‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

ロマンティックな七夕の宵、ティル・フェルナーのPassion溢れる演奏でした🎶

2018-07-18 23:33:30 | More Mark Padmore
7月7日
トッパンホールの、ティル・フェルナーのピアノ・ソロ・コンサートを聴きに行きました。
土曜日の夕方でしたが、西日本は木曜日くらいから激しい雨が降り続け、金曜日は大阪堺市では、保育園から高校までが休みになるなど被害に備えていて、多くの鉄道が運転見合わせで、新幹線も遅れたりしていて、土曜日無事、東京へ行けるかも心配でした。でも雨が降り続ける中でしたが、新幹線も新大阪から東は普通に動いていて、大阪から脱出することが出来ました。



    
名古屋あたりまでは、暗い空に雨模様で、見える川はみな濁流でした。でも関東地域になるにしたがって空は明るくなり、久しぶりに太陽も見る感じ、東京は嘘のように明るい。








七夕の日だったので、トッパンホールのある最寄り駅「飯田橋」のショッピングモールは、沢山の七夕飾りや、ステンドグラスの前でコンサートがあるなど、賑やかでした。
平日の夜のコンサートしか行ったことがなかったので、飯田橋にこんな楽しいショッピングモールがあることも知りませんでした。凄く女の子むけの可愛いファッションのお店がいっぱい在りました。せっかくなので、可愛い七夕飾りと記念撮影


星の花・ペンタスの花壇も★★★★★。


昨年秋から手の不調でコンサートを休んだり、出たりのようで、予定されていたプログラム曲が、思うように練習出来なかったということで、弾きなれた曲に変更、シューベルトとシューマンの曲になりました。
ホール側からは、もしプログラムが気に入らない場合は、チケットを返却しますという案内まできました。
返却してもらった方がいるかは判りませんが、お客さんはほぼ満席で、たとえ過去に聴いた曲であっても、生演奏というのは、観客とも一期一会ですし、むしろティルをずっと応援しているファンは、困難な時ほど支えないとという気持ちも強いのではないでしょうか。

シューベルトの「ソナタ第14番イ短調」は、ティルの演奏では初めて聴きましたが、単旋律の暗い感じのテーマから始まります。そして音がだんだんと重ねられていき、シューベルトらしいリズムに温かな和音が響きます。あまりモダンピアノの生演奏は聴かないので、音量はさすがに大きいなと感じましたが、低音の深い響きや高音の優しく透き通った響きがとても心地好く、シューベルトらしさがとても感じられる歌うようなピアノは、ティルの真骨頂を聴けた感じでした。
他の明りはまったくない暗い夜空に、天の川や星々が静かに美しく、粛々と輝いているようなイメージで、なんか七夕の夜にぴったりだな~と思いました🎋

「楽興の時」は、岡崎市シビックホールで聴きいて、凄く綺麗だったので、再び聴けるのは嬉しかったです。この日はやはり低音の響きがよく聴こえ、美しさに加え情熱的な感じがしました。
以前チェンバロ奏者の方と、CDでバッハの「フランス組曲」を聴いていたら、この人は通奏低音が解って弾いているように思うと、感想を言われました。私も通奏低音と歌うことが多いので、低音がよく聴こえ歌っている演奏はすごく楽しく、明らかにティルさん上り調子です。

シューマン「幻想曲ハ長調」はトッパンホールで聴いて、その後ラジオ放送もあり、すごくハマって好きになった曲(特にティルの演奏です)なので、再び生演奏で聴けるのがワクワクしました。シューベルトで盛り上がった熱気を、さらに上げて来るような情熱的な演奏で、きっちり理性的に弾くという印象のティルですが、この日は自分をさらけ出しているような、技術がうんぬんよりも、Passion(情熱)に溢れて、とても感動的でした
やはり演奏家はどんどん変わっていくというか、同じ演奏は無いので、一段と大きくなったティルのピアノが聴けて、また雨ばかりでちょっと気分が落ち込んでいたところ、勇気づけられたようで、スカっとしました(^_^)/。

*アンコールは、リストの巡礼の年第1年スイスより「ワレンシュタット湖畔で」。湖の静けさなのでしょうが、左手のさざ波のような伴奏に、右手の星の煌めきのような音が乗って、やはり静かでロマンティックな星空のようなイメージは、七夕祭りにぴったりの曲でした




