‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

ミュズィク・ドゥス京都公演 ⑤🎶

2019-10-30 11:47:50 | My Consert
関東地方にもたらした甚大な被害の台風や、大雨が多かった初秋の日本ですが、
天皇陛下の即位式も無事に終えられました。
大阪は遅いですが紅葉も少しづつ進み、穏やかなちょと暑いくらいのこの頃です


小旅行に出ていて、またブログが一段と遅れ、ミュズィク・ドゥスの京都公演最後です。


縁の下の大力持ちと言えば、チェンバロ運搬、調律を一手にしてくださる、ヴィオールの太田賀之さんです。


通奏低音では綺麗なガンバの音色で、また今回はマラン・マレのヴィオール曲集第5巻より、6曲(とても大曲でした)のソロを弾かれましたが、ご本人の希望で動画はありません。


そしてクリスチャンでヘブライ語が専門の、テオルボの竹内茂夫さんも、言葉やキリスト教のことを詳しく教えてくださり、心強いメンバーです。
こうして見るとテオルボの柄の長さには驚きますが、解放弦で低音弦を張ってあるので、こんなに長くなったそうです。
「テオルボを5時間以上弾くと死ぬ」とご本人が冗談でおっしゃってますが、左手が心臓よりも常に上になりますから、血流が悪くなることは確かなようです。
でも歌はじめ旋律楽器は、テオルボの低音弦が伴奏でボーンと鳴ると、しびれるくらいたまりません(#^^#)。


ラストはやはりソプラノ重唱で、フランソワ・クープランの「マニフィカト」(マリアの賛歌)で締めくくりました。

François Couperin Magnificat


コンサートにお越しくださったお客様、どうも有難うございました。


神戸雲内教会での模様は、また後日ご報告させていただきます。
今年ラストのコンサートは、地元の和泉市久保惣記念美術館で、2019年12月21日午後2時開演、
少しクリスマス向けにプログラムを変更してのお届けです
どうぞ宜しくお願い致します。

ミュズィク・ドゥス京都公演 ④🎶

2019-10-17 09:24:44 | My Consert
台風19号の爪痕は深く、関東方面の被害状況が日に日に明らかになってきて、国が激甚災害に指定しました。
改めて被災者の方々に、お見舞いを申し上げます。台風が去ってから急に寒くなり、これから冬に向かっていきますので、一日でも早い復興を願います。何とかいいお正月も過ごしていただきたいと願います。


ミュズィク・ドゥス京都公演の模様、縁の下の力持ちの通奏低音をずっと弾き続けてくださる、クラヴサン小林美紀さんです。今回はルイ・クープランというフランソワ・クープランのお父さんのお兄さんに当たる人と、フランソワ・クープランのクラヴサン・ソロ曲を演奏されました。クープラン一族も音楽家の家系で、バッハ一族のような感じで、一番有名なフランソワが”大クープラン”と呼ばれています。


小林さんのチェンバロ・ローズは、綺麗な百合の花に囲まれています。
チェンバロはイタリア語で、フランスではクラヴサン、イギリスではハープシコードと呼ばれ、楽器としては同じものです。フランス・バロックを演奏する時は、勿論クラヴサンと呼ばれます。

クープランのクラヴサン曲はクラヴサン曲集が第4巻あり、第27オルドルまであり、その1つのオルドルの中でさらに多数の曲があるので、数えるのはしんどいほど、膨大な数のクラヴサン曲があります。そして大抵は何らかの題名が付けられています。
オルドルというのは、整理されたというような意味で、クープラン自身がオルドルと名付けていて、他にも自分の作品をオルドルとして残している作曲家はいます。
クープランのそのクラヴサン曲の名前が、けっこうユニークなものが多く、ウィキペディアなどに全曲載っていますので、どうぞご参照ください。

今回 L'Angélique という曲を日本語にどう訳すかというのが問題になり、語学学者でもある竹内先生も大いに悩まれ、”天使のような女”と訳すべきか、”アンジェリク”という、ハープのように絃がドレミファの順番に並んでいる、リュート族の楽器があるそうで、それのことなのか意味不明で、結局ランジェリクとそのままで、また後でなんか響きが解りにくいので、”アンジェリク”ということにしました(^-^;👼。
フランス・バロックの器楽曲でけっこう題名が付いてることが多いのは、ルイ14世など王様や貴族に楽しまれるように、名前をつけなければいけなかったと、どこかで読んだことがあります。有名なのはマラン・マレのヴィオール・ソロ曲「膀胱結石手術図」という、当時の手術を音楽で表すという、痛そうな作品があります(;'∀')。

