詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

愛のnight

2016年07月09日 | 
愛は無いをつくる

出会うまで
その人は存在しなかった
大切になるまで
その人の不在は意味を持たなかった
無いは無かった

愛がわたしの心を無いで満たした
愛が増えるほど
無いの数も増える

愛って何?
混沌を生みだす
渦のはじまり
風の真ん中
わたしの真ん中

もう、眠らないと
もう、愛がないと
眠れない

わたしひとりでは眠れない
愛がないと
無いも無くて空虚で
愛がおとずれるのを待ちながら
愛が無いと泣いている

愛もわたしを待っている
わたしから始まる愛が無いと泣いている
空虚を満たすもの
月のように
わたしから始まる

今日を振り返り
なにかわずかに素敵だったこと
水鉄砲を撃つように鳥が放つ声
角を曲がって突然あらわれる紫陽花の彩り
誰かの着ていた服
揺れるアクセサリー
表情しぐさとか
一瞬の間
冷たいアイスコーヒーを飲んだ瞬間
電車から見えた窓
こぼれおちていく光のかけら

差異によって毛羽立つ境を溶かしていく
優しい液体のようなほほえみのさざなみ
ひたひた満ちてきて
暗い部屋の空気とゆるやかにまざりあい
マーブル

もう、眠らないと
もう、愛がないと
眠れない

一日のおわりの空虚を
なにかを愛する気持ちで満たして眠る
月のように
愛のnight

コメント
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