KAJIMOTOさんツイッターよりの、ステージの上の素敵な写真です。

   
サイン会にて。お子様も一生懸命、手紙を書いて渡されていました。いつかティル先生にピアノ習えたらいいね
飛行機が無事飛んだので、福岡からも聴きに来られたファンの方などと、感動的な演奏に乾杯しました
そうそう、来た時に沢山あった七夕飾りを見せたくて、飯田橋のショッピングモールにまた寄ったのですが、すっかり片づけられていました( ゚Д゚)。きっと由緒ある神社に持って行かれて、ご祈祷されたのだと思います。


昨年からパドモア・フレンズのサインを、ハンカチに書いてもらっていて、これでばっちりピアニストさんも揃いました   
ティルはポール・ルイスのサインを見て、喜んでいました。解らなかったのは、クリスティアン・ベザイデンホウトの変わったサインです(*^_^*)。


ティル・フェルナーと私、笹山晶子です。かなり紗のかかった写真でないと、もう私は耐えられません(*´ω`*)。着物も紗ですが…。




長野県・松本市のコンサートは行けなかったのですが、またまたKAJIMOTOさんツイッターよりの素敵な写真。
国宝・松本城とティルの写真も、国宝級に素敵ですね

コメント (2)
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🌸春風のようなモーツァルト、クリスティアン・ベザイデンホウト・フォルテピアノ・コンサートでした🎶。

2018-03-28 21:12:48 | More Mark Padmore
桜、めっちゃ咲いています。ブログ大幅に遅れ、前後しています

3月17日
兵庫県芸術文化センターにおいて、クリスティアン・ベザイデンホウトオール・モーツァルト・プログラムを聴きました。


宗次ホール・ツイッターよりの写真で、モーツァルト時代のピアノです。
鍵盤数もチェンバロくらいに少ないので、モーツアルトのピアノ曲の音域が狭いのはこのためです。


クリスはチェンバロもモダン・ピアノも弾きますが、フォルテピアノ(時代によって型は変わりますが)の第一人者であります。
ソロ・コンサートでは、前回のコンサートと同じく、オール・モーツァルトでした。

モーツアルトのピアノ・ソナタは、ピアノ経験者は、なんか弾いたことがある、聴いたことがあるような親しみがあります。
モダン・ピアノで弾いても心地いい曲が多く、ベートーヴェンのピアノ・ソナタよりは、軽くて弾きやすいものが多いので、昔は声楽科の受験のピアノは、モーツァルト・ソナタでした。

チェンバロが大型化し、チェンバロは音量を指でコントロール出来ない楽器なので、フォルテピアノのような、指で強弱がつく楽器は画期的で、繊細な表現やドラマティックな表現が出来ることにより、チェンバロより人気が出て、チェンバロの衰退を招いたと言われています。チェンバロに絵画などの塗装がしてあるのは、音量を抑えるためだとも言われています。

天使のようなモーツァルトの響きは、いっそう天国的、数少ないモーツアルトの短調の曲においては、特にドラマティックな響きが強調されます
右膝を上げて響かせるペダル、左膝を上げて弱音にするペダルも使い分けて、色とりどりの音色を、自由自在に弾きこなすクリスでした。

今回一番良かったと思ったのは、プログラム・ラストのヘ短調のソナタK457で、最低音まで出て来る、とても悲劇的で激しい感じの曲でした。
アンコール曲は、その短調の曲の雰囲気を引きずる、組曲K399より”アルマンド”で、短調のとても綺麗な曲でした。
その2曲が入ったCDはまだ録音していないそうで、CDはありませんでしたが、すごく印象に残りました。
この日は暖かな春の日でしたが、暑い日やまた真冬の寒さの日があったりで、春風は優しい時も激しい時もあります。
そんな早春を感じさせるプログラムと演奏でした。




たった一枚だけ、パドモアさんとの「冬の旅」が残っていて、とてもラッキーでした!
とうとう出たかと思いましたが、これは今希少なのだそうです。パドモアさん、最初の冬の旅の録音から、随分年数も経っていますから、絶対これは最高です!音量も大きくないフォルテピアノですので、発音や表現の繊細さが引き立っています。ピアノの方は決して速いテンポをとってるわけではなく、落ち着いたテンポ感のものから、軽やかに動くもの、そしてなんといってもシューベルトが弾いていたピアノの音だという確信がありますし、主人公の不安定な気持ちが、音色に表れていると思いました。