F.クープラン「アンジェリク」「装飾」 F.Couperin「L'angélique」「Les agrémens」

ミュズィク・ドゥス、京都公演 ③🎶

2019-10-12 00:43:37 | My Consert
今年最大の台風19号が近づいて来ています。とてつもなく大きいそうで、通過中はどうなるか解らないほどの凄さらしいです。主に関東地方がかかるそうですが、昨年の大阪を直撃した21号の凄かったことを思い出すと、とても危険です


さてミュズィク・ドゥスの京都公演の続きですが、ド・ラランドの三曲のルソン・ド・テネブルのうち、「聖金曜日の第3ルソン」を歌ったのは、辛川千奈美さんです。
私より少し重めの声ですが、深い考察力からくる唱法に惹きつけられます。

預言者エレミヤの祈りが始まる~Incipit Oratio Jeremiae Prophetae という出だしで始まります。アンスィピ オラスィオ とやはりフランス語風発音ですが、”祈り”という言葉が、日本の昔のキリシタンの祈りが”オラショ”と言うのが解ります。イタリア読みだと、インチピ オラツィオ になります。
かのバリトンのフィッシャーディスカウ氏が歌う、古い録音のクープランの「聖水曜日の第1ルソン」のCDを持っていますが、完全にイタリア風発音です。しかもフレーズの最後に、何故か同じモルデントを付けているのです。今の時代から聴くと、さすがに違和感が…(;'∀')。

ド・ラランドの聖金曜日も長調で、明るい雰囲気で始まります。そしてRecordare Recrdare Domine 主よ、心にとめてください~という言葉のフレーズが、数えたら計5回繰り返されています。レコード(記録)Reがついたら繰り返すという意味合いがあるので、そのように作曲されたのでしょうか。ですから聖金曜日は、とても聴きやすい感があります。
ラストのシャコンヌ”エルサレムよ、汝の神なる主に立ち返れ”は、聖水曜日とほぼ同じメロディーですが、通奏低音の繰り返しをすごく沢山しています。楽譜には最初にテオルボが単音で弾く、たった4小節しか書かれていません。4小節だけ聴いて歌い出すというものが、どちらかというと一般的かもしれません。でも辛川さん、溜めます溜めます…、通底の実力を試してるのかな?(^-^;

M - R.ド・ラランド「聖金曜日のための第3ルソン」 Michel - Richard de Lalande Ⅲͤ Leçon du Vendrei Saint

ミュズィク・ドゥス京都公演 ②🎶

2019-10-02 09:21:04 | My Consert
とうとう10月に入って、消費増税10%が始まりました。
まだ食料品しか買っていないので、実感はわきません。スマホ決済の用意もしていません(;´・ω・)。


ミュズィク・ドゥスの今年のコンサートは、前回に続いてエレミヤの哀歌ド・ラランドの「ルソン・ド・テネブル(暗闇の朗誦)」をすることにしました。
私・笹山晶子「聖水曜日のための第3ルソン」です。フランソワ・クープランより、415Hzでは歌いやすい音域でありますが、エルサレムの陥落を歌ったものなのに、何故か明るい雰囲気。途中ドラマティックな展開がありますが、最後はまた長調で、美しいメロディーです。
楽譜は初稿譜の当時の楽譜を読みますので、時々ソプラノ譜表が出て来たりします。ソプラノ譜表は五線の一番下の線がドになります。
でも古楽のオリジナル楽譜にはよく出てきますので、最近はそういうのばかり歌っていて、慣れてきました。
フランスものなら、ラテン語でもフランス語風な読み方にします。いきなり冒頭のJodは、ヨーdではなく、ジョーdだったりします。イェルサレムは、ジェリューザレムみたいに発音しています。みたいにというのは、日本語のカタカナでは書き表しようがないのです。

家から遠い場所だったので、一泊しての本番でした。また梅雨冷で7月なのに、寒いと感じる日でした。初めて歌う曲なのでとても緊張しました。と言い訳ばかりしていますが、よく響くホールだから、声を張りすぎないようにと竹内さんから言われていました。
動画は私のただのホーム・ビデオで撮影したものですが、それでもこのホールがいかに響きがいいかということを解っていただけるかと思います。

M - R ド・ラランド「聖水曜日のための第3ルソン」Michel - Richard de Lalande Ⅲⷷ Leçon du Mercredy St.



京都地下鉄烏丸線の「国際会館」駅にあるホテルに素泊まりして、朝食に寄った喫茶店の中庭に大きな木があり、素敵な鳥籠が掛けてあるな~と思って見てたら、なんと本物の小鳥が出入りしていました🌳🐦。