詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

すうぃーとこみゅーたー2

2016年02月09日 | 
ホームに佇む人々に見えるは
電線を伝い
揺れている銀テープのごと
降り続く雨

蛇行するレール
獲物を狙う獣のように
ゆったりとなぞりながら
電車がホームに入ってくる

嚙み殺されるのはあくびばかりでなく
缶コーヒーは放られた
熱い
握り締めると
偽装は重ねられて

冬の樹々は呪いのように
逆立った髪の毛と両手の指と
天に向かって突き刺して
うつむく人々の間を闊歩する

まだ誰もいないフロアで
ひっそりと呼吸を続ける自動販売機
そうひとりでに
混沌さえもツクラレタこの街の
続きに見える人々も
内なる時計のメカニズム
我の意思さえ乗り越えて
ひとりで立っている


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