もう一枚、ヴァイオリン・ソナタを購入しましたが、有名な曲ではなく、初めて聴く曲ばかりですが、フォルテピアノの音と、クリスの演奏にすっかりハマっています(*^_^*)。

  サイン会にて。


写真はまずは一人で撮って下さいということで、モデルのようにポーズを決めるクリスです。このクロスした足の立ち方は。。。
あのモフキャラと同じではありませんか。。。(='ω'=)


Kristian Bezuidenhout & me Akiko Sasayama


コンサート後に、いつも行きつけのお手軽イタリアン店に行きました。苺パフェ、冬に食べた時より苺が少ない。何故~?
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ティルのお誕生日です🎂

2018-03-09 23:00:14 | More Mark Padmore
平昌パラリンピックも始まりましたね

3月9日は、ティル・フェルナーのお誕生日です。46歳ですね


昨年は手の調子が悪いということで、コンサートが中止になったりしていましたが、今年からコンサートも始まったようで、良くなったようですね(^_^)。
トッパンホール、2018年7月7日(土)17時開演
シューベルト ・楽興の時 D780 ・幻想曲ハ長調 D760(さすらい人) 
       ・ピアノソナタ第15番ハ長調 D840(レリーク)・ピアノソナタ第14番イ短調 D784


*ティルの手の回復具合により、プログラムに変更があるそうです。
 シューベルト ピアノ・ソナタは第14番のみ、幻想曲ハ長調(さすらい人)⇒ シューマン「幻想曲ハ長調 Op17


昨年申し込んでいたチケットと、同じ席で引き換えでした。
パドモアさんウェブサイトでは、5月にザルツブルグでシューベルト、シューマン・プログラムで共演と書いてあります。

私自身も昨年くらいから指が痛くて、痛い指が右左で増えてきました。整形外科へ行ったら、バネ指の一種で、注射や手術をするまでもないので、痛み止めの塗り薬をもらっただけで、自分で優しくストレッチなどをしなさいと言われました。知り合いの鍵盤奏者も手の筋などにずっと痛みがあるとか、けっこう手を使う仕事をしてる人(裁縫家や習字の先生)は来るみたいですね。私は楽器をバリバリ弾いているわけではありませんが、知り合いのお医者さんに言うと、やはり指をよく使う人は、使い痛みが来るそうです。昨今はスマホ腱鞘炎になる、若い人も増えているそうですね。

ヨーロッパも大寒波に襲われていたとニュースで知りましたが、来週くらいからすごく暖かくなるみたいで、指も楽になるといいですね。7月のコンサート、楽しみにしています


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パドモアさんのお誕生日です🎂

2018-03-09 00:04:35 | More Mark Padmore
3月8日は、マーク・パドモアの誕生日です。御年57歳

この3月来日のクリスティアン・ベザイデンホウトフォルテピアノで歌う、シューベルトの友人、フランツ・ラハナー「漁師の娘」の動画です。
シューベルト「白鳥の歌」の中のハイネの詩によるものと同じです。ラハナーの歌曲、色々素敵なものがあります。ソプラノ用には、クラリネットやホルンのオブリガート付きの、規模の大きなものがあり、歌うのはシンドイです(^-^;。
クリスのフォルテピアノ・コンサート、関西では兵庫県芸術文化センターですが、即完売でした。楽しみです

Mark Padmore & Kristian Bezuidenhout - Franz Paul Lachner/ Das Fischermädchen
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技魅せます!Mark & Paul at 静岡公演🎶、その前に軽登山。

2017-12-04 13:27:40 | More Mark Padmore
11月25日
マーク・パドモア&ポール・ルイス「静岡音楽館AOI」という所での、第1プログラムの古典派~初期ロマン派までの公演へ行きました。


快晴となった関東地方は、富士山もこのように美しい姿。




ハイドン、モーツアルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンの歌曲の数々で、に託した愛の歌で一環されていて、特にViola(すみれ)を中心とした歌は、花好きのみらくる・あっこ的には、大変嬉しいプログラムでした。

