‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

モストリー・クラシック記事&ハイドン「天地創造」聴き比べ

2015-01-31 15:57:33 | More Mark Padmore
モストリー・クラシック3月号「BIGが語る」という記事に、パドモアさんのインタビューと、昨年のシューベルト・チクルス演奏会の評論記事が掲載されています。





インタヴューでは、リートのパートナーのピアニストについてや、シューベルト歌曲への思い、バッハのエヴァンゲリストとしての考えなどが、語られています。
「冬の旅」での孤独感は、現代社会に通ずるものがあり、”宿屋”(墓場)でさえ受け入れらず、何処へ行っても受け入れてもらえないという点に、共感できるのではないかという思いだそうです。
深く考えると人は皆違うので、自分の気持ちは誰にも理解してもらえないと思うことは多々ありますが、パドモアさんもそういう思いをすることがあるのですね…。
世界中が敵になっても、安心してください。私は何時でも永遠にマークの味方です
☆モストリー・クラシック→http://mostly.jp/

最近購入したパドモアさん入りのCDで、ベルナルト・ハイティンク指揮のハイドン「天地創造」があります。こちらは普通取り上げられるドイツ語による「Die Schöpfung」モダン楽器によるものです。

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イギリス人指揮者、ポール・マクリーシュ指揮の「The Creation」もあり、こちらはピリオド楽器英語で歌われています。

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「天地創造」は、イギリスでも人気を博したハイドンが、ヘンデルのオラトリオを聴いて感動し、ヘンデルに作曲される予定だったテキストをウィーンに持ち帰り、ドイツ語に訳したものに作曲しました。
ヘンデルはこの曲を書けずして、死んでしまったからです。ですから当然英語によるテキストが存在するのです。確かに私の持っているペータース版のヴォーカル・スコアにも、ドイツ語、英語が載っています。
ハイドンはドイツ語に作曲をしましたから、当然ドイツ語で歌った方が自然だと思いますが、このマクリーシュ盤では、ドイツ語に負けないほど素敵な演奏です。

旧約聖書の地球誕生から人間の誕生までを描いたⅠ部、Ⅱ部と、ジョン・ミルトンの「失楽園」よりアダムとイヴが登場するⅢ部で構成されていて、ソロと合唱、オーケストラで織りなす大音楽絵巻です。
Ⅰ部とⅡ部では、3人の天使ガブリエル(ソプラノ)、ウリエル(テノール)、ラファエル(バス)がソリストで、Ⅲ部でアダム(バス)とイヴ(ソプラノ)、そしてテノールがソリストで登場します。
ハイティンク盤では、ソリストは3人だけで、天使役の歌手がアダムとイヴ役も兼ねています。アマチュア合唱でも、よく取り上げられる曲ですが、ギャラなどの関係から、そうなることが殆どだと思います。
マクリーシュ盤では、アダムとイヴは新たなソリストが登場します。CDも2枚組ですが、Ⅰ部Ⅱ部が1枚目に収められていて、2枚目がⅢ部になっています(う~ん、こだわる~)。
1枚目のラファエル役、ニール・デイヴィスの凄い声の演劇的な歌い方と、2枚目のアダム役が、Sweet&Gentle Voice のピーター・ハーヴェイなのでとても効果的。アダムとイヴの甘やかな愛の世界にウットリです

パドモアさんは、天使ウリエルとⅢ部のテノール・ソロを、どちらも担当していますが、マークのスウィートな声が似あうウリエルの歌う23曲目(Ⅱ部)の、神が人間を創ったというレチタティーヴォと24曲目のアリアが特に好きです。
ドイツ語でも英語でも、基本変わりないのですが、とても素敵な部分 Im Liebe Speak Love がやはり英語の方がより Sweetです。


ペーター版の楽譜と同じ、ドイツ語と英語のウリエルのアリア。


ペーター版とは、英語が少し違う歌詞。この歌詞の違いは、私自身まだよく調べられていません。
チェロの美しい旋律が、より引き出されているのはマクリーシュ盤です。

でもどちらも申し分ないソリスト陣で、パドモア・ファンにはドイツ語、英語と楽しめる作品です

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