュタットの湖畔”。これもまた美しい演奏の、プログラムの内容も損ねない抜群の選曲
娘は自作の絵のポストカードをプレゼント。「あなたが描いたの?絵具は何?」など、興味を持ってくださり、また励ましの言葉もかけてくれるのでした
現在「チューリッヒ芸術大学」で教えているそうで、きっと若いアート系の学生ともふれ合っているのでしょうね。ティルさん、本当に素敵でいい人でした


初めて行きは新幹線、帰りは夜行バスという弾丸をやりましたが、仕事が午後からのレッスンなので、これはいけそう(*^^)v。
静岡あたりまでは晴れていて、雲のネックレスを掛けて、雲の帽子をかぶったた富士山が観れました

ポール・ルイスと、ついに来日です!

2014-08-02 23:41:42 | More Mark Padmore
マーク・パドモア&ポール・ルイスシューベルト三大歌曲集で、CDのイギリス人コンビの来日です。


王子ホールでシューベルトのピアノ曲チクルスで、演奏し続けていたポール・ルイスと、パドモアさんは王子ホールで三大歌曲チクルスです。

2014年12月4日(木)19:00~「美しき水車屋の娘」D795
           5日(金)19:00~「冬の旅」D911
           7日(日)15:00~「白鳥の歌」D957
                      ベートーヴェン「五月の歌」Op52-4, 「新しき愛、新しき生命」Op75-2,
                      「星空の下での夕べの歌」WoO150, 連作歌曲「遥かなる恋人に寄す」Op98


今回は「白鳥の歌」の日にベートーヴェン歌曲が入ります。ベートーヴェンのリートも大好きなので、とても楽しみです
前回トッパンホールで、ティル・フェルナーのピアノでチクルスでした。ポール・ルイスはまだ生演奏を聴いたことがありませんが、CDで聴く限りまず、とても指が速く動く人だなという印象で、
でも歌が入ってくるとぴったり寄り添ってきます。ピアノを習い始めたのが、12歳ぐらいといいますから驚きです。
王子ホール http://www.ojihall.jp/


2014年12月8日(月)19:00~「冬の旅」D911 名古屋「電気文化会館」
 パドモアさんのウェブサイトを見ると、Nagoyaと書いてあり、愛知県芸にアクセスするようになっていましたが、問い合わせたら解らないと言われました。
電気文化会館 http://www.chudenfudosan.co.jpです。


ティル・フェルナーもソロで来日です。2014年11月3日(月祝)「札幌コンサートホールKitara小ホール」、5日(水)19:00~「トッパンホール」 
 今回はバッハ、モーツアルト、ハイドン、シューマンです
 いつも関西はスルーですね。なんで…?
 
パドモアさんウェブサイト http://www.markpadmore.com/


ヘレヴェッヘ&コレギウム・ヴォカーレのモーツァルト

2013-06-07 14:14:15 | More Mark Padmore
6月6日
2000年のバッハ以来、13年ぶりにフィリップ・ヘレヴェッヘ率いるコレギウム・ヴォカーレの演奏会でした(兵庫県立芸術文化センター)。


 
オケは「シャンゼリゼ管弦楽団」ピリオド楽器でした。
オーボエのマーシャル・ポンセール&北里孝浩など、コレギウム・ヴォカーレのメンバーと重なっていましたが、ピリオド奏者なので当然でしょう。

いつも小編成の古楽を聴くことが多いので、兵庫県芸の大ホールは初めてでした。
シャンゼリゼ管との演奏は合唱がフランスに拠点を置く「シャペル・ロワイヤル」が多いのですが、ヘレヴェッヘの家族からスタートしたという理想のバッハ・コーラスを目指して創った「コレギウム・ヴォカーレ」との合体ということで、合唱が呼び物でもあったと思います。

一部は「ジュピター」で、従来のモダン・オケのイメージをもって聴くと出だし「速や!」と思った人は私だけではなかったようです。かなりエキサイティングな、でも各セクションの明瞭な響きは、大編成のアンサンブルを聴いたようで、解り易く透明感あるジュピターでした。アンコールにもう一度、三楽章のメヌエット。マエストロ・ヘレヴェッヘは一見老人に見えますが、身のこなしも軽やかで、以前見た時より愛想もいい感じでした。観客もノリノリだったので、機嫌よく見えました

二部はメインの「レクイエム」でしたが、合唱はバッハを演奏する時の倍の人数でした。
ソプラノとアルト8人ずつがハモる所などは、まるで二人が歌っているようなピッチの揃いようで、オケと合唱の5度音程のハモりなどは、気持ちいいほど決まっている。
やはり従来のアマチュア合唱団などが、モダン・オケでやるような引きずるような重さは全くないので、戸惑った人も多かったみたいです。清涼なスピード感で美しくも、やはり活気のあるレクイエムでした。
ソリストはソプラノが惜しいかな、身体も小さく詰まったような声で、透明感や抜ける感が無いので、死者が天国へ上っていけそうな雰囲気がしませんでした。それ以外は合唱もオケもとても感動的な演奏でした。アンコールは「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。