シェイクスピアの詩で、ハイドンの英語の歌から始まりました。ハイドンは晩年ロンドンに渡り活躍したので、イギリス人にとっては、ヘンデル同様、重要な作曲家のようです。ロンドン時代での、女流詩人アン・ハンターとの恋愛も有名な話しです。
モーツァルトも"Das Veilchen"菫が主役の曲、"Abendempfindung"夕べの想いも、菫が登場します。
ベートーヴェン"Adelaide"アデライーデも、初夏の花・鈴蘭などが登場します。もちろんベートーヴェンに星は必須☆彡。

今回初聴きで、とても印象的だったのが、シューベルトの長い歌"Viola"菫でした。待雪草(釣鐘型の白い花、スノー・ドロップともいわれる)の小さな鐘のような音のピアノが繊細で綺麗で、雪が溶けて春を告げる花として登場します。ヴィオラの花が女性で、戦場から帰る兵士を待っていますが、少し早く咲きすぎて、兵士がやってきた時には、萎んでいなくなっていた、という男女のすれ違いを歌ったものだと思いますが、いや~、シューベルトはやっぱり特別な世界観ですね~

シューマン「詩人の恋」も、初夏の花咲く季節の失恋物語で、やはり全体的に一貫したプログラムは、連作歌曲を聴いたような印象でした。
王子ホールの方を聴いていないので解りませんが、郵便局のあるJR静岡駅近の、このホールはパイプオルガンもあり、とても良い響きだと思いました。まぁまぁ広いホールで、ピアノの蓋も全開でしたが、エンジェル・ヴォイスの美しいパドモア節も全開でした

   
雲一つ無い快晴となった東京駅の空

   
家康公のおひざ元の静岡駅
夜の公演の前に静岡見物をしようと、友人と待ち合わせて巡ることにしました。




先ずは「浅間神社」へ。お天気も良く、お日柄も良かったのか、結婚式や七五三のお祝いの人達も多かったです。

     
NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の舞台になっている辺りなので、先日放送された「鶴瓶の家族に乾杯」で、高橋一生さんが浅間神社を訪れて、富士山のよく見える絶景スポットで、感激されいたという所へ行ってみようと、何故か長~い階段を登ってしまいました。後ろを振り向けないくらい長い高い階段で、着物なので辛いな~とフーフー言って登りましたが、それらしきスポットは見えてきません。更に山道の上り坂が続いています
反対から降りてくる人に訊いたら、確かに観音様があって、富士山がよく見える所が山の上にある、とおっしゃるのです。ここまで来たんだから頑張ろうかと、着物で山道を登っていると、鈴をつけて杖まで持ったおじさんが歩いてこられて、鶴瓶の家族に乾杯で高橋一生さんが観たという所は…と訊いたら、それは多分下にある、特別な人でないと入れない建物だよ~と言われました( ;∀;)。ちなみに、おじさんはを腰に付けておられるということは…、が出るんですか?と聞いたら「熊が出るのは朝と晩で、昼間は大丈夫だよ」(=゚ω゚)ノ。




確かに少し登ると、富士山と市街がよく見えるスポットがありました。でも観音様はないので、ここは途中だと思います。あまり着崩れてはいけないので、ここで満足して降りました。ただ下りも結構怖い。まずこんな所を着物で居る人はいないでしょう。

      


立派な浅間神社を後にして、駿府城公園へ向かいました。12月3日放映の「直虎」で知ったのですが、織田信長が富士山が観たいので、家康に遊びに行くから案内してほしいと言ってきて、信長のために浅間神社内に、宿泊御殿を建てたというのです。おそらく一生さん達は、そこへ通されたのだと思います(;^ω^)。



お城はありませんが、元駿府城跡(今川家)で、お堀に囲まれた紅葉も綺麗な場所です。



















  >「紅葉山庭園」という家康公が楽しんだという綺麗なお庭があり、お茶もいただけます。



駿府城公園も後にする頃には、そろそろ日も暮れてきました。家康公の散歩道の御みかん。

軽登山までして、すごく歩いて、コンサートで寝てしまったらどうしようと心配でしたが、とても良かったので眠くはなりませんでしたが、ホテルの朝食バイキングで思いっきり食べて歩いたせいか、腹痛に襲われ、コンサート終ってからゆっくり出来ませんでした( ;∀;)。
ポールが散髪してて可愛かったのに、サインを貰っただけで、写真は撮れませんでした。友人はCD💿を思いっきり買っていましたが、新幹線でまた東京へ戻るのに急いでおられ、サインも一か所のみと言われました。夕飯なのか、静岡駅中の居酒屋っぽい所へ入って行かれ、前日の酒の歌シリーズを思い出して笑えました( *´艸`)。

ポール・ルイスのソロ・コンサートは、日が離れていたこともあり、行けませんでしたが、かなり面白かったらしいですね。
今回のテーマがユーモアということで、ハイドン・ソナタで笑いを取るシーンもあったとか…。
HBBハイドン、ベートーヴェン、ブラームスのシリーズをやっていくそうで、また来年の11月だそう。日程が合えば是非行ってみたいです。
ポールは、フォルテピアノも練習してるそうで、まだ人前で披露する段階ではないけれども、いつかステージで弾いてるかもしれないそうですよ!底知れないピアニストですね
第一プログラムが主に入っている、フォルテピアノのクリスのコンサートが、来年3月にありますが、私の地元の兵庫県芸は即完売でした











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技魅せます!Mark & Paul 盛りだくさんリート・プログラムでした🎶。

2017-12-03 21:48:00 | More Mark Padmore
もうすっかり一週間がたってしまいました。身辺忙しく、ブログが遅れてしまいました

11月24日
王子ホールで、マーク・パドモア&ポール・ルイスのリート・コンサートへ行きました。


左からMark Padmore, me Akiko Sasayama and Paul Lewis


二夜に渡って王子ホールで、古典派から後期ロマン派までのリート公演で、私は第二夜ハイネとゲーテの詩によるロマン派歌曲から聴きました。第一夜から聴くのが良かったのでしょうが、日程的に厳しく、明くる日の静岡公演が第一夜と同じプログラムなので、東京に一泊するだけにとどめました。

第一部のハイネの詩による、シューマン「リーダー・クライス」Op24は、クリスティアン・ベザイデンホウトのフォルテピアノのCDで聴いていたので、モダン・ピアノとでは、どういう響きになるのだろう?と思っていました。
ピアノの蓋は全開でしたが、ポールのピアノは全くうるさくなく、しかもフォルテピアノ並の軽やかさと素早さ、音色の多彩さで勝負してくるではありませんか!どの曲も素敵なのですが、"Schöne Wiege meiner Leiden"わが苦しみの揺りかごよ、がとっても美しかったです
シューマンではがテーマ、ブラームスはハイネの詩による様々な歌曲でしたが、春~夏~月夜~死の世界へと、初めて聴く歌ばかりでしたが、とても綺麗なピアノと歌が多かったです。ブラームスはフォルクス・リーダーとリーベス・リーダーぐらいしか歌ったことがないので、ほぼ知りません(´-ω-`)。

第二部はゲーテの詩によるシューベルト歌曲から。"An den Mond"月に寄すD296、月だけが自分を見守ってくれる、ここから孤独な世界が描かれました。シューベルト歌曲は簡単なようで、実は一番難しいようにも思いました。勿論それはそれは繊細に上手に歌われていました
竪琴弾きの歌は、孤独とどん底の生活。シューベルト時代の絵に簡素なハープが描かれていたりしますが、ライエルマンと同様、路上で弾き歌いをする楽器でもあったようです。”アヴェ・マリア”などの「湖上の美人」のエレンの歌でも、老人のハープに乗せて歌いますので、ギターやリュートなどと、持ち運びやすい楽器はよく登場しますね。
”御者クロノスに”で、やけっぱちな活動的な歌になり、ヴォルフの歌曲に。

リートを勉強した人なら、ヴォルフも必ずやりますが、一般の人にはあまり馴染みのない作曲家だと思います。ほぼ歌曲しか書かなかった作曲家ではないかと…。歌の曲しか書かなかったって、カッチーニやモンテヴェルディ、ディンディア(イタリア初期バロックの作曲家)みたいですね。ピアノにウエィトを置いていて、歌は詩を語るというところは、シューマンにも言えます。文学的な作曲家で、自分の歌曲を歌う前に、詩の朗読を入れるのが理想だと言っていた作曲家です。
今回のヴォルフの選曲は、ポールがしたそうで、ピアノが超絶技巧の、しかもほぼ酒の歌。ポール自信はお酒は飲めないそうですが、その雰囲気を想像するのが面白いそうです。でもパドモアさんが酒飲みのおっちゃんに見えてくる~!しかも銀座という場所柄、似合い過ぎやん。私はお二人の音楽に酔いましたが…(^-^;。