マエストロ・ヘレヴェッヘには大変感謝しているといいますか、2000年のバッハ公演の時に連れて来てくださり、レコーディングも沢山している、マーク・パドモアというテノール歌手に出会えたことでした。マークさんが30代、40代くらいの時の録音でが多く残されていて、きっと指導もとてもされたのではないかと思います。ヘレヴェッヘの録音では、明瞭な発音としっかりした歌い方が多く、マークさんもマエストロにとても感謝していると後に文章で語っています。パドモアさんも今やソロで来日するようになりましたから、日本での顔合わせはもう難しいのかなと思いますが、またお二人揃った演奏会があればいいなと思います

J.S.BACH "Mit Fried und Freud" HMX 2951659
H.PURCELL "Odes for Saint Cecillia's Day" HMC 901643
パドモアさん入りのコレギウム・ヴォカーレのお気に入りのCDです。
パーセルでは、他にもロビン・ブレイズピーター・ハーヴェイなど、イギリス人ソリストを機用していて、どちらも言葉と音楽の自然な融合と、合唱の透明感はヘレヴェッヘならではのサウンドです



パドモアさん、イエスも演じる~ラトル&ベルリン・フィル「マタイ受難曲」~

2012-11-01 09:49:51 | More Mark Padmore
音楽雑誌のプレゼントで先日、サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニーバッハ「マタイ受難曲」DVDが当たりました
ベルリン・フィルはインターネットでデジタル・コンサートを配信していますが、今年の春にブルー・レイ&DVDとして発売されていた「マタイ受難曲」は、なかなか入手困難な様子で、半分諦めていました。プレゼントの応募は6月ぐらいにしたのですが、届かないのでハズれたのだと思っていました。ずいぶん遅れて送られてきたのですが、パドモア・ファンの私にとって、これはきっと神様からのプレゼントに違いないと思いました

   

パドモアさんは、勿論福音史家ですが、イエスも演じていて、合唱団含め歌手は全員暗譜で、演技をつけていて、まるでオペラのような演出です(ピーター・セラーズ演出)。
アリアを歌う程度なら暗譜も難しくはないでしょうけど、福音史家の長大なレチタティーヴォを暗譜してるなんて、さすがはマーク・パドモア。何百回と演奏してるかもしれませんが、ヨハネ受難曲なんかとゴッチャにならないものかと感心してしまいます

 

イエスの声クリスティアン・ゲルハーヘルで、高い所に立って天から聴こえてくる、神の声のような設定です。
マグダレーナ・コジェナーは、実はイエスの妻ではなかったかと言われる、マグダラのマリアを連想させる官能的な演技。カトリックでは絶対禁止な考えだそうですが、バッハはプロテスタントの信者だったので、この設定もありかなと思われます。
自分が接吻する人がイエスである、と合図をしたユダなど、とても解り易い演出ですが、おっと口にするんかい!?。何処に接吻したかということは聖書には記されていないらしい…。
その他のソリストもイエスを取り巻く人々という雰囲気で、歌い演じている。臨月ではないかと思われるほど、お腹の大きなリアル妊婦さんのソプラノを採用しているのも意味があるのかないのか?でもイエスは弱い人間に寄り添う人なので、障害者やいろんな人間がいるのが、よりリアルな舞台を作り上げています。

     

ベルリン・フィルなので、とても有名な楽器奏者もアリアと一緒にソロ演奏する時は、暗譜で共に演技をしている雰囲気。
テノールのアリア「耐え偲びたまえ」ヴィオラ・ダ・ガンバで演奏されているのは、初めて見ました。チェロの場合が多いと思うのですが、なかなか良いです。
フルートのエマニュエル・パユは、「題名のない音楽会」によく出て来ますね。
樫本大進のヴァイオリンは、バロック・ヴァイオリンを思わせるような雄弁で激しい演奏。
歌手たちの表情も豊かで、キリスト教をあまり知らない人でも、このシーンのこの歌は、こういう気持ちを表しているのか…と非常に解り易い。
モダン楽器による演奏ですが、ちっとも違和感がなく、歌手陣もダ・カーポ・アリアの装飾法を、とても魅力的に聴かせてくれる。ピッチは高いと思うのですが、パドモアさんの声もなんの違和感なく、とても美しく通り輝かしい
トーマス・クヴァストホフがバスのアリアを担当していますが、イエス役が歌うことも多い「マタイ」の中のバスのアリアの数々は、やはり一番好きです。