パドモアさんのメッセージがプログラムに書かれていて、「私はリートが必要とする集中力を愛しています。~~~私にとって言葉は非常に大切です。~~~リートは結婚にもたとえられる、パートナーシップが必要です。~~~」云々。
確かにパドモアさんの魅力は、声が艶やかで美しいこともありますが、発音の明瞭さがあります。そこにまず惹かれるという人も多いのでは…。古楽を歌っていた時からのファンも多いのですが、リートはピアノと一対一の世界、言葉もたくさん入りますし、音程をピシっと取り綺麗に歌うだけでなく、それを超えた演劇的表現が強く出ていました。
ピアニストも常に言葉を共有しているという、自分ひとりだけの世界ではいけません。歌手はピアノが出してくる音楽に合わすように、言葉に色を細やかにつけていくという作業が必要です。共同作業で歩み寄りもあれば、自分について来い的にリードする部分もあり、その時の相手の状況を即座に感じていく、というアンサンブルに欠かせない協調、響き合い、大変だけれどもスリルがあって面白い世界ではあります。
この二人は多才な技で、その世界を大きく広げる力をお互い持っていて、知らない曲でも大胆に魅力を引き出して、聴かせてくれるのでした


連作歌曲のものも、抜粋を集めたものも色々、計31曲を演奏されましたが、物語風な流れがしっかりあり、まるで連作歌曲集を聴いたような、プログラム構成の素晴らしさも味わえました。やっぱり第一夜から聴くとより良かったんだろうな~と思いました。アンコールは、シューベルト「ギリシャの神々」

    
銀座のイルミネーションなど。


当日の新幹線から観た伊吹山は、うっすら雪化粧。


浜名湖は何かの養殖が。


少し雲がかかった、雪化粧も綺麗な富士山です。でも週末いいお天気になるのが久々です。10月中頃から大型台風など、雨の週末が多かったので、観れてラッキー!






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地球誕生の壮大で楽しい音楽「天地創造」でした🎶。

2017-08-28 13:29:30 | More Mark Padmore
8月26日未明、日本時間の真夜中2時からでしたが、ベルリンフィルのデジタルコンサートで、ハイドン「天地創造」のライブ中継を観ました。


マーク・パドモアがソリストで出演でした。


今シーズンの開幕コンサートで、サイモン・ラトルが今シーズンで主席指揮者を退任するということで、とても力の入った感じの、でも幕開けに相応しい作品です。
最初に小さな短いオーケストラだけの作品、ゲオルグ・フリードリヒ・ハースという作曲家の現代曲「ヴォルフガングのための小さな交響曲」(委嘱作品・初演)が演奏されましたが、羽虫が飛んでいるようなトリルや、車のクラクションのような音が鳴る、現代のストレスフルな地球を感じる曲でした。
それを聴いてから、宇宙の中で、混沌から地球が誕生し、人類が登場する様子の「天地創造」へと移っていくのが、とても面白いプログラムだと思いました。フォルテピアノの通奏低音が全体にはいっています。


ソプラノ(エルザ・ドライズィッヒ)天使ガブリエルのアリアは、水と陸が分けられ、陸は緑の草花に覆われて行く瑞々しい歌や、
空を飛ぶ鳥のテンションの高い歌を、とても軽やかで聴きやすい声で、装飾変装も沢山入れていて素敵に歌っていました


鳥の歌は、やはりフルートのオブリガートがはいります。




太陽と月が創られ、太陽が昇って来るテノール天使ウリエルのアリアは、最も感動的!
ハイドンのオーケストレーションの見事さが発揮されます


バス(フローリアン・ベッシュ)天使ラファエルは、四足の動物や虫など、地上を歩く生物のアリアを、とてもユニークに歌う。もちろんオーケストラも超ユニークな描写音楽です。
でもこの方の歌い方も、従来のバスのイメージとは違う、ファルセットも多く使い、とてもなめらかな柔らかい歌い方でした


コーラスは沢山の天使たち


真夜中だったので、猫が暴れています(^-^;。




ラトルさんの解説が、休憩時間に入る。(ロンドン五輪の開会式で、Mr.ビーンがキー・ボードで、オケに参加していた時の指揮者です)。


第2部と第3部が後半に続けて演奏され、第3部はパドモアさんとベッシュさんが入れ代わる。


アダムとイヴの登場です


4時半頃終わりましたが、眠気も帯びずに一気に聴けて、それくらい楽しい演奏でした!
サー・サイモン・ラトルは、来年9月に来日が予定されています。






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ベルリンフィル・デジタルコンサートで、ハイドン「天地創造」LIVEです!

2017-08-18 23:18:00 | More Mark Padmore
8月26日(土)日本時間午前2:00~
ベルリンフィルのデジタルコンサート・ホール、ハイドン「天地創造」ライブ中継で、パドモアさんが出演です。


第1部、第2部旧約聖書・創世記より、地球誕生の6日間が描かれます。テノールは天使ウリエルで、ソプラノ(天使ガブリエル)、バス(天使ラファエル)。合唱も大勢の天使たちで、神秘的で描写的なオーケストレーションです。でもハイドンは古典派なので、聴きやすくて明快な音楽です。
第3部は、ミルトン「失楽園」より、アダム(バス)とイヴ(ソプラノ)が登場。愛のデュエットやテノールの甘いアリアが美しい
ドイツ語か英語か、はたまた何か演出があるのか?は解りませんが、真夜中なので、頑張って起きていなくてはいけません(^-^;。

Coming soon ! http://www.digitalconcerthall.com/ja/live


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ティル・フェルナーのシューベルト・ソロリサイタル♪

2017-07-18 21:34:50 | More Mark Padmore
ティル・フェルナーのシューベルティアーデと同じプログラムが、日本でも演奏されます。



2017年12月7日(木)トッパンホール 19:00開演
本場のシューベルティアーデで、4回にわたってチクルスを行うそうですが、その同じプログラムが日本でも聴けることは嬉しいです
パドモアさん公式サイトを見ると、秋はたくさんパドモアさんとのリート共演の予定が載せられていました(*^-^*)。

*追記*この公演は、ティルの右手の故障のため一旦中止となり、来年2018年7月7日(土)17時開演で、次のプログラムで来日ということです。プログラムは「楽興の時」D780、幻想曲「さすらい人」D760、ピアノ・ソナタ第14番D784、ピアノ・ソナタ第15番「レリーク」D840です。
詳しくはトッパンホール・ウェブサイトで。http://www.toppanhall.com/about/news/index.html#2017101001

ティルのウェブサイトには、パドモアさんとの公演しか載っておらず、おかしいな~?と思っていたら、こういう事情だったのですね。
シューベルティアーデは、代役が出たような…、よく分かりませんが。ゆっくり手を休ませて、また暖かな響きを聴かせてくださいね。私個人的には、技巧や音量で脅かすピアノよりも、内面からにじみ出るような音楽を奏でるピアノが好きなので、決して手に負担をかける無理はしないで、美しい音やシューベルトの気持ちが伝わるような、演奏を聴かせてほしいです。
「楽興の時」全曲は、今年聴いてすごく良かったので、また聴けると思うと嬉しいです(*^-^*)

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パドモアさん、秋のリート公演はポール・ルイスと🎶。

2017-07-11 09:15:40 | More Mark Padmore
  九州の豪雨災害、お見舞いを申し上げます
同じ所にどうして集中して降るのか、大阪は梅雨が明けたようなカンカンの暑さで、朝からもう蝉がシャンシャン鳴いています(*_*;。
コンビニなどで、義援金の募金箱も設置され始めましたので、小さくても出来ることをやりましょう!

マーク・パドモア&ポール・ルイスが、秋にリートとピアノ・ソロで来日です。



2017年11月22日(水)、24日(金)19時開演<王子ホール> 
22日は、ハイドン歌曲、モーツアルト「すみれ」、ベートーヴェン「アデライーデ」、シューベルト「ヴィオラ」、シューマン「詩人の恋」と、ポピュラーな感じのプログラム。
24日は、シューマン「リーダー・クライス Op.24」、ブラームス、シューベルト、ヴォルフのゲーテとハイネの詩による歌曲の数々です。



11月25日(土)18:00開演<静岡音楽館AOI>
こちらは、王子ホールの22日のプログラムと同じ。
今回は、来日コンサートでは初めてのようなプログラムがたくさん。とても楽しみです(*^_^*)



そして、少し日が空いて11月29日(水)19時開演<王子ホール>ポール・ルイスのピアノ・コンサートで、ハイドン、ベートーヴェン、ブラームスのプログラムです。

秋に渋めのプログラムですね
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